一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

寺井尚子コンサート(2004年11月28日・炎の博記念堂文化ホール)の思い出。

2016年10月08日 | 読書・芸術


私の山友であり、ネット友でもある、
“うすきハッピーリタイアメント”さんのブログを見ていたら、
10月5日と、10月6日の記事に、
寺井尚子さんのことが書いてあった。
その部分を引用させていただく。

【一冊の本から「リベルタンゴ」を知る!】(2016年10月5日・水曜日)

桜木紫乃さんの「裸の華」を読んでいたら、文章中に「リベルタンゴ」や「シング・シング・シング」が出てきた。音楽の曲名とは分かるのだがどのようなメロディーなのかは皆目わからなかった。

”瑞穂が笑顔で踊ると六人の客席が十人に増えたように見える。水を得た、とはこういうことだったのか。瑞穂はぴたりと動きを止めて指でリズムを取る際も、客席の視線を和ませ続ける。「リベルタンゴ」で緊張気味に始まったステージが瑞穂の「シング・シング・シング」で温まるのだ。………。”

調べてみると
●リベルタンゴ(Libertango)は、アストル・ピアソラ作曲のタンゴの楽曲。
●「シング・シング・シング」(Sing, Sing, Sing)は、1936年に "King of the Swingers" と語られる歌手・トランペット奏者のルイ・プリマによって作曲された、スウィング・ジャズの代表曲の一つ。

という事でリベルタンゴを早速に聞いてみると軽快なメロディーにすっかり魅了されてしまった。寺井尚子さんのヴァイオリン演奏の曲である。ここでまた寺井尚子さんを知ることになった。

●寺井 尚子(てらい なおこ、1967年5月1日 - )は、日本のジャズ・ヴァイオリニスト。

今日は1冊の本がもたらしてくれた事で、知らない世界をほんのちょっぴりかじることができた。上記の二つの曲以外に「ライディング・ハイ」と「HAVANA」も知り得た。


寺井尚子さんは、私も好きで、何度かコンサートにも行っている。
最初に行ったのは、
2004年11月28日に、
佐賀県有田町・炎(正確には火が三つ)の博記念堂文化ホールで行われたコンサートで、
ブログ「一日の王」にも度々登場する30年来の友人・ヤスさんと一緒に行った。
このとき、コンサート中に、ちょっとしたハプニングがあり、
面白いエピソードとして、今も記憶に残っている。


そのことを、“うすきハッピーリタイアメント”さんのブログのコメント欄に書こうかなと思ったが、長くなりそうなので、私のブログに書いて、それを読んでもらうことにした。

2004年11月28日に行われた炎の博記念堂文化ホールでのコンサートの途中、
曲と曲の間で、寺井尚子さんがお話をされていたとき、突如、
酔っぱらい風のおじさんが、
「ヴィヴァルディの春をリクエストしま~す」
と叫んだのだった。
会場は、一瞬にして凍りついてしまった。
ジャズのコンサートでクラシックのリクエストというのも場違いであったし、
そもそも、リクエストを受け付けるというコーナーでもなかったのだ。
酒に酔った風なおじさんの声に、私は、心の中で、
〈勘弁してくれよ~〉
と叫んでいた。
素晴らしいコンサートで、興奮の連続であったのだが、
途中で水を差されたような感じであった。
寺井尚子さんは、ニコッと笑って、
「あとでね」
と言って軽くかわし、演奏を続けられた。
以後の演奏も素晴らしく、
大興奮のなか、ラストの曲、そしてアンコールの数曲を弾き終えた彼女は、
最後の最後、メンバーに目配せした後、
やおらヴィヴァルディの(「四季」の)春を弾き始めたのだ。
これには、会場の皆はふいをつかれ、そして、拍手喝采をしたのだった。
もともと、幼少より、クラシックから(ヴァイオリンとピアノを)始めた寺井尚子さんは、
ヴィヴァルディの春など、朝飯前であったのだ。
アンコールの後に、特別なプレゼントをもらったようで、
会場の人々は(もちろん私も)、大感激であった。
〈酔っぱらいのおじさん、ありがとう!〉
と心のなかで叫んでいた。
酔っぱらいのおじさんを悪者にせず、
さらりと演奏して、むしろ、酔っぱらいのおじさんを会場の英雄にする。
そんな寺井尚子さんの心遣いに、「さすが!」と感動したのだった。

コンサート終了後、サイン会があったので、
CDにサインしてもらった。
このCDは、いまでも車の中で、時々聴いている。






“うすきハッピーリタイアメント”さんのお陰で、
楽しいエピソードを思い出すことができ、
しばし、ハッピーな時間を過ごすことができた。
“うすきハッピーリタイアメント”さん、ありがとう!
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