たまおの星便り-32cmドブソニアン「さんだゆう」の航海日誌 N O W !!  

口径32cmの自作反射望遠鏡「さんだゆう」で房総九十九里から日毎夜毎、星海原に繰り出し、夜空を駆け巡る観測日誌。

・2017/3/28(火) 口惜しい早春の新月期。

2017-03-31 | たまおの星便り

 桜の開花宣言前後から花曇りと晴天が交互にやってくるようになった。彼岸も過ぎて明け方の天文薄明が4時過ぎとぐんぐんと早くなる。これからは当分は平日早朝の帰還でも出勤大渋滞に悩まされることはない。
 新月の28日、昼間はずっと冷たい雨が降り続き、夕方になってようやく止んだ。光害がひどい船橋の自宅でも北極星がすぐにわかるくらい空気も澄んで、気温が急激に下がり始めた。23時過ぎには夜露に濡れた駐車場の車のフロントガラスには既にうすく氷が張っている。このまま朝まで雲が来ないのか判断に迷った。というのも、いつもはほとんどあてにならない気象庁の夜間の予報が朝まで曇だった。高層大気の現状がわかる2.5分ごとの衛星画像では23時40分時点で観測地には雲がないが西から急速に雲塊が西進している(上左)。夜であれ昼であれ一番信頼性の高いGPV気象予報では明け方4時は関東地方から九十九里にも雲がかかる見込みを出していた(上中)。海岸まで70キロ、1時間半の道のりがあり、観測時間を考えると遅くとも深夜0時には出発か否かを決めなければいけない。ぎりぎりまで待ったあげく、関東西部の雲が徐々に張り出しこれからまた雲に覆われるだろうと踏んで出発を断念した。
 結果的にはこの判断は誤りだった。予報と予想に反し雲塊は観測開始時刻には房総の手前で消え留まり、結局、薄明時まで観測地に雲が届くことはなかった(上右)。未明に自宅で眺めるPC画面の衛星画像がうらめしくもあったが、例年どおりこれからの季節、雲の隙間を狙って右往左往することも多々あるだろうと観念した。 

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・2017/2/26(日)、3/5(日)冬の終わり、夏の星座と星雲、彗星。

2017-03-11 | たまおの星便り

 今冬は九十九里で薄明を迎えた日だけを振り返れば、おおむね暖かかった。1月26日未明にマイナス5℃になったほかはいずれも0度前後だった。
 2月26日(日)も冬型快晴ながら+3度、厚着の観測衣装で機材を車から海岸砂地まで運び出すとうっすら汗をかく。撮影用の主砲を15センチ反射にしてから微振動のブレが画像に時々出るようになったこともあり、ビクセンSPDX赤道儀に標準装備されていた木製三脚を30年ぶりに物置から取り出し現役復帰させた。一脚の木の厚さが5センチ、幅が10センチもあり、長さが1メートル、それが三本となると結構重いしかさ張る。外見上も三脚だけがやたら大きくて赤道儀が貧相に見える。それもあってこれまで今流の軽量アルミ三脚に赤道儀を載せて撮影していたがそろそろ限界となった。
 未明の空はもう夏の星座が目立つ。西天しし座の45Pホンダ・ムルコス・パデュサコバ彗星、天頂ヘルクレス座のC/2015V2ジョンソン彗星から東天の天の川銀河に筒先を向ける。いて座の真っ青な惑星状星雲NGC6818、暗黒星雲と赤いガスが織りなすM20など、わずか25秒の露出でもたくさんの夏の見どころが映し出される(画像上)。
 3月5日(日)も弱い冬型となり気温は+1度。この季節は日曜が晴れると通勤渋滞を気にしないで薄明開始時刻までゆっくりと星空航海を楽しむことができる。風もほとんどないので月が沈む時間を見ながら海岸砂地に機材を運び込む。違法侵入の車が一台、波打ち際から海岸の駐車場にちょうど帰って来た。あとに続く侵入車両もなくその後は暗い海に戻った。まずクローズアップレンズを何種類か差し替えてテスト撮影を行った。コマ収差を除くフルサイズ用フラットナーと短焦点化レデューサの両方を求めると視野中央のピントが甘くなる。自分の用途にあった既製品が皆無であればベストでないにしてもベターなレンズの組み合わせは実写で詰めていくしかない。3時前からいくつかの彗星の測光画像を撮った(画像下)。

 その後、いつもの撮影メニューにしたがってわし座からいるか座、昇りたての秋の星座へと筒先を向ける。途中、いったん風が出てきたが30分くらいで止み、天の川が高く昇り切る頃には洋上の雲がうっすらと浮かび上がり薄明過ぎになったことを知る。あとで画像をチェックしてはじめてわかったが、テスト撮影してからEOS6Dを再びアダプターにさした時にわずかにリングが斜めにずれていたようで、ほとんどすべての画像が周辺でいつになく乱れていた。がっかりしたが闇夜の現場では注意しないと稀にこんな失敗も経験する。

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・2017/2/4(土)強風の太平洋上、未明の3彗星。

2017-02-13 | たまおの星便り

 低気圧が大雪とともに北国を過ぎるといつもの海岸は北西風が吹き荒れる。未明には少しは風がやわらぐだろうと踏んで海岸に機材を設置したこの判断が甘かった。例年の冬なみに透明度はいい一方、星は休むことなくしきりに瞬く。防寒具で着膨れた体を盾にして望遠鏡をかばうが風を除けきれない。おまけに細かい砂粒が足元を地吹雪のように滑り飛んでいく。大気がかく乱されているために2℃から下がらないが体感温度はもっと低く感じる。あとで画像をみると人工衛星の光跡が微妙に風に揺らいでいた。シンチレーションと鏡筒自体の微細な揺れがミックスされているようだ。

 
海岸砂丘の吹きさらしにあえて陣取ったのは、薄明開始時でほぼ真東の高度わずか8度という45Pホンダ・ムルコス・バデュサコバ彗星を洋上ぎりぎりに見たいためだった。11日に地球に約1300万キロまで近づき、明け方の空で6等級になると予想されている。薄明までの間、風の息継ぎを計りながら高度の高い順にC/2015V2ジョンソン彗星(上中)、C/2015ER61パンスターズ彗星(上右)、73Pシュワスマン・ワハマン3彗星を狙う。
 午前5時20分、東天低空はすでに白み始めて遥か沖合いの雲が黒く浮かび上がる。 さらに風が強まる中、高度11度になった45Pに筒先を向ける。双眼鏡では確認できなかったがデジカメの液晶画面には青く大きく広がった光芒が映し出されていた(上左)。釣り人たちの車が到着し、朝焼け色があたりを染める頃になってまもなく、冷たい風に震えながら撤収を始めた。

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・2017/1/3、1/7(土) 新年の太平洋上に浮かぶネオワイズ。

2017-01-15 | たまおの星便り

 年末年始は冬型が続き連日の星夜を期待していたが、例によって夜半から明け方にかけて伊豆半島沖から富士山に向かって反転北上する低層雲が関東南岸を覆うことがしばしばだった。こういう夜の天気は気象庁の発表をベースにした予報は官民ともほとんど当てにならないので衛星画像(高頻度)とGPV予報、ひまわり霧情報をこまめにチェックしながら自分で星見頃を計らなければいけない。
 三が日の3日はしぶんぎ座流星群の極大前触れを見たいといつもより早めに海岸に到着した。西北から冷たい風がたえず吹いていたこともあって砂浜ではなく駐車場の西端に車を風除けにして機材を設置した。時々、おおぐま座αと北極星を結ぶ正三角形の頂点付近にある放射点に目を向ける。ほぼ同じ方角にあるC/2015V2ジョンソン彗星やテスト用画像をこまごまと撮影をしていると3個くらい足の速いしぶんぎ座群の流星が空をよぎった。2時過ぎに車が一台海岸に入ろうとして砂にはまってスタックし、ヘッドライトを点けたまま10分ほどもがいていた。この間は作業を中断せざるを得なかったが海岸への侵入を諦めて車が退散したあとは波音だけが響くたった一人の星空に戻った。風のために気温も下がらず零度、すでに夏の星座の半分が東天に昇り始めている。ラジオから「おはようございます」の声が聞こえ、はるか沖合いの雲が薄明に浮かびあがる頃になって、へびつかい座で球状星団M14に接近しているC/2016U1ネオワイズ彗星の姿をとらえた(上左)。
 7日の土曜日は放射冷却のクリヤーな空となった。夜半過ぎに月が沈むのを見計らって海岸に到着する。微風が冷たく肌を刺す。駐車場から海岸寄りに30メートルほど入った砂浜まで機材を運び込み、すぐにうしかい座にあるC/2015V2ジョンソン彗星の撮影体制に入る。気温はマイナス2度、すでにさそり座の頭が洋上に昇りはじめている。15㎝反射とフルサイズ一眼の重みを移動式のSPDX赤道儀が足場のゆるい砂地で支えているとあっては、わずかな風でも画像がぶれてしまう。北西に置いた自分の体をずっと風除けにして撮影メニューをこなしていく。へびつかい座から天の川の主流付近を画像に収めた5時半過ぎに、ようやく高度7度になったC/2016U1ネオワイズ彗星に筒先を向けた。すでに空が白んでいて30秒露出2コマのみだったが、それでも近日点通過8日前に約0.5度のスマートな尾を引く青い光芒を最後の見納めとすることができた(上右)。

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・2016/12/10(土)薄明開始まで2時間、微風静穏の星日和。

2016-12-17 | たまおの星便り

 11月下旬からの新月期には冬型気圧配置の日が少しずつ多くなってきた。だが、沖合の海水温がまだ高いのか夜半過ぎになると房総南方沖から東京湾を回り込むように雲が湧き上がってくるのが気象衛星の高頻度画像からも見て取れ、なかなか全開の星空にはならなかった。
 10日土曜日は前日から晴れ間が続きようやく安定した星月夜となった。すでに満月4日前、月没の3時から薄明開始まで暗夜は2時間ちょっとしかないことを承知の上で、この新月期最後の航海に出帆した。
 風が弱いことと週末で密漁車が明け方近くに押し寄せてくるだろうと考えていつもの海岸砂地よりも西端に奥まった場所に機材を運び込んだ。透明度もよく遠く銚子の灯台や発電風車の灯かりが良く見える。月が沈むとすぐにテスト撮影から始め、予定したメニューにしたがって主におとめ座からてんびん座方向に15センチ鏡の筒先を向ける。この空域はわずか20数秒の露出でも14等クラスの微小銀河が頻繁に写野に入ってくる。いつもながら黄道光が背景を赤くカブラせるなか、来年明るくなると予想されているC/2015ER1パンスターズ彗星が14等で微かに写っていた(上右)。
 薄明近くなって北斗七星が北東天に高く昇ってきた。ひしゃくの取っ手の先η星のすぐ南にあるC/2015V2ジョンソン彗星を狙ったすぐ後に、うしかい座βの南を急速に東に移動しているC/2016U1ネオワイズ彗星に焦点を当てた。10日ほど前は極めて拡散して朧げだった光芒が10等級の青いコマに急成長していた(上左)。
 空に徐々に光が戻ってくるのにせかされながら、ふと、今日は海岸への侵入車両が一台もなかったことに気づいた。実は曇ってしまったが一週間前の土曜日に来た時には3時くらいから明け方まで5~6台の密漁車が海岸に出たり入ったりして全く落ち着かなかった。この数日の間に効果的な取締りでもあったのだろうか。ともかく波音だけが響くひさしぶりに静穏な星日和だった。

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・2016/11/6(日)天高く、妖しく赤い黄道光と密漁車。

2016-11-22 | たまおの星便り

 
 11月最初の日曜日になってようやく雲も風も月も通勤渋滞も気にしないで薄明まで星空航海ができる日がきた。まず、15センチ反射の光軸や撮影システムのチェックをするために、2時半過ぎに東南の空高いプロキオンに向け30秒くらい露出をした。するとEOS6Dのライブビューに写った画像がやけに赤い。気温は8度を切っていてデジカメの熱カブリの可能性は低い。100メートル離れた道路の陰には赤信号が点っているが光を散乱させるほどの濃い海霧もない。PM2.5混じりの黄砂が押し寄せる春先には赤カブリが激しくなるが今日は秋晴れの夜。何が原因だろうと周辺を撮影するとやはり視野が赤い。もしやと思って洋上の空に目を凝らすと、まだ低いしし座周辺から淡い光の巨大な帯が燃え立つように天空に伸びていた。さらに見ると、黄道光はかに座から南天高いふたご座あたりまで蔽っていて、プロキオンはまさにその渦中に輝いていた。何も妨げるもののない暗夜を期待していたが、透明度がまずまずの晩秋の明け方は、黄道光が伏兵となって東天のディープスカイに浮かぶ星雲、銀河、彗星などの微光天体をかく乱していた。

 4時前になってしし座の下半分が見えて来たのでM65,M66、NGC3728で作る「春の銀河ミニ三角」などの銀河に筒を向けた(写真上左)。薄明も近く忙しく操作をしていると、突然、煌々とライトを点けた白いトラックが駐車場に入ってきてそのまま海岸に一気に乗り上げて行った。しかもすぐ近くの浜辺をライトを上向きにしながら行ったり来たりして走り回っている。夏に大きな取り締まりがあったと見えて一時期少なかった海岸への乗り入れも、ほとぼりが冷めたとみたのか、また違法密漁車が横行するようになった。
 薄明が始まった頃、空に青みが戻って来る中、C/2015V2ジョンソン彗星と144P串田彗星の12等から13等の微かな光を捉えた(写真上中、右)。木星もすでに洋上に昇りまばゆく輝いていた。

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・2016/10/28 二か月ぶり、晴れのち曇りの九十九里。

2016-10-31 | たまおの星便り


9月の初めから2回の新月期にわたって悪天候が限りなく続いた。確かに秋雨前線が活発になる季節ではあるが、今年は台風の量産もあって秋口としてはここ十年で記憶にないくらい長い自宅待機となった。ようやく移動性の高気圧が列島を覆い始めた28日未明、気象衛星画像では雲の帯が東進していて一抹の不安はあったが、この時を逃すといつ晴れるかわからないと九十九里に向かった。
 海岸ではすでに気温10度を下回っていた。平日なので交通渋滞を避けるために薄明を待たず帰路につかなければならない。あまり時間がないのに2か月ぶりとあって機材設置の細かい手順が何かとぎごちない。そうこうしているうちにはじめは北東にたなびいていたうすい雲も見えなくなっていた。
 2時前に準備完了、霞がかかったようなぼんやりした空だが、撮影スケジュールに添ってEOS6D+15センチ反射鏡を東天に向ける。弱い北西風に吹かれて車はすでに夜露にぬれている。時々、主鏡と斜鏡をチェックするが取り付けたヒーターの出番までには至らない。いつもは30秒程度の露出で15等級までは写るものの、なかなか16等級以下の微光星が写らないので、今回はISO感度を3200から6400まで上げてみた。だが今回の空の状態ではカブリだけが増えてしまい、さらなる深宇宙の姿がはっきりしたとは言いがたい。
 3時近くになって心配していたとおり西側から雲の帯が徐々に伸びて来た。急いで高度22度の北斗七星とりょうけん座の境界付近に筒先を向け、予定していたC/2015V2ジョンソン彗星の測光写真を撮った(画像上左)。空の西半球を蔽っていた雲がまもなく空全体に斑に広がってしまった。少しの晴れ間を期待して待っている間に新月4日前の細い月が水平線上の雲間から姿を現した(画像上右)。赤く妖しい地球照が再び雲に隠れるのを見てほどなく2ヶ月ぶりの星空航海を断念した。

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・2016/8/30~9/1 迷走台風一過、波しぶきを避けて。

2016-09-21 | たまおの星便り

 

 今夏は南洋で発生して特大サイズに成長した台風が次々と日本に襲いかかってくる。その中でも台風10号はほぼ半月も日本近海を南北にうろうろして関東を長く曇らせた。ようやく北に去り急速に晴れ間が広がったのはもう8月も終わりの新月期だった。
 8月31日は気温22度、9月1日は気温20度、この時期にしては涼しいが両日とも台風余波の強い南風が九十九里に吹き寄せ、海岸は激しい波に洗われていた。吹さらしの砂浜で潮風と波しぶきにさらされて撮影するのは到底無理と判断して海岸から離れたかなり陸地側の駐車場に車を風除けにして機材をセットする。いつもの砂浜と違って、木立に隠れてはいるがすぐ近くに街路灯と信号の灯りがあり、また深夜未明に立ち寄る車のライトや東側低くに連なる電柱電線も気になる。台風一過のおかげで透明度はいいが星の揺らぎが激しい。
 移動型赤道儀に載せた15センチ短焦点反射はとにかく風に弱い。車高が低い車の上を強風が絶えず吹きすぎる。こういう日は機材が揺れないように露出中ずっと体を風除けに使い、さらに防風用の傘をさして風上に立ったりするのでゆっくり星空を眺めるゆとりもない。ただ湿度は高くても風のおかげで前から悩まされている主鏡と斜鏡共倒れの結露の心配はまったくない。
 午前1時30分を過ぎた頃からふたご座方向の東天に撮影メニューに沿って鏡筒を向ける。冬の銀河の中とあって30秒露出でもびっしりと星が写し出される。31日の画像にはこじんまりと密集した散開星団NGC2420、コバルトブルーの小さな惑星状星雲NGC2392や明るい小惑星ベスタや14等の暗い小惑星ペネロープなども写っていた。9月1日はやや北天とさらに東天低空に向け、14.3等の小惑星サピエンティアはを捉えたが、いま回帰してかに座にいる144P串田彗星は15等以下なのか写っていなかった。
 薄明も始まった4時過ぎ、12等台の43Pヴォルフ・ハリントン彗星を両日とも同時刻で撮影した。ふたご座とかに座の境界を南東に一日約1°でひっそりと移動している(画像上)。
 この台風一過の快晴夜以降、九十九里は曇りと雨模様が続き、中秋の名月、満月となってしまった。星海原からオカにあがったのを機に15センチ反射の主鏡と斜鏡に結露防止のヒーターを取り付けた。ヒーターは以前にネットで購入し200㎜望遠レンズに付けていたものを流用している。主鏡は底面に直接ヒーターをとぐろを巻かせてゴムで止めただけだが、斜鏡への取付はなかなか難しい。接着剤で貼り付けられた斜鏡が取り外せないので、やむなくヒーター線を折り曲げて金属の底板にクネクネと這わせ余熱で間接的に斜鏡を温めるようにした(画像下)。さらに斜鏡金具から電源へのリード線の引き出しも回折像に影響がでないように極力細くしなければならない。実戦配備になるかどうかは次の新月期まで待つことになった。

 

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・2016/7/30 8/6 梅雨明け空にアンドロメダ銀河と微光彗星。

2016-08-16 | たまおの星便り

 7月も終わりになってようやく南国の高気圧に覆われ酷暑とともに星の輝きも勢いづいてきた。7/30は台風の余波もあって雲が心配だったが週末ということもあって夜半過ぎには海岸に到着。夏休みにお決まりの深夜の花火客を避けて海岸のはずれに機材を設置した。すでに天の川は西に流れ落ちて東京方面の光害に埋もれようとしており、かわりにエチオピア王家の星座が空高く昇っている。透明度もよく15センチF2.8鏡とEOD6Dのコンビで初めてM31アンドロメダ銀河を狙ってみた。雲があって30秒露出一枚画像しか撮れなかったが何枚かコンポジットできるチャンスがあれば微細な構造などももっと浮き出てくることだろう。

 次の土曜日8/6は文句のない夏の夜空が広がった。気温は夜半過ぎでも26度の熱帯夜。海からたえず吹き寄せる潮風と湿気を避けるために砂浜から離れた駐車場の一画に車を風除けにして機材を設置した。ここからでは東天超低空は海岸線に張り巡らされた電線電柱に視界を妨げられてしまうが、その代り機材も体も潮まみれにならずに南国の爽快な星空を楽しめる。
 未明まで熱帯夜は続いたものの花火客の喧騒や少しの雲や霧にも邪魔されることなく星空航海のメニューを順調にこなし3時過ぎに早い薄明を迎えた。空が白む中で15センチをふたご座の43Pヴォルフ・ハリントン彗星(下左、12.6等)とぎょしゃ座のC/2013US10カタリナ彗星(下右、14.5等)に向けた。どちらも淡く微かな光芒だが梅雨明け後の安定した空ならではの姿を捉えることができた。

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・2016/7/10 東天低空の微かな彗星と梅雨開けの下準備。

2016-07-17 | たまおの星便り

 カラ梅雨の水不足が騒がれながらも9日土曜は丸一日雨が降った後、夜から急に天気が回復してきた。濃い海霧が心配されて迷ったが結局、夜半過ぎにはいつもの海岸に到着、ほぼ雲のない空の下、梅雨のさなかに少し得をした気分で星海原へと繰り出した。気温は22度、蒸し暑いが、長そで、長ズボン、手袋に加えて防虫ネットを頭からかぶり、まとわりつく蚊を防ぐ。
 今回は夏空に向けての下準備としてSPDX赤道儀に手を加えた。まず赤緯軸シャフトにギヤを2個噛ませて角度目盛を付けた。これでギヤ一回転で5度、ほぼ写野の長辺分だけ動く(下右)。赤経軸のシャフトにはモータードライブが直付けされていて粗動のギヤを噛ますことができないので、赤経目盛環の部分にギヤプーリーを巻き、スーパーナビゲータのエンコーダに回転を伝達して角度表示ができるようにした(下左)。これで老眼の目には細かくて読み取りが厳しい目盛環に頼らずに暗い対象を写野に導入することができる。M45プレアデス星団の北2度、東14度に位置する14等のヴォルフ-ハリントン彗星 (43P)を、薄明過ぎの高度11度の低空、太平洋上に捉えることができた(写真上)。

 また、夏空の準備というより2年後の火星大接近を意識して、田阪一郎氏研磨No151の26㎝反射鏡を再メッキした。かなり以前に江戸川区小岩にあるM製作所という町工場で再メッキをしたがわずか2年ほどでメッキが剥がれ始め、やがてボロボロに剥げ落ちてしまった(下左)。やはり評価の高い工場にすべきだったと反省し、今回は3か所から見積もりを取り、実績と価格すべてに優れたジオマテック(旧、松崎真空)に依頼した。10日ほどで再メッキされて帰ってきた反射鏡は生まれ変わったかのようだった(下中)。しかもきちんと透過率測定表が載ったデータシートも付いていて丁寧な仕事ぶりがうかがえた(下右)。

 10日未明は結局、一片の雲すら見えない快晴夜のまま薄明を迎えた。明るい彗星こそ見えないわずか2時間半の星空航海をだったが、冬の星座が朝焼けに消えていくのを見ながら満足して海岸をあとにした。

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・2016/6/11 薄明開始一時間前の突然の晴れ間。

2016-06-19 | たまおの星便り

 6月の新月期とほぼ同時に房総は例年並みの梅雨入りとなった。ミニ寒波が北にあり、移動性の高気圧におおわれつつあった11日未明、太平洋沿岸を北東風に乗ってゆっくりと移動する気味の悪い低層雲を気にしながら、梅雨明けまで約2か月間の星見納めができればと九十九里に陣取った。
 上弦前の月はすでに沈み海岸は気温16度。案の定、北から黒い雲の端切れがゆっくりたなびいてくる。北極星が見えているうちに急いで極軸を合わせる。その間も気温が高いこともあって、大きなやぶ蚊や蛾虫がライトめがけて手や顔にまとわりついてくる。しばらくすると空全面がまだらに雲だらけになりかろうじて南天のみが雲がない。洋上に流れ落ちるような天の川に向けてテスト撮影のシャッターを切る(写真下/いて座の天の川中心部 EOS6D+15㎝F2.8反射 30s×2 左が北)。

 さらに雲の切れ間から、へびつかい座で急に暗くなった252Pリニア彗星や白鳥座のC/2015WZパンスターズ彗星を追っているうちにわずかな星を残して曇ってしまった。
 やむなく機材の調整などをして待機していると闇の中から突然二人の白人男性が現れて驚いた。手にビールを持ち、かなり酔っていて一人は流暢に日本語を話す。仲間数人と海岸に夜明かしで遊びに来たらしい。ラジオをかけながら星を見ているのに興味をもったようなので5年前の震災でこの海岸も津波に襲われ、それからはここで星を見る時は地震を早く察知するために必ずラジオを点けていると説明した。
 午前1時半を過ぎた頃から雲が次第に薄くなり、俄かに星の輝きに強さが戻ってきた。再度準備にかかるために急いで車に戻ると近くに見慣れたドブソニアンの姿があった。半年前の昨年末にお会いした我孫子のTさんのものだとすぐにわかった。挨拶をしてM13を見せてもらう。気流もよく星がほとんど中心付近まで見事に分解して圧巻の球状星団だった。薄明開始まであと一時間。お礼もそこそこに機材のある海岸まで小走りに戻る。時間に追われながら用意した撮影メニューをこなし、ようやく接近しつつあるC/2013X1パンスターズ彗星を白んだ南天に捉えてせわしい薄明を迎えた。

 

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・2016/5/5 九十九里海岸で見た彗星たち。

2016-05-22 | たまおの星便り

 船橋市プラネタリウム館のGW後半の特別投映「楽しい天体観測」を終えて家に帰るとほの暗い空には一片の雲もない。月明かりの心配はないものの薄明開始はついに午前3時を切る時季となって、いつもより早く海岸に向かった。
 夜半過ぎの現地は気温14度だが風もあり防寒具はまだ欠かせない。連休中の新月とあって先客が一組、すでに写真を撮っているようなので邪魔をしないように車を停める。波音が聞こえる標高0メートルの海岸はさすがに高原の空より湿っぽく夏の天の川も霞んで見える。
 まず北に低くなり始めたC/2014S2パンスタ、天頂付近の252Pリニアを狙う。時折西風が強く吹き付け体で覆うようにして15㎝反射のシャッターを切る。風対策を考えずに吹きさらしの砂浜に機材を設置してしまったことを後悔しながらも、薄明までさほど時間がないこともあってそのまま撮影を続けた。
 午前2時半を過ぎてみずがめ座η群とみられる明るい流星が南東低くから天頂に向けて流れた。秋の星座ペガスス座もようやく昇り切ったところでβ星の北にあるC/2015WZとα星のずっと南にあるC/2013X1のふたつのパンスターズ彗星を狙う。特に後者はこれまで東天に低くその姿を捉えたのは今回が初めてだった。キリッと集光した青いコマが印象的だ。4つの彗星を画像に収め終えた頃には北東彼方の水平線が既に白く浮かび上がっていた。

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2016/4/30~5/1 群馬県北軽井沢で見た彗星たち。

2016-05-20 | たまおの星便り

 GWの前半、船橋市プラネタリウム館の投映担当の合間をぬって茨城の実家に立寄り、半年ぶりに群馬県北軽井沢にある友人の別荘観測所まで足を伸ばした。その道すがら、前橋市児童文化センター内にあるプラネタリウムを訪問、その日の最終投映を観覧した。投映機「クロノス」の鎮座するドームは親子連れで満員御礼。星座の話から木星をテーマにしたオリジナル番組まで女性解説者が約50分、熱く語り続けていた。
 夕暮れの北軽井沢は雲が多く晴れ間が見える程度。月が昇る夜半前に32cmドブソニアン「さんだゆう」を組立て、敷地にある40cm自動導入ドブソニアンやドームに設置された35cmカセグレン反射EDGE、スライディングルーフ観測室にあるその他の機材とともに晴れ間が拡がるのを待った。

 21時過ぎに雲が少なくなり、久しぶりにスーパーナビゲーターを起動させたがエラーが出るばかり。やむなく手動で32cmを操作して、まず北斗七星βの南を移動するC/2014S2パンスターズ彗星を50倍の視野に導入した。わかりやすい位置にあったこともあり簡単に探すことができた。ここ数カ月デジカメでは追ってきたが眼視で見るのはこれが初めて。白いコマから淡く伸びる尾がわかる。次にへびつかい座αラス・アルハゲの南西に筒先を向けて252Pリニア彗星を探す。これも手動で導入したが広がった茫洋とした青いコマがすぐに見つかった。双眼鏡では何度もみていたが32㎝鏡では却ってコマが広がり過ぎて淡い印象を受けた。その後、雲が多くなり裏手の別荘棟に全員退散した。
 翌5/1もよく晴れていた。だが、列島はPM2.5を含む黄砂の大量爆撃にさらされ標高1000メートルを越える高原でも空は薄黄色く靄に濁っていた。夜になっても幕が張ったような空にかわりはなかったが天候だけはさらに安定していた。昨夜エラーで使えなかったスーパーナビゲーターの配線を修理し、順調にM51やM104などの春のメシエ銀河を32㎝鏡に導入して楽しんだ。その傍らで15㎝F2.8写真鏡でミザールやプレセペ星団などのプラネタリウム投映用の参考写真をいくつか撮影した。さらに夜半までに252PからC/2014S2、さらに暗いC/2013WZパンスターズ彗星までを一通り撮り終えることができた。透明度は深夜まで悪かったがそれでもいつもの下界と比べてやはり最微光星が1等級以上も違うと実感した高原の夜空だった。

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・2016/4/10-16 二か月ぶり、ギリギリ晴れ間の九十九里。

2016-04-26 | たまおの星便り
  菜種梅雨、花曇りの時節がら多くの晴天は期待していなかったが新月を過ぎた4月中旬から星空模様となってきた。すでに明け方の薄明開始は午前3時台に入り闇夜の時間がどんどん少なくなっていく。衛星画像やGPV予報でわずかな晴れ間を見つけては70キロ、一時間半の観測地まで車を走らせた。10日日曜は一応の晴れ、だが海岸では4等星がわかる程度で南中した天の川も力なく太平洋に流れ落ちていた。北側にあるスジ雲を気にかけながら北斗七星の升の中をゆっくり移動しているC/2014S2パンスターズをまず撮影(写真 下)。

  へびつかい座αラス・アルハゲの南でコマが巨大化している252Pリニア彗星は双眼鏡ではまるで青い人だまのように銀河の中に淡く灯っていた。いつもは薄明近くになって海岸から煌々とライトを照らして戻ってくる密漁車の群れは全く見えない。どうしたのだろうと駐車場の海岸入口を見ると「海岸への車の乗り入れは罰金および懲役」の立て看板が数か所に新しく設置してあった。ここ二か月の間に取締りでもあったのだろうか、ともかく静かな海が戻ってきたのは喜ばしい。
 12日は平日だったが朝まで雲の出る心配がない安定した星日和の予報だった。だが衛星画像からは富士山近辺から発生したと思われる低い雲が相変わらず房総半島近辺に流れ込むのが見て取れた。現地に着くと一応は晴れ、だが透明度は悪く一昨日同様、天の川の輝きも冴えない。すぐに15㎝反射を浜辺に設置してC/2014S2と252Pを撮影した後、予定していた撮影メニューに添って鏡筒を暗い東天に向けた。30年以上前のSPDX赤道儀はパルスモータは搭載しているものの完全手動導入機なので、暗い彗星に筒先を向ける場合はまず明るい恒星を写野に入れ、その赤経赤緯の差分だけアナログ目盛環を見ながら鏡筒を動かす。しかしこの時期の未明の東天は明るい恒星が少なく導入に苦労する。対象が暗いのでEOS6Dの液晶画面ではその場で確認できず、今回は撮影を目論んだ対象の三分の一は写野の中心を外してしまった。煮え切らない思いのまま朝の通勤ラッシュを気にかけて午前4時に帰路に着いた。
  16日土曜も気象庁は屈託のない晴れ予報を出していた。だが日付が変わる頃から、「高頻度衛星画像」や「ひまわり霧情報」では房総半島南端から低層雲が北上しているようにも見えた。一抹の不安は海岸に着くと現実になり、空一面が既に薄い雲で覆われていて、斑に星が見えるだけだった。念のために機材を海岸にセットして晴れ待ちついでにNHKラジオを聞くと熊本で震度7の「本震」が発生したと伝えていた。遠く離れていても5年前の震災を思い出す。ましてかつて津波が押し寄せた海岸の波音を聞きながらの緊迫した報道は心穏やかならぬものがあった。
 薄明近くになって天頂付近のへびつかい座が辛うじて晴れ間を見せ始めた。急いで252Pの位置に筒先を向け、焦りながら何回かシャッターを切った。この日の収穫はこのカットのみだったが、それでも3夜あわせて6日間の252Pの移動を捉えることができた。
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・2016/3/16 早春の九十九里に晴れ間なし。

2016-03-19 | たまおの星便り

 三月に入ってインドネシア皆既日食の話題がニュースになり始めた頃から空模様がはっきりしなくなってきた。週末は晴天の周期からすっかりはずれてしまったかのようで、特に本州東突端の九十九里は夜になるとたびたび雲に覆われた。
 すでに彼岸も近く薄明開始は4時20分前後と次第に早まり、月が次第に太くなってゆくにつれて闇夜が少しずつ削り取られてゆく。そんな週の中日、16日はミニ冬型となって未明は星日和となりそうだった。気象衛星(高頻度)画像http://www.jma.go.jp/jp/gms150jp/でも大きな雲は見当たらない。気象庁の天気予報も一晩中晴れマーク。ただ、GPV気象予報http://weather-gpv.info/だけが夜半過ぎから千葉房総に雲の広がりを予想していた。少し気にかかりながらも週末の晴れ間を待ってはいられないと海岸に向かった。
 午前2時前に到着するとスジ雲は見えるがほとんど快晴。未明に海岸から列をなして帰ってくる密漁グループの車を避けるためにいつもとは離れた安全な場所に機材を設置する。ところがいざ極軸を合わせようと北天を見上げると斑状の雲が西から伸び始めていて、すでに北極星は雲の影に隠れて見えない。わずかな雲の隙間を見つけては少しずつ極軸を合わせながら時間だけが経ってゆき、やがて空全体が雲だらけとなった。天文仲間から定評のあるGPV気象予報の的中率に妙に感心しながら、止む無く新機材の15㎝反射アストロカメラと記念撮影などをして待機した(画像下 遠く波打ち際の右手には漁火が見える)。
 
 待てども雲は重くのしかかるばかりで刻々と薄明開始が近づく。時刻が午前3時半を回った頃、撮影に常に携行しているトレーシングペーパーを鏡筒の先にセットして雲に覆われた南天の暗い空に向けてホワイトフレームを数枚撮影した。自宅の疑似的な光源でのホワイトフレームは用意してあるが、実際の観測地の空で15㎝反射+EOS6D用に撮るのは初めてのことだった(画像下)。それからは平日の通勤渋滞を避けたいこともあって、そそくさと撤収、目当ての星を一回も見ないまま3月新月期の航海は終了となった。

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