武谷敏子の自分史ノート

埼玉県比企郡嵐山町女性史アーカイブ

短歌 四季のうた 1982年

2010-04-12 07:07:00 | 『白梅』3号(1982)

         佐藤富美保
春光の輝きまぶし吹く風の
   頬に優しき 胸ときめきて
 
         中島清子
観音の切れ長の目見上ぐれば
   そのやさしさに しばし見■る

         村瀬信子
嫁ぐ娘の祖母に別れとぬかづきし
   墓処のほとり 彼岸花咲く

         伊東ときゑ
銀杏大樹の梢明るし 寺庭に
   風が黄金色の じゅうたんを織る

         奥野ハナ
■■声を気にしてかけくる うから等の
   声うれしかり 初秋の夕べ

         馬場富士子
吾が肩のつかりて柚子湯こぼれたり
   冬至静かに 夜の更けゆく

   菅谷婦人会『白梅』第3号 1982年