タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

流産後の次回妊娠は何ヶ月開ける必要が有るか?

2016-10-07 21:06:02 | 産科

上の写真は、篠山市本明谷の優華(ゆうか)ちゃん、8月31日生まれ。
「優しく華のある女性になってください。
職員の方々はとても親切で、心強かったです。
栄養バランスがとても考えられていて、毎日食事が楽しみでした。」

嫌いなキュウリも食べられるようになったのだとか。
私はキュウリやトマトは大好物ですよ。
お母さんはいつもフェイスブックで、いいねを押してくださるのですよ。
やはり毎日更新しているので、励みになります。

このブログは、連日300人程度の方が訪問してくださるのですが、
昨日は500人以上で、過去最高でしたよ。
逆にきちんと調査しない適当なことは書けなくなってきますね。

昨日の夜から今朝にかけては、3人も続けて赤ちゃんが生まれましたものですから、
タマル産の一番長い日、と言えるかもしれません。
ちょっと乱筆を失礼します。

それで今日のお話は、流産後の次回妊娠は何ヶ月開ける必要が有るか?というものです。
というのも、近畿産科婦人科学会の会誌に、Q&Aが載っていたからです。
回答されているのは、大阪の藤田太輔先生です。
それに私見を交えてお話しましょう。

古い先生(失礼)はよく、流産したら半年開けなさいと言われることが有ります。
私はこれにはずっと疑問を抱いていたのです。
ですがそれには根拠が有って、2005年にWHO(世界保健機構)が統計を取って、
そのように指針を示していたからです。

ところがその後にもたくさん調査が有って、3ヶ月開ければ良いとか、
いいや次の月から妊娠しても構わないというものまで様々なのです。
調査項目は次の妊娠で早産したり、小さな赤ちゃんを産んだりしないか、などが多いようです。

ですが、どうもそれらの結果も、経験上納得がいきません。
だいたい毎月、月経が有るのに妊娠してはいけないなんて、おかしいではないですか。
以前、私も文献を調べたことが有ります。
流産した次の月は普段より妊娠率が高い、というものが有ったのですよ。
これこそが経験的に納得できるものでした。

妊娠するとホルモンの分泌が良くなりますし、
子宮内膜もいったん分厚くなりますから、
次の月も妊娠しやすい身体になるのですよ。
不妊治療でも基礎体温を付ければ、そんな時はきれいな2相性になるのが分かりますよ。

しかも最近は高齢で妊娠される女性が多いですから、わずか1ヶ月でももったいないですからね。
それで、タマル産では以前から、流産後、1回月経を見れば妊娠してもよいと指導しています。
それはさすがに流産後、月経が無いまま妊娠すると週数も分かりにくいし、
出血が続いていることも有るからです。
普通にお産した後でも、できれば月経が有ってから妊娠した方が納得いくでしょう?
それでも月経が無いまま妊娠される方も時々居られますが、
まあそれはそれでいいのではないですか。

1つだけ注意するとするなら、
流産の原因の多くは、高齢での妊娠です。
高齢でない若い女性で流産される方の多くは、本人かご主人がタバコを吸っていることが多いです。
だから禁煙しないと、また繰り返してしまいますよ。

あと知っておいて欲しいのは、流産の後の妊娠では、癒着胎盤になる確率が上がりますよ。
もっとも癒着胎盤の原因で一番多いのは性感染症ですけれどね。

ちなみに話しは変わりますが、帝王切開後、次回妊娠はいつしたらいいかご存知ですか?
1年開けた方が子宮が破裂する危険が少ないとされます。
だから帝王切開後でも1年以上なら、経膣分娩にトライしても良いことになっています。
もし帝王切開後1年以内に妊娠した場合は、経膣分娩は危険だということになっていますよ。
これも以前、私が調べたものです。

ですがこれについても、1年以上開けていようが、
最近ではどこの施設も再度帝王切開をするでしょうね。
あ、タマル産では今月は、既往帝切後経膣分娩を希望されておられる妊婦さんが居られるのでした。
漢字ばかりで日本語らしくないですね?


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