マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

劇場版SPEC~結(クローズ)~漸の篇

2013-11-11 23:44:24 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
東宝映画招待券で、六本木ヒルズシネマ; 『劇場版SPEC~結(クローズ)~漸の篇』  
    
テレビの大ヒットシリーズらしいが、見たことも聞いたこともない!
iフォン内容紹介の、警視庁公安部公安第5課 未詳事件特別対策係事件簿を早飲み込みして六本木へ。

観客の入りは2分くらい、ちらほら、ゆっくりでいいと喜んだのもつかの間で、最初は相関図もなにもわからず、
ウトウトしていると、突然、心臓に来るような大音量、逃げ出そうかと思っていると、急転、静かな場面へ。
何回かくりかえし、ミイラにひしゃくでたらいの湯をかけ、体をもんで蘇生させる あたりから、何やら愉快になってきて、
ストーリーも理解しないまま、このメチャクチャ感覚映画、面白いと何回も〝呆れ笑い”

終わって、客席を立つ老年夫妻に、あの人たちも間違って入ったくち?と思ったら、案の定、
出口の若い係りに、「テレビでヒットして、…~」とレクチャーを受けていたのには

外は冷たい強風、今冬の木枯らし一号
ヒルズからの夜景も冷たい分、冴えわたっていた。
   

  

 

『半沢直樹』後半へ

2013-08-28 12:00:32 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
世間で圧倒的な「半沢人気」、ついに一昨昨日(さきおととい)の日曜日、拡張版・後半第一話を初視聴☆
視聴率30パーセントのお化け番組、
新参者マルガリータは最初の5分で虜にされ、背中はシャキッと伸び、腕をかかげ、声を荒げ…
さすが!というかなんというか、あっけにとられて半ば茫然状態。

銀行が、しょせん〝金貸し”とは、周知のことだが、、
銀行内部の魑魅魍魎(ちみもうりょう)・軋轢を、あくまで「面白く」、とことん単純明快に。
    
     
目がさえてしまって1時過ぎまで寝られず、
やっと寝付いた夢ん中で、新旧憎き相手に〝倍返しなど叫んでいたような、いないような(笑)

『荒野のガンマン』S・ペキンパー

2013-08-26 11:58:38 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
マルガリータ;『ペットセマタリー』S・キングに続き、情報が向こうから飛び込んできた第2弾、
たまたま回したチャンネルに、冒頭のクレヂットタイトルが画面に広がっていた。
ところが、どうも 『荒野のガンマン』  見ていなかったらしい。
マルガリータが西部劇あさりをしていたころはビデオ化されていなかったのを思い出した。(今はあるいは?)
「最後の西部劇監督」サム・ペキンパー 初の監督作だが、
狙いが定まらない〝ガンマン”、恋愛ロード・ムービー、などと揶揄されて、当初はB級扱い、それでビデオ化見送りだったか?
      

しかし、クレヂットに誤りあろうとも、M・オハラにトウが立っていようとも、失われゆく西部・フロンティアへの哀愁の描き方は魅力的で、
S・キングがホラー仕立てで古代・先住民の呪いをあばき、S・ペキンパーはバイオレンスがらみで征服者・白人の喪失感を描き…
裏表からの同一テーマと、ニューイングランド帰りは無理やりにでも考えたくなってしまった。

それにしても、S・ペキンパーをこういう目で見ると一段と~、
バイオレンスが過ぎて、女性に人気がなかったというし、以前のマルガリータも確実にそのクチだった。
歴史的背景のとらえ方から、映画、外国映画って、思わぬほどに理解がすすむんだな~とも。

      ≪追~≫舌足らずな小文の過激な補足をお望みの方に 



『ペット・セマタリー』 S.キング

2013-08-23 04:12:36 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
歴史が浅いアメリカだが、歴史遺物のほとんどがニューイングランド6州にあるという。
この’歴史とは征服者白人のもので、それ以前は先住民インディアンがいて、インディアンの前は太古・人類以前。

S・キングは、
   自分の住んでいる故郷の風土を愛しながらも、その土地に隠された暗黒の歴史を暴き出すような作風
  ・時にはアメリカの建国以前、『ペット・セメタリー』のように先住民の時代までも物語の射程に入れて、
   古代からの因縁や怨念が現代にまで及んでくる恐怖を描く 
  ・人間の心だけでなく、歴史やもっと長い時間の奥底に生息している恐怖を描く
  『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』より



今回の旅程では、ことさらな遺跡に出会うことはなかったのだけれど、ヨーロッパ、ドイツやオーストリアに比べて、
歴史軸の浅さはどうしようもない。
少し突っ込むとインディアン悲史、行く先々の土地で”過去が埋もれている”『ニューイングランド物語」加藤恭子』のを感じた。

上記荒木本で、特に『ペット・セマタリー』(1989年) には、アメリカの歴史の暗部が背景に透けてみえる。先住民を駆逐することで国を作り上げていったのがアメリカ、だからこそよみがえってくる太古の呪いがあったり、残された土着の怨念がある…
という記述を見つけ、今回はその方向でDVDにかじりつき、おかげで苦手なホラーも結構楽しめて、ひと時の消夏になった。

ミクマク族の墓地 死者が生き返る
 メイン州;恐怖の暴走トラック 

追~
ニューイングランドとは、ヴァーモント、マサチューセッツ、コネチカット、メイン、ニュー・ハンプシャー、ロード・アイランドの6つの州
太古の呪いとは、映画ではミクマク族 ミクマく族に詳しい映画ブログ

  


☆追の追~〝お目直し”に☆ 千疋屋のフルーツケーキはいかがでしょうか
         







「ヴェニスに死す」

2012-06-17 05:12:30 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
F.ディスカウ、マーラー、ブラジリエ、ヴィスコンティ、ときて、なにかピンとくる?

名バリトンの F.ディスカウ が亡くなり、
R氏推奨の、若き日の名唱「さすらう若人の歌」(マーラー、フルトヴェングラー)EMI盤を探す合間に、
     

手持ちの マーラー を聴きだす。
    
 
 交響曲第3番 ニ短調 第4楽章 ニーチェ〝ツァラトゥストラ”からの一節がアルト独唱でうたわれる、異常な静けさ。
 交響曲第5番 ハ短調 第4楽章;アダージェット
 
書棚から、『マーラー 私の時代が来た』桜井健二 をひっぱりだして復習。
マーラーの’不安と危機感 ’が全編からうかびあがってくる。
  

階段上がり口にある行き場を失った、大判リトグラフ「ヴェニス」(ブラジリエ)も目の端にチラチラ、
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会、
  鮮やかなブルー、神秘的かつ詩情溢れる画   私とともに、はや30年。

もうおわかりでしょう、
気分は、ヴィスコンティ  「ヴェニスに死す」 の再再~の鑑賞にはいりこんでいく…







アドルフの画集

2012-02-25 04:48:50 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
ミュヘン本にミュンヘン映画に、気忙しいなかにも充実した日々です。

今日は、以前に見ていた映画を、あれはミュンヘンが舞台のはずと思い出して、見直しにかかりました。
ヒトラーがまだ画家をめざしていたころの話ですが、
大戦終了後の1918年頃のミュンヘン風俗にアートシーンに、見どころ満載でした。
出発日がせまり時間がないので、とりあえず、よそからの抜粋、転載です。

〝ねこはしる”さんのブログより
 この作品、何より光っていたのは美術の手際で、舞台となる1910・20年代のミュンヘンの街角や、当時の人々の生活様式、風俗の再現に異様なほどの執着を感じた。単に画面に古色を添えるだけでなく、窓ガラスや家具類、各種の生活用具などといった室内インテリアにバウハウスなどの先進的なモードを大いに取り入れており、カメラが丹念にそれらを映し出していく。制作にハンガリーがからんでいるのはロケ地として重用したからだろう。これは意外な掘り出し物だったなと満足して美術スタッフを確認した所、“コックと泥棒、その妻と愛人”などグリナウェイ作品を複数手がけている Ben van Os だった。撮影は Pierre Gill。

 公園の茂みにランプを吊るす小鳥売りや、第一大戦に敗戦した名残で鉄くずの山と化している廃工場の描写など、ディティールまでよく作り込み、撮り切っていた。セリフの端々に、「エルンストは俺よりハンサムか」とか「今度のオープニングにはデュシャンも呼んでるぞ」、「ではクレーなどはいかがでしょう」などと当時の前衛芸術家たちの名がぽんぽん出てくるのが面白い。
 監督はメノ・メイエス、主演はジョン・キューザックとノア・テイラー。メイエスはスピルバーグ作品などの脚本を長く書いてきた人らしい。画商の妻役で翳のある知的な女性を演じたモリー・パーカーなど、脇役のキャスティングも巧い秀作。
"Max" by Menno Meyjes / John Cusack, Noah Taylor, Molly Parker / 109min / Hungary, Canada, UK / 2002 


t​h​c​*​a​1​*​ さんのアートブログより              
MAX (邦題:アドルフの画帖)
第1次世界大戦終了後のドイツ。
政治家になる以前、芸術家を夢想していたアドルフ・ヒトラーと画商マックスの交流。
そのつかの間の時期、ヒトラーが芸術家から政治家へと進む方向を変えた、
正に運命の時とも呼べるような一瞬を上手く演出している。

1918年、第一次世界大戦の終結により、ドイツは戦後の復興を歩み始めようとしていた。
マックスは画商として、古い工場跡をギャラリーに商売をしている。
ニューヨークのスタジオ+ギャラリーを彷彿とさせるが、広い場内には巨大な作品があちこちに飾られている。
抽象主体のいわゆる当時の”モダン”な作品が喝采を浴びる中、ヒトラーの描く絵は旧態依然として
丹念なデッサンを基調にした動物や風景などのあたりさわえりのないものだった。
それをマックスに指摘されたヒトラーは自分の描く真実を絵の中に見出そうと試みるが、
結局は時代を感覚的に読み取り、描画を通して表現する”芸術家”よりも、
演説という手段を通じて自己の存在を主張する政治世界へと進んでゆく。

さて同じ時期、マックスのギャラリーでは、ゲオルグ・グロッスが新進作家として紹介されている。
グロッスが会話を交わしている男性に、マックスはモネの絵はどうかと勧めているシーンがある。
その実業家風男性は、フランス印象派絵画など時代遅れとも言わんばかりの口調で、
グロッスの絵を2枚買うという。
ナチス台頭以前おドイツを激しく糾弾したことで知られるグロッスは、
巷にあふれる自発的犠牲者としての娼婦や色欲の垣間見える醜悪な資本家、
ナチス労働党が羊の皮をかぶった軍国主義者というような矛盾と退廃を皮肉ってみせた風刺作家である。
   

     

ミュンヘン(スピルバーグ)

2012-02-20 07:56:43 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
ミュンヘン関連の映画を検索すると、スピルバーグ「ミュンヘン」ばかり。

「ミュンヘンオリンピック」テロに端を発したスパイミステリーで、
ミュンヘンものというより、ロンドン、ニューヨーク、と世界中が舞台で、観光気分でも楽しめる映画でした。



映画のあらすじとか詳細
「ミュンヘン」批評のオンパレード
エリック・バナ単独インタビュー

「灼熱の魂」

2011-12-19 20:59:25 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
     日比谷シャンテにて

カナダと中東を舞台に、
<キリスト教とイスラムの宗教対立の怒りの連鎖>
<世代から世代へのはてしない憎悪と暴力の連鎖>を断ち切ろうとした女主人公ナワル。

リアルな描写と、ギリシャ悲劇やシェイクスピア悲劇の物語性が混在、“異色作”の名にふさわしい。

今回、失敗したと思うのは、事前に新聞評とパンフ小冊子を丁寧に読み込んでいったこと。
セリフが極力排されて、徹底して映像で語られるときいて、ある映画評ではストーリーがよく分からなかったなど読んだせいで…

今、感想を書こうとして、それぞれの解説に引きずられそうになる。
これは、かえって普遍的な文章にしやすい問題なのかもという気にも。
再度、観てみたい。

とにかくも、神話的ともいえる世界が混在してしまっているので、映画批評も一義的にはいかず、難しい。
こんな映画がハリウッド映画にあったような~、必死に思い出しています。




「M…I ゴースト・プロトコル」

2011-12-16 22:35:11 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
「ミッション・インポッシブル(M…I)」4作目で初めて映画館(六本木シネマ)で。
こんなに面白いシリーズだったかと、あらためて前3作も検証にかかるが…
 

 ここに賛否正反対の評、
 ① 日経新聞 文化往来             「M…I」4作目、アニメの名匠を起用
 ② 週刊現代 井筒和幸の今週の映画監督 「命懸けがウリ」は違うでしょ、幻滅しました
 
井筒ファンの私も、今回ばかりは①の賛成派にまわったということに。

①で引用されたアニメの名匠、ブラッド・バード監督の言葉が印象に残ったので。
 ・『レイダース』のようなユーモアのある映画にしたい。
 ・意外なところでユーモアがでることで、視覚的に派手な映画であっても、ちょっとした瞬間に人物像が出て見えてくる。
  大きな映画だからこそ、小さな部分にこだわった。(~アニメの手法)
 ・宮崎俊はまさにそう。草が風に揺れるような細部に注意を払う。だから火の玉からにげるような大きなアクションもうまくいく
  
前3作で、最後まで見たのはブライアン・デ・パルマの第1作のみで、
ジョン・ウーの第2作は半分で打ち止め、J・J・エイブラムスの第3作も同様で、

このアニメ監督のかもしだす人間味にまいったのでした。
「映画は五感を刺激する夢の言語」が監督の信念だという。アニメにも実写にも通じると、新聞評は結んでいる。

 
 
                

オペラ座の怪人25周年inロンドン

2011-11-28 23:12:48 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
午前中に母の四十九日法要を済ませたあとは、「浄め」を求める気持ちを抑えきれずに…
ジャスミン様とやはりカレーラス公演に行こうと、ネットを開いてもらうと、
さすがというか、ジャスミン様、「オペラ座の怪人25周年inロンドン」を六本木プレミアムシネマで発見、

  余裕で良い席を予約購入、その前に、~森タワー美術館に、ZARAに、食事に~など勇むも、
        

  なんだかんだでZARAを少しだけで開館時間。(パリZARAで買ったジャケット2着分が六本木1着のお値段でした!)
  ジャスミン様はバーを通っていくおしゃれ空間ではや興奮気味、ワンドリンク、テーブルつきのリクライニングシートに感激、
         


N.Y.の特等席で観た「ファントム」は、クリスティーヌが繊細で印象に残りました。スタンディングオベーションもすごかった。
ロンドンで観た「ファントム」は、印象に残ってないのです。「レ・ミゼラブル」に行けばよかったと後悔したのを憶えてます。

その他、映画版とか小説とかいろいろですが、“ストーカー”的な印象しかなく…
曲、舞台装置等、最も好きなミュージカルの一つですが。

それが今回は、(私の)様子がちがい(笑)、怪人ばかりに目がいくのです。
男ぶりとしては、歩き方など、マイナス点をつけながらも、どんどん引き込まれていき、
途中からは、ついに「ファントム」開眼 か、遅ればせながらも自分の中で…、
  
  ≪これは、コンプレックスある人の、とうてい届かぬ真実の恋をえがいたもの、
   実は、この世の恋のほとんどが、このパターンに当てはまる失恋ではないだろうか、だからこれほどの人気に。》

何をいまさらの解釈~など言われそうですが、
3時間のうちに、ラミーン・カリムルーのファンになってしまったことは間違いなさそうです。
    すぐに恋敵発見;右脳主婦のロンドン鑑賞記録 すごい追っかけファンです、  ラミーン・カリムルー、ただものではない?

公式サイト
「演劇ニュース」レポート
映画版予告ユーチューブ


《追~》終了直後、感極まっている私に、ジャスミン様が「ファントムは音程がずれている、全体的に低くずれている」とつぶやいて。
    そんな!と、半信半疑で調べていくうちに以下の記事。
    録音技術の問題らしいが、絶対音感のある人には要注意なのでしょう。
       ロンドン講演記録は音がずれているらしい

「神々と男たち」

2011-10-24 23:08:34 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
3月にシネスィッチ銀座で公開されていたのを見逃して、ビデオでみました。
アルジェリア修道院で修行と医療奉仕につく修道士たちが、イスラムのテロリストに襲われた事件をなぞっています。
  
  フランス植民地政策で出口のみえない貧困イスラム社会、
  過激派テロリストの日常化した横暴にも、なすすべなくあきらめの住民、
  軍対テロリストの暴力破壊の毎日  イスラムの現状を変えるのは不可能、意味がない修行と苦しみながら
  この泥沼から脱出するかどうか 修道士たちの迷う姿、
  結局、理不尽にも、テロリストに交渉の人質にされる修道士たち、
 
修道士の目を通して、イスラム社会のどうしようもない負の連鎖を見事に映像化した作品、カンヌ受賞も当然と思いました。

 1996年アルジェリア、フランス人修道士7名の誘拐殺人事件をモチーフにした。
                              内戦下の異国に留まった修道士たちの、信念の強さと人間の尊厳を描く。
                            ランベール・ウィルソン マイケル・ロンズデール カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。

  イスラム市民たち

 
テロリストに焼打ちにあった車、              修道院内病院入口(テロリストも受け入れている。)

    

  解説あらすじ       
もっと深く知るための6項目

この映画を見ながら、自然にだぶって思い出していた以前の体験、

パキスタン北東部の旅行中に、断崖絶壁のカラコルムハイウェイをテロリストに寸断され、帰国が10日遅れました。
滞在していたフンザ村も車が焼打ちにあい、アメリカ人女性はレイプされ、
救援ヘリコプターに乗る順番も、軍(その上のムバラク大統領)と近い関係から。

この時見聞して感じた、イスラム社会の貧困、絶望、慣れっこになっているテロへの対応、警察の無力、軍の権勢等が、
映像に描かれ出した修道士の感じた思いとあまりにそっくりで、こういう映画表現を秀作、芸術と言うのでしょう。

  「芸術」についての追記 
   “映画表現の芸術”とは? 
   うまく説明できずに逃げ切りにしてしまいましたが、
   今、読んでいた本の引用文に、「芸術とは詩であって詩を超えているものを含んでいるもの。
                      音楽であって音楽を超えているものを含んでいるもの。
                      絵画であって絵画をこえているものを含んでいるもの。」 (音楽評論家・吉田秀和氏)
   
   とすれば同様に、「映画であって映画を超えているものを含んでいるもの。」という言い方もできるとして、
   本作にそんな賛辞をささげたい。  (10月27日)   

『パレルモシューティング』

2011-09-17 20:35:37 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
“ヴィム・ヴェンダース”“死の影さすロードムービー”“パレルモ”とくれば、一日でも早く見に行きたい…と逸りましたが、

9月3日からのレイトショーを体力不安からやり過ごして、10日、昼間通常上映の初日、初回です。
ミニシアターながら7割がたの入場者でした。

  

分かり易いヴェンダースでしたが、やはり賛否両論あるのではいう感じがしました。
中条省平の日経評、☆4つ見逃せない作品、あたりが妥当な線かも。(☆5つが満点で今年有数の傑作)



デニス・ホッパーの独壇場となる終番はさすが圧巻でしたが、あとはどうにも芝居がかって見えてしまいウトウトしてハッとしたり。

  チラシ解説にある「ヨーロッパ屈指の魅力的な街、パレルモを発見したヴェンダース」、もよく分からない。
  どう発見したのか、映像的には新鮮味もないし、バロック・パレルモの印象も薄いし、

  有料パンフの解説(廣瀬純)の冒頭、“ヴェンダースが「今日のフリッツ・ラング」とならんとしていることに疑う余地はない”は、
  さらによく分からない。現代の観客のどの程度が、F・ラングを知っているだろうと思うし、ヴェンダースがそんなことを考えていた?   その後に続く文章も蓮見重彦風、文脈不明文で煙に巻かれそうです。
      


追~ マフィアの島シチリアの二つの素晴らしいオペラハウス

☆一つがパレルモ「テアトロ・マッシモ」、映画ゴッドファーザーの舞台にもなった。メインロードに面して観光スポットですね。
                        前面は統一イタリアの精神的象徴、国民的大作曲家ヴェルディ広場(新市街)
                        (対するベルリーニ広場は旧市街の、古いパレルモのシンボル、クアトロ・カンティのそば)

                   
☆一つがカターニャ「テアトロ・ベルリーニ」、この劇場でいつの日かベルリーニの「ノルマ」を見たいというのは山本益博氏、
                       カターニャ大聖堂前の広場でコーヒーを飲んで時間をつぶした夏の日を思い出します。
                       エトナ山溶岩の黒い街並みに治安が不気味で、広場から外へ踏み出せなかったのです。
                       あとから車でこの劇場前を通り、茶色の古びた開かずの扉風の様子には落ち込みました。

  
 
                  

地中海地方の例にもれず、シチリアも少し海から上がった丘の上の小村がいい、
カヴァレリア、ルスチカーナの舞台をかすめたのは返す返すも残念、

どうも、正月明けがオペラ鑑賞にはチャンスのよう、先日のR氏との話に触発され、またオペラ熱が再燃しそうな予感です。




  

「風のガーデン」再考

2011-07-05 18:06:29 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
この週末、8日(金)~10日(日)、の北海道行きは、指折り数えて…の感じで待ち遠しい。
とにかく、この猛暑から逃げられるのと、花の季節まっただ中だから。

なにげに、またまた見出した『風のガーデン』、

     

風そよぐ花のガーデン、画面から伝わる涼しさ、は素晴らしいし、

    

3度目?なのに、観た覚えのない画面が再三現れたり、ある思いがひらめいたりで、
ついに“「11時間半」の映画”(監督の言)を通しで見てしまいました。

私のひらめき、新解釈?は、もう周知のことかもしれないのですが、
岳君が最初から、父親(中井貴一)を『天使ガブリエル』と考えたのは、
死んだと言われていた父親を、感じたのではないか、ということ。

急に、よそのガーデンに手伝いに行かされることになって、成り行きが理解できず動揺したときに、
父親に抱き占められた岳君の表情は、無意識にも、ガブさん=父 を感じていたように思えてなりません。

以前に見たときは、考えもしなかったことです。
見るたびに、新しい発見?があるドラマです。

   昨年9月の訪問記は→  マルガリータ 富良野便り「風のガーデン」


ピーターフォーク逝く

2011-06-26 22:42:37 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
   (書きかけのこのページが気に入らず、消してしまって大失敗、哀悼文は難しい。
    コメントを入れてくれていた方、本当に失礼しました、 気が付きませんでした。)
    
先だって、DVDでコロンボ全作品を通してみたばかり、作品ごとに記事を書こうと試みだして…
  以前のアップ記事は、 コロンボはS・ホームズのB面?  「悪の温室」から  「偶像のレクイエム」から

たまたま<宮城野>にいたので、新聞各紙にスポーツ紙まで夕刊、朝刊ともじっくりと、チェックできました。



       
          
 

各紙ともに、定番コロンボを伝えていますが、
天声人語のマニア向けに一歩踏み込んだ内容にはあらためてP・フォークの偉大さに涙


犯人が捕まらない話; 「忘れられたスター」アステア=ロジャースをモデルに『サイコ』のジャネット・リーを女主人公にした作品。
私自身は、豪華キャストにもかかわらず、あまり感動した覚えはないのですが、
追悼文として読んだときに、故人の偉大さが素直に迫ってきました。 さすが「天声人語」です。

 アルツハイマーを公表してはいましたが、この訃報は突然でした。
日本の熱烈なファンの方々もさぞガックリ来ていることでしょう。
もっともピーター自身は、若すぎる感じで逝った同志たち、とくに ジョン・カサヴェテス に天国で会えて喜んでいるかも。

私、今思うと~、先日より、再度最初から見てみたいという思いがチラチラしてたのです。
虫の知らせ?