taketake山旅日記

自閉的傾向を持つ重度知的障害者の長男と私の山歩きの記録

taketake山の会夏山山行で穂高岳に登る(北アルプス)7月30日~8月1日

2017年08月03日 | 北アルプス

 taketake山の会の夏山山行がやってきた。今年も場所は北アルプスで、山は穂高岳だ。春先から計画し、OB会の節田会長を通して今年も山小屋の個室利用をお願いした。コースがヘルメット着用推奨区域なことから、takeのヘルメット着用慣らし山行も二回行ってこの日に備えた。コースに長い鎖場のある奥穂高岳はtakeには難しいので、ザイテングラードを登り奥穂高岳の反対側の涸沢岳(3110メートル)をファイナルピークにした。


【7月30日】(天気)高曇り
    長野駅からの直通バスに乗って上高地バスターミナルに三人は11時到着した。なんと13年振りの上高地だ。持参の弁当を食べて出発準備、午後から雨の予報だったので雨具のパンツを着用して歩き出した。ほぼ平坦な梓川に沿った道を往き、明神で休憩した後は徳沢園も休まず横尾山荘に直行した。





 横尾山荘は最近改築したきれいな建物だった。お風呂にも入り、takeは10畳の和室でゆっくりとくつろいでいた。15時頃から小雨が降ってきたが、館内のディスプレイの天気予報は朝から一日快晴が表示されていていた。明日の好天を大いに期待して19時頃就寝した。
CT 上高地1130-明神1220~25-徳沢1312-横尾1410

【7月31日】(天気)快晴
5時の朝食を食べて出発、横尾大橋を渡って涸沢への道を歩き始めた。予報通り天気は快晴だった。takeはこの日の為に調達したヘルメットを着用だ。屏風岩が目の前に広がりアルペン的な風景となった。



 本谷橋の手前で休憩した後は、一気に涸沢ヒュッテまで歩いた。ヒュッテが見えてから先が長かったが、穂高連峰の景色も広がってくるのがうれしかった。takeは昼食のパンが気になり「パン・パン」と連呼しているうちにヒュッテのテラスに着いた。


 私は宿泊の受付と家人のヘルメットを借りた。一番大きなザックをデポしてから、テラスのテーブルでカレーパンとあんパンの昼食を食べた。takeの混乱を避ける為、今日の宿泊はこの場所だということはtakeには言わなかった。



 そしていよいよ涸沢岳への登りだ。目の前の涸沢小屋の裏手から高度を上げ、沢沿いのがれた道を登って行った。takeは苦手な岩ゴロ道で先行き予定の見通しがつかない状況で、岩を掴んだままフリーズしてしまった。私が無理やり岩からtakeの手を離そうとしたら自傷行為に及んでしまった。しばらく落ち着くのを待ってから、ザイテングラード(白出のコルへ続く岩尾根)の取付へのトラバース道を雪渓をまたぎながら進んだ。




 取付を少し登った平坦地で、スポーツ飲料をtakeに飲ませた。この頃にはtakeも落ち着いていた。ここからは岩稜を手を使っての登攀。takeも頑張って登りきり雪渓を踏んで奥穂高山荘の前(白出のコル)に立った。



 ここから涸沢岳は標高130メートルの登りだ。ゆっくりと家人がトップで登り12時5分にファイナルピークの上に立った。飛騨側から霧が吹き上がり、笠ヶ岳方面の展望はなったが、奥穂高岳、前穂高岳の展望は良かった。ジャンダルムの切り立った飛騨尾根は二十歳の頃登った数少ないバリエーションルートだ。




 記念撮影をして下山にかかった。下りは登りに比べて非常に危険だ。家人がトップでルート(岩にペンキで印されている)を確認して、takeの後ろに私がついて補助しながらゆっくりと下った。緊張感あふれる下りで、ザイテングラード下部の平坦地に着いた時はほっとした。takeは宿泊場所が気になるようで、下の涸沢ヒュッテを見て「やまごや」「おとまり」を繰り返した。


 涸沢ヒュッテに着いて三人部屋に案内していただいた。着いた時、売店にtakeの好みの飲料が見つからず不穏な雰囲気を漂わせたが、自販機で「なっちゃん」を発見して事なきを得た。
CT 横尾0531-本谷橋0645~50-涸沢ヒュッテ0832~0900-白出のコル1135~45-涸沢岳1205~13-涸沢ヒュッテ1525

【8月1日】(天気)高曇り
 今日は上高地に下るだけなので、朝もゆっくりとした。朝食後、ヒュッテのベランダで記念撮影をしてから昨日登った道を下った。takeに今日の予定として「お山歩いて、山小屋のお弁当を食べたらホテルにお泊まり」と繰り返し予定表を見せて伝えた。分かり易そうな予定だが、takeにはそうでなかったようだ。




 横尾大橋を渡り一昨日宿泊した横尾山荘を見た時から、takeの表情が強張った。行きの途中で幾つもの建物を見ているので、どれがホテルなのか混乱して不安な状況になったようだ。takeは横尾山荘の前を飛び跳ねるように走り抜けると固い表情のまま歩き続けた。



 徳沢園の前で、山小屋のお弁当を食べたが、徳沢園にも警戒感を持っているようで、食べ終えるとすぐ「行く」と言って歩き出した。「ホテル」「テレビ」と言う単語を頻繁に出ていた。takeにとって「山小屋」と「ホテル」の違いは部屋にテレビが有るのかホテル、無いのが山小屋となっているらしい。



 明神でスポーツ飲料を飲むのに休憩した他は早いピッチで歩き続け、正午前に河童橋に到着した。宿泊する西糸屋山荘山荘さんに無理なお願いをしてチェックインし、広い部屋に案内していただいた。takeは座り込んでテレビを点けてやっと安心したようだった。長い午後だったが、山行が終わった安心感からから、私はビールをちびちび飲んでひと時を楽しみ、takeも部屋をゴロゴロしながらくつろいだ。宿は国際的な観光地だけあって外国人客も多かった。takeお楽しみの夕食は宿のご好意で部屋食にしていただいたので、美味しい料理をゆっくりと味わうことができた。
CT 涸沢ヒュッテ0616-本谷橋0745~50-横尾0843-徳沢0940~1010-明神1058-河童橋1146



【8月3日】快晴
6時前に私一人で河童橋付近を散策した。岳沢からの前穂高岳から奥穂高岳が朝日に輝いているのを眺め、部屋に戻った。朝食をいただき9時前に宿を出てバスターミナルへと向かった。新島々行のバスに乗り大正池あたりで車窓の後ろを見ると穂高の稜線がまだ見えた。「省みすれば遠ざかる~」という若い時に歌った穂高の歌を思い出した。

【涸沢の花】

 

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