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「「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 」磯田道史

2017年11月15日 20時44分43秒 | 読書(歴史/時代)


「「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 」磯田道史

実際の歴史と、司馬遼太郎作品は違うかもしれない。
それでも、興味を持つきっかけにはなる。
その時代の空気を感じることが出来るだけでも有意義。
歴史家の磯田道史さんが客観的な視点で、司馬遼太郎作品を紹介してくれる。

P48
(前略)中東や西洋の世界とは違い、日本では一向一揆や島原の乱を最後にして、宗教的な理由で大勢の人が死ぬことはなくなるわけです。つまり、世俗権力が宗教権威に優越しました。

P155
板垣は、子孫に親が犯した罪が受けつがれないように、親の功もまた子々孫々に受け継がれることはおかしいという論理で一貫していたのです。
しかし板垣が世襲は一代限りにして、辞めようと言っていたにもかかわらず、政府は日露戦争の後になんと100人もの人たちに爵位を授けてしまいました。

P178
グローバル化がさらに進めば、異なる価値観を持つ国家や人間どうしが向き合わざるを得なくなる局面が増えてきます。相手よりいかに優位に立つかに汲々とするより、相手の気持ちがわかる、共感性が高いといった、どんな文化の違う人にも適応し理解することができる能力が重要になるはずです。

【ネット上の紹介】
当代一の歴史家が、日本人の歴史観に最も影響を与えた国民作家に真正面から挑む。戦国時代に日本社会の起源があるとはどういうことか?なぜ「徳川の平和」は破られなくてはならなかったのか?明治と昭和は本当に断絶していたのか?司馬文学の豊穣な世界から「歴史の本質」を鮮やかに浮かび上がらせた決定版。
序章 司馬遼太郎という視点
第1章 戦国時代は何を生み出したのか
第2章 幕末という大転換点
第3章 明治の「理想」はいかに実ったか
第4章 「鬼胎の時代」の謎に迫る
終章 二一世紀に生きる私たちへ

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