タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

体外受精は30代のうちが理想です

2017-10-23 20:45:22 | 不妊症
篠山市矢代新の律(りつ)くん、9月20日生まれ。
「規律正しい、優しく、たくましい子になってください。
お産は思っていたより痛くなく、赤ちゃんが頑張ってくれたなと思います。
みなさん優しくて、良い人ばかりでした。」

初めてのお産でしたが、余裕が有りそうですね。
それでも入院中は、オッパイに苦労されましたか。

昨夜は台風で、ひどい風でしたね。
タマル産では、大きな木がたくさん倒れてしまいました。
明日は、庭師に変身しているかもしれません。
それでも、先ほど赤ちゃんが生まれたことろですよ。

さて今日は、不妊症の話題です。
先月のニュースですが、体外受精の話が載っていました。
体外受精って、昔から有る技術のように思われるでしょうが、
私が京大病院で研修を受けていたわずか30年ほど前に、
初めて日本でも成功例が出たところだったのです。

タマル産でも開業当初の、18年ほど前に、
体外受精での成功例をたくさん出したのですよ。
ですから日本でもかなり開拓期に実施していたのですね。
その頃は、赤ちゃんの40人に1人くらいが体外受精で生まれだしたのです。
でも、まだ人には言えずに、恥ずかしいことだと思われていた時代でしたよ。

それが先日のニュースでは、生まれてくる赤ちゃんの、
20人に1人が体外受精での妊娠だと発表されたのです。
わずかこの30年間の成果というわけですね。
2015年に生まれた赤ちゃんのうちの、5万人ちょっとです。

では実際に、体外受精での成功率って、どれくらいだと思われますか?
体外受精を受ければ、全員妊娠すると思っている方も居られれば、
効果が有るかどうかも分からない治療に、大金をかけられない、と思う女性も居られます。

1回の治療で、出産までいくケースは、30歳では21.5%、
35歳では18.4%、
40歳では9.1%、
42歳では4.5%です。これくらいの年齢が限界ですね。
意外と少ないと思われるでしょうか。
やはり3回くらいの治療は、覚悟しておいた方が良いでしょうね。
もう1つはできれば遅くとも、30代では開始したいですね。
というのも、受ける女性の40%が、40代で受けられているからです。
もっと早く決断しておけば良かったですね。

ちなみに上記は流産をせずに分娩まで至った確率ですが、
うまく妊娠しても流産になってしまうことも多いのです。
30歳では流産率は16.5%、
35歳で20.1%、
40歳で34.6%、
42歳で45.6%です。40歳を過ぎると、半分近くは流産されているのですね。

ここまでが最近のニュースでの話題です。
ですがもっと本質的な話をしておけば、
タマル産の不妊外来に来られるカップルの多くは、
体外受精ではなく、一般不妊治療でこそ妊娠されています。
そして一通り治療しても妊娠しない場合、長くても1年までしか治療はしないのですが、
一部のカップルにだけ、体外受精を勧めているのです。
ちゃんと症例を選ぶのが重要なのですよ。

こうしてタマル産の不妊外来に来られる方は、ほとんどの方が妊娠されています。
これは誇張でも何でもありませんからね。
http://www.tamar.jp/infertility
もっと簡単に言えば、20人のお母さんのうち、
14人は何も治療しないで赤ちゃんができたお母さん、
5人は一般不妊治療で妊娠されたお母さん、
そして20人のうちの1人だけが体外受精で妊娠されたお母さん、というイメージになるでしょう。
ただし将来的には、ますます割合が変わっていきそうですけれどね。

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