考えてる暇

呆然ときどき3倍速。妙なおばさん Lynn J. の見たもの聞いたもの考えたもの。

顔はすべてをものがたる

2007年06月04日 10時22分17秒 | Weblog
桑田真澄投手が3Aで登板したそうですね。
開幕直前の怪我でずいぶん歯がゆい思いをしたと思いますが、順調に回復しているようで何よりです。

TVに映った彼は、非常にいい顔をしていました。

とくにメジャー移籍後の彼は、ほんとにいい顔になっているように思います。
眼差しも表情も、だんだん少年に戻っていくような。
頬や口元が引き締まって、全体に明るく、楽しそうです。

もともと桑田選手の顔は、ごめんなさいあまり好きじゃありません。
巨人所属時代の彼は、なんか申し訳ないが爬虫類を連想させ、陰湿な雰囲気が漂っているようにも思えて、正直嫌悪してました。
でも、現役選手としても終盤にさしかかり、メジャー挑戦を選択してからの彼は、とても生き生きとのびのびとしているように見えます。
「巨人の桑田」じゃない場所に行って、ただの「Masumi Kuwata」になって、何かを脱ぎ捨てることができたんでしょうか。

置かれている立場ややっていることで、人の顔が変わる。
男性の場合はほんと、それがよくわかりますね。
女は、ほら、化粧っていう仮面があるからわかりにくかったりするけど。

心の底の決意が顔に出る。

三浦知義、キング・カズも、ヴェルディを離れてから顔つきが変わったように思います。
「おっさん選手」になっちゃってからのほうが、いい感じです。
もっとも彼は、Jリーグ誕生前後、当たるを幸いと元気よく羽目をはずしまくっていたころも良かったですが。ドーハ前後のあたりから、何かものすごい気負いと同時に恐怖とか不安とかいったものも背後にあるような、虚勢のような、なんかそんな空気を漂わせていた気がして。

フィギュアで言えば、本田武史君も、怪我のあとの2005~6シーズンでは、別人のような顔になっていてびっくりしたものです。
強気と弱気が同居しているようなとっ散らかった目をしていたのが、
芯が入った、澄み切った顔になっていました。
スケートカナダかなんかの映像で見たときに「あれ?こいつこんなイイ男だったっけか?」とかなり???な気分になったっけ(笑)。

スポーツ選手の話ばっかりになりますが、それほどに厳しく自分と向き合う世界だし、ごまかしのきかないものだってことなんでしょうね。

ま、世の中逆もありまして、
最近顔が濁ってきたな、と思う選手もなかにはいます。
これは具体名を挙げるのはやめとこう。

ちょっと自分を見失っちゃってるのかな、と思う人。
置かれてる立場のサイズが本人のキャパと合ってないな、って感じのする人。
あなたの行きたいのはそっちじゃないでしょ実は、って気がする人。
そうとうの重圧がありそうだな、と思える人。
なかには、これは明らかに「慢心」だな、という感じのする人もいます。

顔、ってけっこう正直なんだよね。気をつけなきゃ。



昨日は飛行場の見える公園に出かけました。

一面のしろつめくさ。ほんとに一面の。
そのなかに寝転ぶと、湿った柔らかい葉の感触とともに、
すばらしくかぐわしいにおいがします。
こんなに香るものなんだ、と驚きでした。
その香りに包まれながら見上げる空に下りてくるプロペラ機。
プロペラ機の音は、優しい。
初夏の午後ののんびりした空気を壊さない、穏やかな音です。

世はなべてこともなし、か。

いやほんとは「こと」だらけなんだけど、
ふっと、そんなものはもうどうでもいい、と思ってしまいそうになる六月の風。

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