一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

登吾留山 ……シライトソウとサイハイランとエビネの咲き乱れる山へ……

2011年05月22日 | 登吾留山
この時期、登吾留山には、シライトソウが咲く。
くじゅうなど、県外の山ではシライトソウをよく見かけるが、
佐賀県内では、この登吾留山以外では見たことがない。
佐賀県内で唯一シライトソウを見ることができるのは、登吾留山だけと言っていいだろう。
リーフさんとビスターリさんが登吾留山へ下見に行って下さり、
「5月22日(日)が見頃のようです」
との連絡を受け、
本日の観察会が決まった。
参加したのは、いつもの花仲間である
リーフさん、
ビスターリさん、
お母ちゃん、
平六さん、
タク、
の5名。
〈近くの山でシライトソウを見ることができるなんて、なんて幸せなんだ〉
と興奮しながら、集合場所の某所に急ぐ。
天気予報では、午前中に雨が降るとのこと。
雨の日の山もまた格別な趣があるし、
全天候型の私としては、「雨もまた嬉し」である。

登吾留山に着く。
雨が降ったり止んだりの天気なので、長靴に傘といういでたちで出発する。
山は今まさに新緑の季節を迎え、美しく輝いている。


まず出迎えてくれたのは、コゴメウツギの花。
小さくて可愛い。


コウゾの花は、とってもユニーク。
雨の水滴が、花を一段と魅力的にする。


ヤブムラサキも水滴を身に纏っている。


ウグイスカグラの実や、


クワノミを見ながら森を進む。


これは、ナツハゼ。


したから覗き込むと、こんな感じ。
小さなツルニンジンのよう。


ヤマウルシの黄色い花、


ホオノキの巨大な花、


ツリバナの小さな花、


そして面白い名前のボロボロノキの花。
リーフさんから説明を受けながら、ゆっくり歩いて行く。


準備万端のヤマボウシを見ていると、もうすぐそこに6月が来ているのを感じる。


樹木を見上げてばかりいたので、今度は足許を見ながら歩く。
雨の日は、苔が元気だ。


フタリシズカを発見。
独りで淋しそう。


カンアオイを発見。
葉の根もとを掘るようにして探し出した。


ヤマハタザオは茎を長く伸ばしていた。


ツクシタツナミソウは咲き始めといったところ。


イチヤクソウは、まだ蕾。
開花まではもう少し時間がかかりそうだ。


シュンランがまだ咲いていた。


キンランも……


エビネの森に足を踏み入れる。


白いエビネは清楚な感じ。


ピンクがかったエビネは、とても美しい。


キエビネは、一段と目を惹く。


そして、エビネの森の本日のスター。


この花は一際目立っていた。


今度は、サイハイランの森へ。




蕾が多かったが、開花している花も……


下から覗くとこんな感じ。


白花のサイハイランもあった。


さあ、いよいよ「シライトソウの森」へ。


入口で、早くも極美のシライトソウを見つける。


そこから先に進むと、信じられないような風景が広がる。


大袈裟ではなく、本当に「シライトソウの森」だ。


あっちにも、


こっちにも、


どれを写真に撮っていいものやら……
嬉しい悲鳴。


そっと近づき、花の匂いを嗅ぐと、
上品な甘い香りがした。


……登吾留山は、まさに「花ざかりの森」であった。

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