武谷敏子の自分史ノート

埼玉県比企郡嵐山町女性史アーカイブ

文芸欄 1981年

2010-03-31 23:17:00 | 『白梅』2号(1981)

  【文芸】
秋深く床に射す陽の移り来て
    探しつくせしネジ光りたり   高瀬しげ

前うしろ鏡に写し姿見る
    娘より贈らるコートうれしく  馬場富士子

コスモスの咲き乱れたるタンボ道
    葬列は進む声も少く      中島清子

出張の夫留守の夜語らいの後
    息子等は鍵かけくるる    佐々木ユ基

   沖縄にて
息絶えし母の乳房に縋りつつ
    死にし幼らもありとききたり  奥野ハナ

   菅谷婦人会『白梅』第2号 1981年