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陶器「タラベラ焼き」とグルメの町,プエブラ(メキシコ)

2011-08-27 14:06:32 | ラテンアメリカ旅は道連れ<南米旅日記>

コーヒーが入りました」と,妻が声をかける。休日の朝の10時。

グアテマラの香りが漂う。白地に青と赤や黄色の華やかな模様で繊細に彩られたカップは,肉厚で温かみを感じさせる素朴なもので,手にとると想像に反して軽い。何年か前,旅の記念に手に入れたメキシコの「タラベラ焼き」である。

 

この陶器が作られたプエブラ市(Pueblaは,首都メキシコシテイから南東120kmの所にある。メキシコ湾のベラクルス市と首都を結ぶ交通の拠点として古くから栄えた町で,現在はタイル張りの建物が美しく,郷土料理が味わえる(モーレ・ポブラーノなどの発祥の地)観光都市である。

 

キシコシテイの東バスターミナルから数社のバスが出ている。市内のソナ・ロッサにあるホテルに滞在していた私たちは,タクシーで東バスターミナルに向かった。

 

気さくな運転手カルロスは,「都市のスモッグが日本の協力で改善されたこと」「メキシコ工場で生産される日本車ニッサンのこと」「交通渋滞が大変なこと」「プエブラも良いが,クエルナバカへ行ったか」と,ふるさと自慢まで話し続ける。タクシーを降りるとき,「ターミナルに続くこの地下道はスリが多いいから気をつけろ」と,ご丁寧に注意してくれる。

 

タラベラ焼き」は,スペインの伝統的な陶器の町タラベラ・デ・ラ・レイナから,ドミンコ会の修道士たちによりメキシコにもたらされ,このプエブラの町に最初の工房が作られ,地元の伝統的な陶芸技術と融合し,さらには中国陶器の影響を受けるなどして,400年の歴史を経て完成されたという。この町の教会や修道院など歴史的建造物で,また家庭の台所の壁や天井,食器類,美術品,庭に置かれた草花の鉢など,生活のあらゆる場面で「タラベラ焼き」を見ることができる。

 

プエブラでは,荘厳な雰囲気のカテドラル,バロック様式で華麗に装飾されたサントドミンゴ教会のロサリオ礼拝堂,修道院跡にあるサンタモニカ宗教美術館,総タイル張りの砂糖菓子の家など見所が多い。中央広場ソカロから東に下れば民芸品の店が並ぶエルバリアン市場に着く。タラベラ焼きが山積みされた店を品定めして歩けば,しばし時を忘れることだろう。私たちは,品揃えの多い店で一対のコーヒーカップを買った。

 

夕方ともなれば,アルマス広場周辺に人々が集まってくる。私たちも広場に面したレストランでビールを飲み,モーレ・ポブラーノを注文した。鶏肉にチョコレート色のソースがかかっている。ソースの原料は,唐辛子,パシャ,アーモンド,チョコレート,玉ねぎ,にんにく,香辛料,塩など,トロミづけにパン粉だという。モーレはソースを意味するそうだが,ドロッとして濃厚である。原料を聞けば,それも納得。旅では,土地の食べ物が印象に残る。

 

君は,プエブラでモーレ・ポブラーノを食べたかい?

 

 

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