一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』……原作の韓国映画を上回る超面白作……

2017年06月13日 | 映画


本作『22年目の告白-私が殺人犯です-』は、
2012年の韓国映画『殺人の告白』(日本公開は2013年6月1日)のリメイクである。


私はこの『殺人の告白』を2013年8月15日に佐賀のシアターシエマで見ている。
だがレビューは書いていない。
なぜか?
私がこれまで見た韓国映画で、最も好きな作品は『殺人の追憶』で、
タイトルも似ている『殺人の告白』は私にとっての期待作であった。

時効の成立後、
イ・ドゥソク(パク・シフ)という男が、
自分は15年前に世間を騒がせた連続殺人事件の犯人だと告白する。
その後、暴露本を出版した彼はそのルックスの良さも味方し、
一躍時の人として世間にもてはやされる……



なぜ犯人は時効後に姿を現したのか?
という一点の謎に迫っていく内容で、
その結末も私にとっては想定内であったし、
それほどの驚きはなかったということもあるが、
『殺人の追憶』とは比較にならないほどのB級映画で、
ガッカリしたのを憶えている。
だからレビューは書かなかった。

その『殺人の告白』を、日本でリメイクしたのだという。
〈大丈夫か?〉
と思った。
主演は、藤原竜也と伊藤英明。
藤原竜也は私の好きな男優で、期待もしているのだが、
映画に関しては、これまであまり作品に恵まれていなかった。
〈今回も……〉
と心配したが、
見ないことには何も言えない。
ということで、映画館へ駆けつけたのだった。



阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した1995年、
同一犯による5件の連続殺人事件が日本中を震撼させる。
犯人はいずれも、
「被害者と親しい者に殺人の瞬間を見せつける」
「殺害方法は背後からの絞殺」
「目撃者は殺さずに犯行の様子をメディアに証言させる」
という三つのルールに則って犯行を重ねていた。
捜査を担当する刑事・牧村航(伊藤英明)は、


犯人を逮捕寸前にまで追い詰めるが、
犯人の罠にはまって上司を殺され、
事件は未解決のまま時効を迎えてしまう。
そして事件から22年後の2017年、
犯人を名乗る男・曾根崎雅人(藤原竜也)が執筆した殺人手記「私が殺人犯です」が出版される。
曾根崎は出版記念会見にも姿を現し、
マスコミ報道やSNSを通して一躍時の人となっていく……




結論から言うと、「面白かった」。
“超”をつけて、「超面白かった!」と表現してもイイだろう。
それほどの満足感があった。
私は結末を知っているので、
それほどの期待をして見ていたわけではない。
だが、私の知っている結末は、
映画の3分の2が経過した頃に、案外あっさりと観客に知らされる。
〈こんなに早く教えて大丈夫なのか?〉
と、いらぬ心配をするが、
それは杞憂であった。
そこから、もう「一ひねり」、いや「二ひねり」があったのだ。
その部分がやや強引で、
見る人によっては批判の対象になるかもしれないが、
私にとっては許容範囲であった。
オリジナルの韓国映画にはない結末を編み出し、
独自の面白さを創出した脚本と演出に拍手。


監督は、『SR サイタマノラッパー』シリーズで有名な入江悠。
第30回「古湯映画祭」(2013年)で、
入江悠監督の『SRサイタマノラッパー2』と『 女子ラッパー☆傷だらけのライム』が上映され、
入江悠監督自身もゲストとして来佐されていたので、
佐賀の映画ファンにはお馴染みの監督。
演出もさることながら、
脚本(入江悠、平田研也)が特に優れていて、
見る者を最後まで飽きさせない。
オリジナルの『殺人の告白』を超える自信があったからこそのリメイクであったのだ。


最初は、
原作の『殺人の告白』を見ていない人の方が、
『殺人の告白』を見ている人よりも(結末を知らない分)楽しめると思ったが、
映画を見終わってしばらく経ってみると、
『殺人の告白』を見ていた人の方がより楽しめるのではないか……と思った。
結末を知っているからこそ、
最後の「一ひねり」「二ひねり」がより楽しめたからだ。
だから断言しよう。
原作の『殺人の告白』を見ている人にこそ、
本作『22年目の告白-私が殺人犯です-』を見てもらいたい……と。
映画館で、ぜひぜひ。

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