タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味。実は多産を象徴し、蜜は甘い。聖書には約束の地カナンは、蜜とヤギの乳の流れる地とある。

病診連携は普段からのお付き合いで

2017-04-21 20:42:03 | 産科
夜中に生まれた赤ちゃんとお兄ちゃん、お父さん。
妹が元気に生まれて良かったね。

その後続々と、今日はもうすぐ4人目が生まれます。
ただし1人は、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)という病気で、
救急車で早朝の外来が始まる前に母体搬送しました。

常位胎盤早期剥離という病気の時でも、超緊急の時はタマル産でも緊急で帝王切開するのですよ。
以前、近くの初めてのお母さんで、来院時に膣から出血が有り、
剥がれていた部分も大きかったので、搬送している暇は無く、
大至急で帝王切開をして赤ちゃんを助けたことも有ります。

ですが、この病気の場合は、できれば人手の有る病院で産んだ方が良いのです。
というのも、胎盤が3分の1以上剥がれると、子宮の中で胎児が亡くなってしまいます。
少しだと胎児は助かるのですが、生まれた時に蘇生が必要なことも有ります。
ですから小児科の先生が居られた方がより良いのです。

胎盤が剥がれた部位は、子宮の壁が浸潤と言って、変色して柔らかくなっています。
それで子宮の収縮が悪くなってしまって、出血が増えることが有るのです。
ひどくなると、全身の病気に移行して、血液が固まらないDICという病気になることも有ります。
その場合は、出血した分だけでなく、大量の新鮮な血液が必要になるのですよ。

天理に居た時に、奈良県立医大に搬送したことが一度だけ有るのですが、
この時は、生血(なまけつ)と言って、その場で医学生たちが献血してくれ、
生命を取り留めたことも有ります。
今ではそんなことはしないのですよ。
生血は、GVHDという副作用が出ることが有るので、
血液にはクロスマッチをしてから、さらに放射線を照射してから使いますからね。
ですがこの時ばかりは、奈良県立医大の非常時の対応はすごいな、と思った次第です。

他にも搬送した理由が有って、通常の脊髄麻酔で帝王切開をすると、
子宮の中で出血している時は、血圧がドンと下がることが有ります。
だからできれば硬膜外麻酔でする方が、こういう時は安全です。
できれば麻酔科の先生も呼んだ方が良いのです。

症状がよく似た病気で、前置胎盤や、前置血管といった病気も有るのですが、
現実には区別しにくいことも多いのですよ。

ということで今日は済生会兵庫県病院のサユタ先生に助けていただきました。
最近では、産婦人科に関しても地域医療連携が進んできており、
定期的に勉強会が開催されています。
来月も済生会病院での勉強会に呼ばれているのですが、
普段から意思疎通をしておくことで、いざという時にお世話になれるのですね。

もちろん、こんな非常自体は、そうそう有るものではないので、
あまりお産を恐れ過ぎるのもよくないのですよ。
むしろ、お産なんてどうにでもなる、と思っているお母さんの方が安産できますからね。
さあ、次のお産の準備をしてくることといたしましょう。
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