出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

注文納品口でのつれづれ

2005年10月04日 | 注文納品
ちょっと日数が経ってしまったネタだが、9月末にトーハンも日販も棚卸しをした。

トーハンは、9月頭くらいに例の短冊が入っている棚にお知らせが入っていた。棚卸しをするので、29日は受品業務は休み、30日は10月1日付の伝票にしろ。

棚卸しをしてくれるのはいいんだが、30日にすれば9月は29日までの受品ということになって、ちょうどいいと思うんだけど、そうはいかないらしい。9月決算の出版社で新刊が遅れてたりすると、この「30日は10月分」は悔しいかもしれない。

うちはあまり問題ないので、10月1日付の伝票で30日に納品に行った。

その足で日販に行くと、やっぱり棚卸しをしたみたいで、普段は本であふれている2階(注文納品する階)はガラガラだった。日販はうんともすんとも言ってこなかったが、やっぱり10月1日付にしろということだった。

本は種類(つまり1冊1冊違うから)が多いから大変なんて聞くが、電球だろうと化粧品だろうとお菓子だろうと同じだと思う。

それはいいとして、うちの場合、日販からは注文短冊を送ってもらっている。送って「もらう」と言っても、住所を書いて切手を貼った封筒をこちらから日販に届けてる。で、残り少なくなると、100万回くらいコピーをとったような「封筒送れ」通達が、短冊と一緒に送られてくる。

以前は通達のところに大きな封筒で送っていたんだが、少しでもコストを減らすために今は納品のついでに持って行く。細かいと言われそうだが、定価の安い本という商品で、かつ数もあまり出ないとなると、こういうコストは侮れないと思う。

で、ネット用の納品をするところから入って、階段で3階まで上り、レジ打ちみたいな人たちの間を抜けて奥に行く。社員食堂とか他のセクションを抜けて、受品センターというところまで行く。

受品センターというからには「受品」してるのかというと、よくわからない。おばさんが5人くらいいて、「封筒を持ってきました」と言うと受け取ってくれる。奥のほうにはもっと人がいるけど、何をしてるのかはわからない。

ちなみにレジ打ちみたいな人も含めて、日販は本当に人が多いという印象を受ける。

トーハンは、見本納品の本社の6階だったか5階だったか(あまり行かないのですぐ忘れる)を別にすると、受品口のイケてるお兄さんですべて用が足りる。だからいろんなところに行く必要もない。もしかすると、奥のほうで大勢の人が働いてるのかもしれないが、全然会わないので、どうも日販の人の多さが目立つ。

同じ注文納品の受品口といっても、トーハンと日販で結構違う。

トーハンは、書店の番線に合わせて箱の場所が決まっていて、本を入れやすい。日販はそのときによって箱の場所が微妙に違うので、毎回「Aはどこだ?Dはどこだ?」と確認しなきゃならない。めんどくさい。

日販では、そのAとかDの箱のすぐ横で、いつもトラックから本を降ろしてる人たちがいる。10人くらいでバケツリレーみたいにして降ろしている。最初は何してるんだかわからなかったが、注文納品の分をとりに来てもらえる出版社の分だとわかった。ルートが決まってて、毎日寄ってくれるらしい。

もちろんトーハンにもそういう「優遇された出版社」がいるんだろうけど、そういうトラックは別のところに着くのか、あまり目にしない。もしかすると、「全取引出版社に対する、取次が回収してくれる出版社」の割合は、日販のほうが多いのかもしれない。

とにかくよくわかんないけど、トーハンのほうが納品しやすいし時間もかからない。毎回そうだから、無意識のうちに「トーハンのほうが要領がいい」というイメージができてしまう。

私としては、「見本納品は日販、注文納品はトーハンのほうが頼りになりそう」という感覚がある。足して2で割ってくれるとちょうどいい。

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