モウはユウタが吹き始めたメロディーを聴いて、「後は7番のアッコル(調和させて)で・・・」とみんなに言いました。
♪〜〜ピーピィ〜〜ルルルル〜〜♪〜〜ピリリリ〜〜ピルルルウ〜〜♪〜〜
ユウタは目を閉じて〜(青空にポッカリと浮かんだ白い雲)〜を思い浮かべ、早く元の白い雲に還れるよう願いながら吹いていました。
ユウタの吹くメロディーと、楽隊の演奏するメロディーは違っているのですが、不思議とうまくシンクロし合いお互いの気持ちをどんどん乗せていきました。
「ユウタのメロディー・・・、いいね」
ハイドがドドンと大太鼓をリズム良く敲きながら、隣のモウに話かけました。
「そうだな・・・」モウは頷き、どんどん明るくなっていく空を見つめ何か考え込んでいました。
(こんなに荒れてしまったのに・・・、いやに雲たちが素直だ)
灰色の雲の中から、一本の光の筋が伸びると、その周りからいくつもの光の筋が地上に射し込んできました。
「ユウタ、空を見てみろ」
一心不乱に吹き続けるユウタにモウが声をかけました。ユウタは目をギュッと閉じていたので、目を開けると明るい日差しがまぶしくてしかたありません。
「・・・還っていく」
目が慣れてくると、クラゲの雲が次々と白いうす雲の中に溶け込んでいくのが見え、ユウタは胸が熱くなりました。
「仕上げだぞ。ユウタの旋律を穏やかにゆっくりと、繰り返し吹き続けるんだ」
モウがユウタに言うと、他のメンバーも演奏しながらユウタに「ヨクヤッタ」と目で合図をしました。
しばらくすると、黒いちぎれ雲やくらげ雲もすっかり消えてなくなりました。ユウタの願った、白い積雲の浮かぶ穏やかな空に戻ったのです。
モウが閉めの小太鼓を、タタタンと鳴らし「演奏終了!」と告げました。
「いい演奏だった」シュウがユウタの肩をたたきました。ベンとハイドはユウタとの相性は最高だったと、小突き合いながら喜んでいました。そのなかで、モウは何故か浮かない顔をしています。
空から大きな雪のような氷の結晶が風に乗り、ユウタたちの前に落ちました。
「氷花だ!雲たち俺たちにありがとうって、言ってるぜ」ベンがひとつ拾い上げ、「たまに雲たちがお礼の印にくれるんだよ」と、ユウタの手に乗せました。
氷花はユウタの手の中で見る見る溶けてしまい、黄色の模様のついた青い小さな石が残りました。
モウはその石を見ると、ユウタの手から取り投げ捨ててしまいました。
「すまないユウタ。何だが、・・・うまく出来すぎている・・・」
モウは氷花の降ってきた空をしばらく見つめていました。
「モウは邪魔ね。でも、あの子すてきじゃない、何とか欲しいわね・・・マーレ」
モウの見つめる空の先では、雲使いのトゥーランが、モウの投げ捨てたのと同じ石を手にして楽隊を見つめていました。
トゥーランの隣で、マーレはフルートを抱いて白く微笑み、トゥーランとは違う空を見つめていました。
つづく
音楽用語で、「調和させて」というのはアコルデとかアコルダン(ともに仏語)と言います。今回のお話で、アッコル(調和させて)と先の用語をもじって使いました。調べるといろんな用語があって驚きました。本格的に音楽を勉強している方はすごいですね〜。
よろしくです
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ユウタは目を閉じて〜(青空にポッカリと浮かんだ白い雲)〜を思い浮かべ、早く元の白い雲に還れるよう願いながら吹いていました。
ユウタの吹くメロディーと、楽隊の演奏するメロディーは違っているのですが、不思議とうまくシンクロし合いお互いの気持ちをどんどん乗せていきました。
「ユウタのメロディー・・・、いいね」
ハイドがドドンと大太鼓をリズム良く敲きながら、隣のモウに話かけました。
「そうだな・・・」モウは頷き、どんどん明るくなっていく空を見つめ何か考え込んでいました。
(こんなに荒れてしまったのに・・・、いやに雲たちが素直だ)
灰色の雲の中から、一本の光の筋が伸びると、その周りからいくつもの光の筋が地上に射し込んできました。
「ユウタ、空を見てみろ」
一心不乱に吹き続けるユウタにモウが声をかけました。ユウタは目をギュッと閉じていたので、目を開けると明るい日差しがまぶしくてしかたありません。
「・・・還っていく」
目が慣れてくると、クラゲの雲が次々と白いうす雲の中に溶け込んでいくのが見え、ユウタは胸が熱くなりました。
「仕上げだぞ。ユウタの旋律を穏やかにゆっくりと、繰り返し吹き続けるんだ」
モウがユウタに言うと、他のメンバーも演奏しながらユウタに「ヨクヤッタ」と目で合図をしました。
しばらくすると、黒いちぎれ雲やくらげ雲もすっかり消えてなくなりました。ユウタの願った、白い積雲の浮かぶ穏やかな空に戻ったのです。
モウが閉めの小太鼓を、タタタンと鳴らし「演奏終了!」と告げました。
「いい演奏だった」シュウがユウタの肩をたたきました。ベンとハイドはユウタとの相性は最高だったと、小突き合いながら喜んでいました。そのなかで、モウは何故か浮かない顔をしています。
空から大きな雪のような氷の結晶が風に乗り、ユウタたちの前に落ちました。
「氷花だ!雲たち俺たちにありがとうって、言ってるぜ」ベンがひとつ拾い上げ、「たまに雲たちがお礼の印にくれるんだよ」と、ユウタの手に乗せました。
氷花はユウタの手の中で見る見る溶けてしまい、黄色の模様のついた青い小さな石が残りました。
モウはその石を見ると、ユウタの手から取り投げ捨ててしまいました。
「すまないユウタ。何だが、・・・うまく出来すぎている・・・」
モウは氷花の降ってきた空をしばらく見つめていました。
「モウは邪魔ね。でも、あの子すてきじゃない、何とか欲しいわね・・・マーレ」
モウの見つめる空の先では、雲使いのトゥーランが、モウの投げ捨てたのと同じ石を手にして楽隊を見つめていました。
トゥーランの隣で、マーレはフルートを抱いて白く微笑み、トゥーランとは違う空を見つめていました。
つづく
音楽用語で、「調和させて」というのはアコルデとかアコルダン(ともに仏語)と言います。今回のお話で、アッコル(調和させて)と先の用語をもじって使いました。調べるといろんな用語があって驚きました。本格的に音楽を勉強している方はすごいですね〜。
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