昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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北海道旅行No.2 神秘の湖「オンネトー」

2011年06月14日 | 北海道の旅
北海道旅行(道東・道南)2日目、帯広のホテルを出発し、足寄町にある小さな湖「オンネトー」へ向かいました。

昨年の北海道旅行で、抜群の美しさに感動し、今回も立寄ることにしました。



昨年、7月20日 13:30頃撮ったオンネトー西南岸から見た風景です。

妖精が住むかのように感じる美しい湖でした。

この美しさに魅かれて再訪したわけです。

観光客はまばらで、湖畔に備え付けられた展望のステージから、感動の風景を味わうことができます。

■展望のステージ近くに案内板がありました。
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オンネトー
雌阿寒岳の火山活動でできた堰き止め湖です。
湖面は標高623mと高い位置にあり、面積は0.23K㎡、平均水深3.0m、最大水深は9.8mあります。
天候、風向き、見る位置によって、湖水の色がさまざまに変化することから、「五色沼」ともいわれています。
オンネトーとは、アイヌ語で「年老いた沼」という意味です。
  環境省・北海道
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この美しい湖「オンネトー」をアイヌ語で「年老いた沼」とは、いったいどう言う訳でしょうか。

若い木より齢を重ねた老木に美しさを感じる様にアイヌの人達は、この深い色の湖に老いた美しさを感じたのかも知れません。



オンネトー周辺の地図です。

上段の風景にあるようにオンネトーの東側に「雌阿寒岳」「阿寒富士」があります。

国道241号からオンネトーまでの道は、約5Kmの道程ですが、オンネトーに近づくと、道路が急に細くなるため、観光バスは入れないようです。

「秘境の湖」と言われるゆえんは、観光バスの団体客を拒んでいることにもあるようです。

又、オンネトーから更に南西方向に未舗装の道が続き、上螺湾(かみらわん)を経由して国道241号へ合流します。

途中の上螺湾地区は、巨大な「ラワンブキ」が育つ場所として知られています。



国道241号をからオンネトー方向に曲がり、少し走ると新緑の間に少し霞んだ雌阿寒岳が見えてきました。

ちょうどこの辺りの道路脇に小さな駐車スペースと、オンネトーの風景写真がある案内板があります。

■案内板の説明文です。
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阿寒国立公園
 雌阿寒温泉 3Km  オンネトー 5Km
火山と湖
噴火の絶え間ない標高千四百九十メートルの雌阿寒岳は約二万年前からの火山活動で始まり、その横にそびえる千四百七十六メートルの美しい阿寒富士は、約二千年前からの激しい活動によってつくられました。
この時期の溶岩流で誕生したのが、周囲約四キロのせき止め湖オンネトーです。
神秘の湖オンネトーは、アイヌ語で「大きい沼」又は「年老いた沼」と言います。
阿寒国立公園でのひとときをお楽しみください。
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今年、撮ったオンネトーの西北岸からの風景です。

残念ながら湖面や、山の斜面は、昨年のような美しい輝きはありませんでした。

湖面にはさざ波が立ち、霞みがかった薄曇りの天気と、9:30頃に西側から見る光線のためか、雌阿寒岳、阿寒富士の風景も良くありません。

標高623mの湖畔から見るとさほど高く感じませんが、雌阿寒岳の標高は、1,499m、阿寒富士は、1,476mです。

前日に走った日勝峠の頂付近の道は約1,000mで、残雪が多く見られましたが、それより高いこれらの山にはなぜか残雪がほとんどないようです。



昨年7月、好天の午後に上段の写真に近い場所から撮った風景です。

美しさに思わず感嘆の声をあげたのを思い出します。

やはり、あの神秘的な美しさは、好天の午後に現れるのかも知れません。

以前、これと同じ場所から撮られた紅葉の季節の写真を見ましたが、もっと素晴らしいものでした。

まだ見ぬ紅葉の北海道にあこがれます。



湖畔に咲くミズバショウを見つけました。

約1.5ヶ月遅く訪れた昨年は見かけなかった花です。

萎れかけたように花が地面近くに咲いており、どうも終りに近づいているようです。



昨年、水辺で見かけた水色の小さなトンボです。

初めて見る水色のトンボが、何匹も水草の上を飛び交っていました。

茶褐色のトンボも見られ、自然環境が守られているようです。



昨年、撮った雌阿寒岳の風景です。

雌阿寒岳は今も火山活動を続ける山で、近くの雌阿寒温泉は、硫黄泉で 弱酸性(ph5.6)の湯が湧いているそうです。

オンネトーの湖底にも同様の温泉が湧き、独特の湖面の色は温泉の成分が影響しているようです。

雌阿寒岳の噴火により螺湾川[らわんがわ]が堰止められ、その麓に湧く温泉によって美しい湖になったことを考えると、雌阿寒岳はオンネトーの母とも言える関係です。



昨年行ったオンネトーの南西にある「ラワンブキ圃場」の入口です。

そびえ立つ看板には「北海道遺産 ラワンブキ圃場 あしょろ観光協会」とあります。

横の案内板には牙をむく恐い熊の顔と「クマ出没注意」とあり、辺りには人影もなく、ちょっとビビりました。

オンネトーから螺湾川に沿った未舗装の道を約10Km、辛抱して走って来ただけに引き下がる訳にいかず、恐る恐る進んで行きました。



「ラワンブキ圃場」の前です。

158cmの妻を立たせ、ラワンブキの大きさを撮ってみましたが、やはり大きいものです。

■すぐ横に「ラワンブキ」の案内板がありました。
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ラワンぶきの説明
フキは雌雄異株で、大型の根葉を持つ多年草で、世界に約20種殆ど北半球に分布する
その内日本にはフキとアキタブキがあり北海道に分布するものはこの後者に分類されます。
ラワンぶきと呼ばれるものはこのラワン地区の沢沿いの地区のみに見られる大型のもので、同形のものは日高山脈東側や釧路地方の一部にも見られるが群生しているのは、このラワン地区のみである。
かつては草丈四メートル、葉の大きさが二メートルにも達したものもありましたが次第に小型化しており、この様な保護地区を設けております。
ラワンブキは身なりのわりには柔らかく、独特な風味、自然食品ブームも手伝って好評で、毎年二二〇トンが食用として収穫され、山菜工場において食品加工され道内外に出荷されています。
 足寄町観光物産協会
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「ラワンブキの圃場」のすぐそばを流れる螺湾川の風景です。

オンネトーから流れ出る螺湾川の両岸には延々とラワンブキが自生していました。

だだ、岸辺にはあまり背の高いものは育っていないようです。

弱酸性で、ほとんど魚の育たないオンネトーからの水がこのラワンブキを特別に大きく育てるのではと思い、調べてみました。

やはり、フキは酸性土壌を好むとあり、螺湾川を流れる弱酸性の水が影響しているものと思われます。

案内板に最近、ラワンブキが小型化しているとあり、螺湾川のph値の変化があるのかも知れません。

雌阿寒岳の麓に湧く温泉の影響で大型化したラワンブキは、オンネトーと同様に雌阿寒岳が生みの母のようです。



足寄町の道の駅「あしょろ銀河ホール21」に展示されていたラワンブキの横に立つ松山千春さんのパネルです。

松山千春さんの身長170cmからラワンブキの高さを推定すると、茎の先端は約220cmの高さになるようです。

子供の頃聞いたアイヌに伝わる小人伝説「コロボックル」を思い出しました。

「コロポックル」とは、アイヌ語で「フキの葉の下の人」の意味だそうです。

北海道に自生するのフキの葉の下に立つ「コロポックル」は、子供の頃イメージした程に小さくなかったのかも知れません。



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