タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味。実は多産を象徴し、蜜は甘い。聖書には約束の地カナンは、蜜とヤギの乳の流れる地とある。

不育症のおさらい

2017-06-19 21:19:01 | 不妊症


上の写真は、篠山市住吉台の金時(きんとき)くん、5月6日生まれ。
「金太郎のように、強く優しく皆から愛される子になってください。
皆で一緒にお産をした感じ。一体感が有りました。
ずっと入院しておきたいくらいリラックスできました。」

毎年、4月には、日本産婦人科学会というものが有って、
日本全国の多くの産婦人科の研究者が集まるのですよ。
私も大学に居る頃は毎年、参加していたのですが、開業すると、トンと行けなくなりました。
それでこの4月の学会での特集が、「不育症」の話題だったので、かいつまんでみましょう。
というのも、最近も外来で不育症の患者さんを診察したところだからです。

まず不育症の定義は、流産や死産を2回以上、繰り返した場合です。
3回以上なら習慣性流産と言います。
妊娠反応だけが陽性に出て、胎児の袋までは見えないうちに月経になってしまうと、
生化学的妊娠と呼びますが、これは回数に含めません。

1回だけの流産なら、非常によく有ることなのですよ。
妊娠全体の15%と言われます。
ただし高齢での妊娠が増えていますから、これからさらに増えていきそうですよ。
40歳で妊娠すれば、半分近くは流産してしまいますからね。
35〜39歳では25%が流産します。

それでも1回だけの流産の場合は、何も心配せずにすぐに次の妊娠をすれば良いのです。
ところが、流産が2回連続するとなると、少し不安になりますよね。
2回続く確率は4.2%だからです。
3回続くと、これは0.9%ですから、検査や治療が必要になってきます。

それでは流産する原因は何でしょう?
それは「偶然」なのです。
胎児には偶然に染色体の異常が起こるので、流産してしまうのだけなのです。
ですから2回続けて流産したとしても、そのうち36〜64%は偶然なのです。
3回流産した女性が、4回目も流産する確率は約40%ですから、
次は何もしなくても、60%はちゃんと産めるのです。

では胎児の偶然の異常でなかったとしたら、
そして自分が高齢でないとしたら、
次に他に原因が無いか調べないといけませんね。

子宮の形の異常です。子宮筋腫や子宮が2つに別れていたりといった原因が有ります。
甲状腺の異常は、よく有る原因の1つですよ。
糖尿病もはずせませんね。
女性では膠原病も有ります。
他には母と父になる人の染色体に構造異常が無いかも調べておきます。
高価な検査ですが、保険が利きますからね。

他に特異的な異常としては、抗リン脂質抗体症候群というのも有ります。
あるいは血液を固める要素の1つの、12番目の凝固因子が少ないという病気も有ります。
このあたりまでが保険の範疇ですよ。
他に特殊なものとしては、プロテインCやプロテインSの欠乏症のどは、まだ確定されたものでは有りません。
結局のところ、現在でもまだ半分以上は原因不明なのですよ。

それでもとりあえずこれらの検査をして、それに合った治療をしていくことで、
次も流産になる確率は、ずっと下がるのですよ。
ただし繰り返しますが、年齢の問題は解決策は有りません。
何度でもチャレンジしていくしかないのです。
原因不明も多いし、原因として引っかかったとしても、必ずしもそれが原因とも限らないので、
治療せずに次も何もしないで妊娠にチャレンジしてみるというもの、ありなのですね。

自己抗体が陽性の女性には、よく朝夕の2回、自分にヘパリンの注射を自分でする、という治療が、
最近では保険でできるようになりましたから、
ほとんどが保険でカバーできるのですね。
以前は検査も治療も高額だったのですけれどね。
これも少子化対策の1つなのでしょうね。





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