1冊目の本は、取引申込と同様、勢いで…というか作業って感じで、スムーズにできあがった。DTPを友人に外注したことも大きい。DTP&印刷込みで頼んだから、印刷屋との折衝も彼がやる。
私は書くのは苦しんだけど、出版という点ではあまり苦労せず、OLのお姉ちゃんがアスクルにOA用紙を注文するのとほとんど同レベルの、ただの作業であった。
ポスターなどの印刷物は、色校が終わったら後は納品だが、本は最初に10冊程度の見本が上がってくる。知人の事務所に行って「へえ、いいじゃない」と軽口を叩いて10冊もらってきた。
トーハンから「本ができたら、持ってきてください」と言われていたので、さっそく持って行く。ちなみに、午前中に行くことと5冊持っていくことは前もって聞いてある。
実はこれは見本納品といって、すごく大事なステップだった。その本をどのくらい売りたいか、どうやって売ってくか、取次に版元としての決意の程を示す場だったのだ。
どのくらい売りたいかというのは、もちろんたくさん売れるに越したことはないのだが、やはり計画というものはある。自分の他の商売なら当たり前のことなのに、出版となると「へへっ、ベストセラーになったらいいなあ」とか思ってしまった。
どうやって売ってくかというのは、読者や書店向けにどんな宣伝を打つか(打ったか)というようなことで、まだ1冊目の私は、当然そんなビジョンはなかった(トホホ)
例の取引申込で世話になった「仕入部」の、今度はテーブルじゃなくてカウンターに行く。午前中は午後とはぜんぜん違って、忙しい&真剣な雰囲気だ。
担当者の番号札を取って、カウンターから少し離れた椅子に座って、順番を待つ。キョロキョロ見渡すと、文庫は別のカウンターらしい。
私の番が来て、5冊出す。5冊のうちの1冊は国会図書館への納品分で、うちの場合、トーハンと日販に交互に持っていけとのこと。つまりもう一方は4冊でよくて、その次の本は逆にする。
とはいっても、最近はどっちに何冊持っていこうが国会図書館から「納品のお願い」が来るので、無視して両方4冊でも構わないものだという気もする。
仕入部の人は、表紙→目次→後付と見た後、中もパラパラとめくって見ている。「この資格、人気あるんですか?」と聞かれる。例の知人にいわれて作っただけなので、知るかそんなもんと思ったが、毎年受験生が増えていると適当なことを言ってごまかす。
ごまかすとその場はごまかせるが、売れなくて困るのは結局私のほうだと肝に銘じるのは、もっと後のことだ。
それでも、取引申込のときの大風呂敷が記憶にあるのか、結構な数の納品数を提示された。次の日の午前中に同じく仕入部に電話して、数の確認をしろと言われた。
その足で日販に向かい、同じ要領で見本納品を終える。やり慣れないことをしたのでドッと疲れが出て、その日の午後はだらだら過ごしてしまった。
私は書くのは苦しんだけど、出版という点ではあまり苦労せず、OLのお姉ちゃんがアスクルにOA用紙を注文するのとほとんど同レベルの、ただの作業であった。
ポスターなどの印刷物は、色校が終わったら後は納品だが、本は最初に10冊程度の見本が上がってくる。知人の事務所に行って「へえ、いいじゃない」と軽口を叩いて10冊もらってきた。
トーハンから「本ができたら、持ってきてください」と言われていたので、さっそく持って行く。ちなみに、午前中に行くことと5冊持っていくことは前もって聞いてある。
実はこれは見本納品といって、すごく大事なステップだった。その本をどのくらい売りたいか、どうやって売ってくか、取次に版元としての決意の程を示す場だったのだ。
どのくらい売りたいかというのは、もちろんたくさん売れるに越したことはないのだが、やはり計画というものはある。自分の他の商売なら当たり前のことなのに、出版となると「へへっ、ベストセラーになったらいいなあ」とか思ってしまった。
どうやって売ってくかというのは、読者や書店向けにどんな宣伝を打つか(打ったか)というようなことで、まだ1冊目の私は、当然そんなビジョンはなかった(トホホ)
例の取引申込で世話になった「仕入部」の、今度はテーブルじゃなくてカウンターに行く。午前中は午後とはぜんぜん違って、忙しい&真剣な雰囲気だ。
担当者の番号札を取って、カウンターから少し離れた椅子に座って、順番を待つ。キョロキョロ見渡すと、文庫は別のカウンターらしい。
私の番が来て、5冊出す。5冊のうちの1冊は国会図書館への納品分で、うちの場合、トーハンと日販に交互に持っていけとのこと。つまりもう一方は4冊でよくて、その次の本は逆にする。
とはいっても、最近はどっちに何冊持っていこうが国会図書館から「納品のお願い」が来るので、無視して両方4冊でも構わないものだという気もする。
仕入部の人は、表紙→目次→後付と見た後、中もパラパラとめくって見ている。「この資格、人気あるんですか?」と聞かれる。例の知人にいわれて作っただけなので、知るかそんなもんと思ったが、毎年受験生が増えていると適当なことを言ってごまかす。
ごまかすとその場はごまかせるが、売れなくて困るのは結局私のほうだと肝に銘じるのは、もっと後のことだ。
それでも、取引申込のときの大風呂敷が記憶にあるのか、結構な数の納品数を提示された。次の日の午前中に同じく仕入部に電話して、数の確認をしろと言われた。
その足で日販に向かい、同じ要領で見本納品を終える。やり慣れないことをしたのでドッと疲れが出て、その日の午後はだらだら過ごしてしまった。