武谷敏子の自分史ノート

埼玉県比企郡嵐山町女性史アーカイブ

『白梅』1号文芸欄 1980年

2010-03-15 06:56:00 | 『白梅』1号(1980)

          松本茂子
 山里は夕やみ深く静もりて
   梅ほのぼのと匂い来たれり

          奥野ハナ
 人柄の変りし如く風邪気味の
   我を気づかい休めといふ夫

          村瀬信子
 年毎に姿消しゆく山つつじ
  はつはつ芽吹く木洩れ陽の中

          伊東ときゑ
 撒く豆の空しく散れり息子(こ)等の部屋
   久に灯して鬼やらいなす

         加藤清子
 山頂の芽吹き明るく無住寺

   菅谷婦人会『白梅』第1号 1980年