日俣綾子の気まぐれ日記

ヴァイオリンと共に、ヴァイオリンを越える事を願って・・・。

ヴァイオリンのお友達~その2~

2007-03-30 03:35:31 | Weblog
音楽大学にも男子生徒は存在する。
「音大の男」というと世間一般の方々はナヨナヨした日陰のモヤシを想像されるかもしれないが、実際は異なる。
特にピアノ科の人間は巨大な楽器を鳴らさねばならないので実は筋トレなんかをしていたりする。そして案外ヤンチャ坊主もいるものである。

日本有数の国立音楽大学出身のS君は落ち着いた物腰からてっきり静かな学生生活を送ったと思っていたが・・・違ったらしい。
学園祭の後、恩賜公園の池にダイブするのは勿論、手当たり次第に周りの人も投げ込んだそうな。挙句「あ~練習室で焼きそばパーティーやったね~」だと。あとビールをケースで買って塀を乗り越えて構内で・・・まあ・・その。(記載に当たり本人の許可を得ています)

そういえば弦カル組んでたM君も結構なものだった。
弦カルのレッスン、先生は某有名ヴァイオリニストだった。で、その先生がお手洗いで部屋を出て行かれた時「オイッ!楽器見ようぜ!」。半分開いていた先生の楽器ケースに突進、蓋を開けて楽器を覗き込む。
「すっげえ、ストラド(ストラディヴァリウス)だ!!」
ハイ。私も見ました。すいません。あ、ホントにストラドでした。
便乗したからあまり言えないけど、ま、先生の楽器を勝手に見るなんて、ふつうは、ありえません。

他にも色々エピソードがあるんだけど・・・まあ・・・。


日陰のモヤシ君もいるが、ヤンチャ坊主もいるのである。音大には。
で、S君といいM君といい卒業後に活躍しているのは元・ヤンチャ男子生徒のような気がするのである。


そんなこんなで散々お腹を抱えて笑った。
近所の交差点で笑って手を振りあって別れた。


友達はいい。



ヴァイオリンのお友達~その1~

2007-03-27 19:26:28 | Weblog
近所の本屋で立ち読みを終え、夕食の食材の買い出しをしようとボケッと歩いていたら、御近所在住のヴァイオリニストS君にバッタリ出くわした。(2006年10月4日のブログ参照)
折角だからお茶でもということで歩き出したのだが、仕事帰りでパリッとジャケットでキメていたS君に比べボケッとしていたのはアタマだけではなく服装もであった私は若干ヒケメを感じたものの後の祭り。そのまま近所のオープンカフェでチーズケーキなんぞをモソモソ食べ、夕食まで御一緒した。


ヴァイオリン弾きが顔を合わせると必ずといっていい程する話が楽器の話。
弦を替えてモジモジ君(2007年3月24日のブログ参照)を装着してウハウハだった私は例に違わず楽器の話をふっかけた。

まず弦から。
私は件のエヴァ・ピラッツィに替えてウハウハであるが、S君はガット弦でウハウハらしい。
ヴァイオリンの弦というのは大きく二種類に分けられる。芯が「ガット(羊の腸)」であるか「その他(金属、ナイロン)」であるか。ガット弦は柔らかい音で他の音とも溶合いやすい一方パワーは少ないと言われていて「室内楽向き」だとの評判である。金属弦はきらびやかでパワーもあるが固くもあり「ソリスト向き」だという評価を受けている。一長一短である両者の中間に位置するよう開発されたのが「オブリガート」という弦(金属弦)であった。(音が優等生的だとケチつけたヤツである。)
「私の楽器ってさ~ガット弦合わないんだよね~。音がかすれて駄目なんだ~。」という私に「あぁ、ガットに替える時は楽器の調整も変えなきゃだめでしょ。」とS君。
・・・・・・うっそぉ。
どうやらS君は私より詳しいらしい。「弦替え時」の見極め方も教えてもらい、これはシメタと松脂の話も振ってみる。
現在ベルナルデルというフランス製のものを使用しているが、真っ二つに割れてしまいそろそろ引退の引導を渡す頃である。という私に「ライターで焙れば溶けてくっつくよ。」とS君。
・・・・・・うっそぉ。
家に帰ってやるという私に「でも酸化するから良くない」とS君。んんでもやってみたいぞ。

そして。
ある年齢に達すると必ずといっていいほどする話が、学生時代の話。
松脂を焙る話から学生時代の話に発展。

~つづく~

ヴァイオリンの維持

2007-03-24 01:25:08 | Weblog
昨日だったろうか。
楽器を見た途端「嘘っ!」と思ってしまった。
指板(弦を押さえる黒い所)が波打って見えたからだ。
念入りに拭いて指先で確かめてみる。
・・・・・まだ大丈夫だ・・・・・。

ヴァイオリンをずっと弾いていると、指板の左手の押さえる箇所箇所が凹んでくるのです。
押さえる箇所はギターのフレッドみたいに「この位置」って決まっているから箇所箇所が凹むと波打ってるようになるのです。
そうなったら音色にもピッチにも影響してくるから楽器屋さんに持って行って指板を削ってもらわなければなりません。
これは楽器を預けるのは2、3日でいいし修理代もそんなにかかりません。
問題なのは削ってゆくと薄くなるってこと・・・・・って当たり前なのですが。
そうなったら指板を「張り替え」なければなりません。こうなると確か4、5日預けて修理代もちょいとばかり高くなります。
さらに私の楽器は一度「ネックが起きてきている」疑惑も被った事がありまして。このネックが起きるっていうのは、弦の張力によって渦巻き(スクロールといいます)が起きてくるという事。そうなれば音が悪くなるので寝かせる修理をしなければなりません。たしかこちらは1週間から10日預けて4万円かかるという説明を受けました。
幸い疑惑で済んだのですが・・・・。

ネックは大丈夫だと思うのですが、これ以上指板を削るとその分弦高が上がって(弦から指板までの距離が遠くなり)左手に負担が来そう。やっぱ次は張り替えかなぁ・・・。
コレ、結構切実。お金もかかる上に楽器を預けなければならないので基本的にその期間ライヴも出来ずミュージシャンとしての仕事のオファーも受ける事が出来ません。ヴァイオリンは合計3台程持っていますがレコーディング仕事に耐えるのはこの1台だけ。運が良ければ代替楽器を貸して頂けたりしますが(1回借りられた)最近はあまりないと聞きます。
ま、これはヴァイオリン弾きの宿命だ。潔く諦めます。

ヴァイオリンの維持費、結構かかります。
私は保険代も含め年間10万円以上は費やしています。・・・・だから貯まらないのかと、思いきや。上がいました。
修理1回数十万円!!作られてから100年以上経つ古い楽器で痛みがひどい場合はそうなるそうです。
おそろしや。

楽器やレッスン等の自己投資はまだまだかかりそうです。
宝飾品にうつつをぬかすようになるのはまだ先のようです。

写真はダンピット(加湿剤)、「モジモジ君」。
ヴァイオリンに適した湿度は50%前後。最近は乾燥がひどく、音がガサガサするので装着しています。

ヴァイオリンの弦

2007-03-14 03:01:57 | Weblog
実はここ数日精神状態がよろしくない。

止められぬ度量の縮小化。


ついでにヴァイオリンの演奏状態もよろしくない。

止められぬ・・・・・なんだ?


練習してるのになあ。
右手が悪いか左手が悪いか。フィンガリングが悪いかボウイングが悪いか。
それとも湿度?それとも気のせい?

色々考えた挙句・・・・



弦のせいにすることにした。(良い子は真似しないように)

今使っている弦が古くなったんだ。そうだ。きっとそうだ。
そんな訳で新しい弦に張り替えてみた。

今回は初めて使う弦「エヴァ・ピラッツィ」。小回り利く方じゃないけど派手らしい。


・・・・確かに。でも特に中音から高音域は好きかも。

もともとオブリガートという弦を使っていた。美しい音なのだが若干「優等生チック」な響きが気に障り「ダダリオ」から出ているヘリコア、その次にザイエックスに替えた。
図太い音で大好きなのだが、いかんせん私の骨格では無理だ。もっと太い指とパワーがないと鳴らせない。「図太い」と「くぐもる」が紙一重。ライブやレコーディングでは全く音が立たない。一旦カンパケた自分達の音源を録り直したぐらいである。
せっかくだがダダリオは、アウトだ。残念。生まれて初めて「男に生まれたかった」と思った瞬間である。

またオブリガートという弦に戻っていたわけだが、他にないモノか。
そう思い師匠に相談したら「エヴァ・ピラッツィはどうか」と教えて下さった。

今日のところは、まあ、ヒャンヒャン・カンカン鳴ってた。
明日くらいから馴染み始めるだろう。

そういう意味でも次のライヴは楽しみである。

そうすれば私の精神状態もちょっとは良くなるだろう。


ヴァイオリンの御利益

2007-03-13 01:39:29 | Weblog
先日、フラっと立ち寄った皿屋でうっかり1枚3000円のお皿を2枚買いそうになった。
ふう。危ない危ない。
ある人々から見ると、1枚3000円のお皿は大騒ぎする程ではないが、私はまだそんな物をホイホイ買える身分ではないので(しかもそそっかしくて割るという問題もある)、間一髪ギリギリで踏みとどまった。

人にはそれぞれ「理由は分からないがどうしても強烈に惹かれるもの」というのがあると思う。江原さん辺りに言わせると「前世の因果です」ってことかも知れないがそれは今はどうでもいい。
私が惹かれるもの、それは・・・・

絵・皿(骨董)・イタリア・近代日本史・超ピンポイント世界史・古代エジプト・医学



・・・・・・あ。音楽忘れてた。

その道の人から見れば取るに足りない知識だからプロフィール等には載せないが。

絵は好き。ティツィアーノもダ・ヴィンチもカラヴァッジョも。ピカソも(ゲルニカ最高)横山大観も。
皿も好き。こちらはどちらかというと日常生活レベルで。まあでも「柄が『印刷』されているものは嫌い」程度。はっきり言ってどうって事はない。現在自宅を「安い皿」から「好きな皿」へ移行中。乾山は好き。
イタリア。もう好き。仕事を考えなくていいなら移住したいくらい。絶対前世イタリア人だ。
近代日本史。かなりピンポイント。司馬遼太郎と瀬島龍三の影響モロ。
超ピンポイント世界史。ハプスブルグ家あたりなら任せて。あとカトリーヌ・ド・メディチ辺りからエリザベス1世(イタリアからフランスからイギリス)も好き(宗教でモメてた辺り)。ちなみに今のマスコミを見てると「魔女狩り」みたいと思ってしまう。
古代エジプト。これから詳しくなりたい。ちなみに「スカラベ」って「糞転がし」を模したんだよ。
医学。数学が出来たなら医者になりたかった。代わりに薬に詳しい。

で。何故ヴァイオリンが役に立っているかというと。

・・・・・欲望のストッパー。
ヴァイオリンを弾きたい→まず生活しなきゃ、新しい楽器も欲しい→お金には限りがあるからセーブする
という案配である。
もしヴァイオリンというストッパーが無ければ分不相応な絵を買ったり皿を買ったり旅に出たりしたに違いない。

理想はヴァイオリンを弾く→お金の制限を無くす→皿と絵を買って旅に出る。とすると好きな事をやって好きな物を買うという非常にいいループが出来上がる。

うん。そうしよう。

時間

2007-03-03 03:36:45 | Weblog
もう3月か。早いなあ。

何かの本で読んだが「時間」には4種類あるそうである。

1つ目は「暦の時間」。つまり1年を365日で割って更に1日を24時間で割ってその結果閏年が出来て・・・人間が作ったもの。
2つ目は「宇宙(自然)の時間」。地球がグルグル回ってるアレね。人間が当て嵌めた訳でもなく厳然と存在する自然な時間の流れ。
3つ目は「身体の時間」。人それぞれが体内に持っているその人の身体の時計のこと。夜型とか朝型とかね。
4つ目は「魂(精神)の時間」。会議中は時間が経つのが遅く感じるけど趣味をやっている時間は滅茶滅茶経過が速いというヤツ。

これがずれた場合っていうのが例えば時差ボケだったり、「他の人にとっては朝の9時に起きるのが何て事ないけど自分には辛い」とかであったりするのだという。


不思議。

昔は辛いことがあってまさに血を吐く思いで一日一日を「乗り越えた」時もあった。
最近は特に去年から時間が経つのがとてつもなく速い。1日24時間では足りないと感じる。



老化はゆっくりならんもんだろうか・・・・・・。