滝沢 卓・・・・日記

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生きる日記7月25日

2017年07月25日 | 日記
人間交差点

どこかの漫画にこのようなタイトルがありました。

いつしか、この病室では最古参になってしまいました。
短い人では3日ほどで退院して行かれます。
それぞれの事情を抱えながら、この病室に人生の中のほんの一瞬立ち止まって行かれる人たち。
つかの間の出会いと別れ。

みんな大きな不安を抱えながら この病室に入ってきます。
今は誰とも話したくない・・・
できれば個室に行きたかった・・・
おそらく そんな気持ちで 最初は皆カーテンを閉ざしておられます。
しかし、「家はどちらですか」
など、誰からともなく、何かのきっかけで、会話するようになり・・・。
(最古参である僕からの場合が多いのですが。)
そのうち、だんだん会話が弾むようになります。
「もう8回目だよ」と笑う人。
「なんで俺が・・・」と涙ぐむ人。
話したからと言って、病気が軽くなるわけではないけれど
みんな不安を抱えていることを知るようになります。
そして、自分の病気とともに、この部屋の仲間の回復も心から願うようになります。

近年の医療技術の発展により、ガンの治癒率はかなり高くなりました。
しかし、やはり死と隣り合わせである病気であることには変わりはありません。
誰も、病気になりたくてなった人はいません。
困難がたまたまその人の上に降り立っただけ。
ここは、そんな人たちが一瞬、人生の羽を休めていく人間交差点。
そして、ここ(病室)に立ち寄る人は、その痛みを知っている人たち。
そしてすぐに飛び立っていく。
それぞれ違う方向へ。
住所も連絡先も聞かないから、ふたたび会うこともないと思います。
しかし、僕は忘れません。
なぜなら、みんな、誰よりも前向きに生きているから。







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