出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

出版社になるのは大変?

2005年02月16日 | 出版取次口座の取得
出版社というのは、本を作って書店で売ってもらう商売だが、まず何と言っても、取次の話をしなければならない。

 取次というのは、出版社から本を受け取って、書店にばらまいてくれる、問屋さんみたいなもの。売上の代金回収もしてくれる。この取次業者に「あなたとお取り引きしますよ。ついてはあなたの会社番号は何番です」と言われて、ようやく出版社になれる。このありがたい一言が、「取次口座の開設」と呼ばれているものだ。

 しかし、「取り引きして下さい」と頼んでも、取次業者は簡単に「いいですよ」とは言わないらしい。出版社OBとかのHPによく「ただ本を出したいなら、自費出版すればいいでしょう。出版社にはなかなかなれませんよ」と書いてあるのは、このこと。

 言わないらしいというのは、私に対しては簡単に言ってくれたから、実感ないのだ。なぜ私だけに簡単にOKをくれたのか書きたいけど、取次からは「そんなことバラすなー!」と叱られるかも。

 とにかく、出版計画と呼ばれる大層な企画書を出しても、断られることが多いらしい。多いらしいというのは、当の取次さんから「よく断りますよ」と言われたので、きっと本当なんだろう。大層な企画書かどうかは知らないけど、一年間にこれだけ本を出しますよってなことを、前もって提出する。これは私も出した。はったりなんだけど、取次から「そんなことバラすなー!」と叱られるかも。

 とは言え、私のように何も知らずに始める人はいないだろうから、普通は業界を下調べしてるはずなのに、自分でイケるかどうかも分らないんだろうか? 意外とバカか、出版業界周辺の人?

 ところで大手取次ってのは、トーハンと日販の2社あって、実は私も、準大手からは断られた。普通は、この2社の口座を持ってたら(取引開始できたら)他は追従するらしい。けど、私は断られた。

 断られるのはいいんだが、その理由! 「うちは大手さんと違って、計算書(その月にいくら納品していくら返品されたかが、表になってる)送りませんよ。あなた、請求書つくれます?」

 請求書が作れなくて、どんな商売ができると言うんだ。てめえが計算書つくるコンピュータシステム組めないだけだろ。意外とバカか、取次業界の人?・・・と、そのときは思った。請求書の苦労については、後日。

 まあ、そういうわけで、やりたいと思うだけでは、出版社はできないらしい。今までいろんな商売を始めたりやめちゃったりした私だが、出版だけは続けようと思うのも、このためだ。

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