私は自由気ままに生きている。

―東京暮らし・子無し中年主婦の気ままな日常―

ナルシスト

2017-06-11 21:52:13 | 読書、音楽、映画
映画「アメリカン・サイコ」日本版劇場予告



アメリカン・サイコ(2000)
誰もが羨むリッチなエリートが殺人鬼の顔を持っているという話。
ハーバード大卒、投資会社副社長、イケメン、27歳。
日々筋トレ、美肌、健康づくりに励んでいる。
都心の一等地の高層階に住み、ブランドのスーツに身を包む。
婚約者とは別に、最高のルックスの愛人がいる。
仕事の後は、同僚たちと高級レストランで食事する毎日。
名刺バトル、うわべだけのどうでもいい会話。
人の名前を間違えたり間違われたり、お互い無関心。
ベイトマンもいつもごもっともなつまらない意見ばかりしている。


ベイトマンは社会に適合するため無理をしているのだ。
それに加え、潔癖、完璧主義。
自分よりイケてる男、ポール・アレンを自宅に招き、斧で殺害するシーンがある。
このときも床に新聞紙を敷きつめていたり、家具にカバーをかけていたり。
自分は透明のレインコートを装着して準備万端。
酔っているせいか、笑えることに
ポール・アレンはこのシチュエーションを怪しんでいないのだ。


この後もベイトマンは次々と人を殺していく。
だけど、たぶんベイトマンはサイコパスではない。
しいて言えばソシオパスというやつか。
彼には罪の意識がある。誰かに止めてほしいと願っている。
その証拠に、最後は弁護士に罪を告白して救いを求める。
だが悲しいことに、まともに取り合ってもらえない。
死体を隠していたポール・アレンのアパートを訪れたときも、
何事もなかったかのように片づけられていて驚く。
しまいには、管理人らしき女性から二度と来るなと言われる。
つまり、弁護士も管理人も面倒なこと、都合の悪いことに蓋をしているのだ。
これによってベイトマンは罪に問われることはなくなったのだった。


この映画、けっこう好きで繰り返し見ている。
クリスチャン・ベール演じるベイトマンのナルシストっぷりとか面白い。
そういえば、私も若い頃はナルシストの気があったのだ。
今ではシミそばかすだらけのおばちゃんだが、
かつては色白でサラサラヘアー、天使のようだと言われていたのだ。
そうやってちやほやされていたから、自分で自分を特別な人間だと思っていた。
暇さえあれば鏡を眺めていたし、髪のブラッシングもまめだった。
本気で、自分より可愛い子などいないと思っていた。
あの頃の自分を引きずったまま生きていたら危ない人間になっていただろう。
まぁ今でも十分危ないかもしれないが。


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