よろず戯言

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テルマエ・ロマエ

2012-06-29 23:07:56 | 映画

休みを利用して、阿部寛 主演の映画、

“テルマエ・ロマエ”を観てきた。

この意味不明なタイトル、ラテン語で、“ローマの風呂”という意味だそう。

 

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自分は映画を観に行った際に、

劇場内にたくさん並んである、公開前の映画のチラシを持ち帰る。

B5サイズで統一された映画チラシ、デザインが多種多様で面白い。

ジャンルや洋画、邦画問わずに色々とファイルしてコレクションしている。

  

チラシは当然のことながら、興味を引くようにデザインされているものがほとんどで、

洋画のアクション映画などは、キャッチフレーズなども明朗だったりするのだが、

たまに奇をてらったような、シュールな構成のものもある。

このテルマエ・ロマエも、阿部寛が銭湯の のれんをめくっているだけで、

チラシをパッと見ただけでは、何のことやらさっぱり。

どこの言葉だか判らない意味不明なタイトルも手伝って、シュールさが増幅されている。

そんなシュールなチラシも、裏にあらすじが書かれてあるのだが、

裏を見ずに、スルーして、そのままファイルにストックしてしまっていた。

 

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つい最近、ネットだったか週刊誌だったか、この映画の記事を見つけた。

「この映画、あの阿部寛の訳解らんチラシのヤツじゃん!」と、思い出した。

ローマ帝国の人間が、現代日本の銭湯にタイムスリップ・・・。

なんだこれは! 面白そうじゃないか!

例のチラシよく見ると、阿部寛の格好は古代ローマのそれっぽいし、

銭湯の のれんの向こう側には、古代ローマの建造物が見える。

これは観に行かねば!! 

・・・と思い立って、観に行った。

 

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2世紀初頭の古代ローマ帝国。

テルマエ(風呂)設計技師の、ルシウス(阿部寛)は、

人一倍 テルマエを愛するが故に、古き良きテルマエの設計に勤しむ。

だが時代は移ろい、彼の設計は受け容れられなくなり、とうとう職を失ってしまう。

 

意気消沈して悩むルシウスを、親友のマルクス(勝矢)が、

元気付けようと、公衆浴場のテルマエに誘う。

客であふれ、活気に満ちたテルマエだが、浴室内で格闘技を楽しんだり、

物品の販売をやっている商人も居れば、脱毛などのサービスをやっている者、

湯船で泳いだり、騒いだりする者も・・・。

 

本来のテルマエとは、人の疲れを癒しリラックスさせるもの。

静かに、ゆっくりと楽しむもののはずだ!

・・・・。

喧噪のなか、浴槽の隅っこで、深く考え込むルシウス。

周りのあまりのうるささに我慢できず、とうとうお湯に潜って考え込んでしまう。

湯の中で、ふと見ると浴槽にひび割れを見つける。

テルマエ技師の彼が、浴槽の損傷を気にしないわけがなく、

そのひび割れに近寄り、思わず手を伸ばす・・・

すると、激しい水流とともに、ルシウスはひび割れに飲み込まれてしまう。

 

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なんとか溺死せずに水面に飛び出すことができたルシウス。

だが、そこはさっきのローマのテルマエとは違う!!

周りには、見たこともない平たい顔をした人間たち(日本人)が、解らない言葉を喋る!

そこは現代の日本の銭湯。

彼は古代ローマのテルマエの浴槽のひび割れから、

なぜか現代日本の銭湯へとタイムスリップしたのだ。

 

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そして彼が驚愕したのは、そのテルマエに備えられた便利な道具の数々。

洗面器,鏡,富士山の壁画,ポスターにまで驚愕する。

そして、目の前の平たい顔族の中年男に差し出された

フルーツ牛乳を飲んだとき、中年男が高らかに笑い出す。

属国の民衆にバカにされていると勘違いし、悔しさのあまり涙を流す・・・。

 

ふと気が付くと・・・彼はローマのテルマエに居た。

心配そうに、彼の名を呼ぶマルクス。

どうやら浴槽で溺れていたのだという。

さっきの平たい顔族のテルマエで見たこと、触れたことは夢だったのか!?

だが、彼の手にはしっかりと、フルーツ牛乳の瓶が握られていた!

 

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ルシウスはさっそく、平たい顔族のテルマエで見てきたものを、

自身の設計したテルマエに取り入れる。

洗面器に、鏡,ベスピオ火山の壁画に、フルーツ牛乳!

彼の斬新なアイディアは、瞬く間にローマで評判になり、

その話題は、時の皇帝、ハドリアヌス帝(市村正親)にまで届く。

ある日、彼の元へハドリアヌス帝の側近、アントニヌス(宍戸開)が訪ねてくる。

皇帝がお呼びだと告げ、宮殿へと連れて行かれる。

 

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皇帝直々に、専用のテルマエの設計を依頼されるルシウス。

重大な依頼のプレッシャーに、またも深く悩む。

すると・・・またもタイムスリップして・・・・現代日本の風呂へ――。

 

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幾度となく、古代ローマと現代日本を往来するルシウス。

その都度、現代日本の風呂で見たものをヒントに、

古代ローマでそれをテルマエに応用して、名声を上げ皇帝からの信頼も得ていく。

自分自身のアイデアでないことに葛藤を抱きながらも、

彼はやがて、ローマ帝国の史実に関わる重大な任務に就くことに!

現代日本で出会った温泉旅館の娘・真実(上戸彩)と共に、彼はその重大任務に挑む――。

 

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なかなか面白かった。

最初はコメディ一色だったものの、皇帝が登場しシリアスな場面も出てきて、

後半、次期皇帝候補のケイオニウス(北村一樹)とひと悶着あって、

史実に関わり始める辺りでは、わりと壮大な物語に変貌している。

 

阿部寛は言うまでもなく、彫りが深く顔が濃く、そのうえ長身なので、

ノーメイクで古代ローマ人に扮しても、何の違和感もない。

そして、クソ真面目にコメディをやらせたら、もはや彼を超える役者は居ないかもしれない。

それ以外にも、ハドリアヌス帝の市村正親、ケイオニウスの北村一樹、

アントニヌスの宍戸開に、マルクスの勝矢。

よくもまあ、これだけの濃い顔の役者を集めたものだ。

イタリアの映画ロケ専門施設で、現地エキストラと共に撮影されたそうだが、

その現地の方と並んでも遜色がない。

 

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上戸彩、映画での演技を見たのは初めて。

というか、韓国ロッテと、韓国ソフトバンクのCMばっかで、

彼女が出演しているドラマも見たことがなかったので新鮮だった。

途中、明らかに おっぱい詐称しているシーンがあったな・・・。

あと、今放映中のソフトバンクのCMが、これとリンクしているんだとやっと判った。

武田鉄矢はよく解らんが・・・。

 

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それから、現代日本の平たい顔族の面々・・・。

地味で名前も出てこないけれど、よく見かける、いぶし銀のシニア俳優さん達ばかり。

こっちもまた、よくもまあ これだけ小さい目で平たい顔の人ばかり集めたもんだ。

しかし平たい顔族のなかで、竹内力だけは異彩を放っていた。

この人はどっちかというと、濃い顔の方だろう!?

それにしても、ドラマ、“天までとどけ”のときは、

ヒロインを射止める爽やかな青年だったのに、どうしてこうなった??

 

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原作はアメリカ在住の漫画家、ヤマザキマリ氏のコミック。

シリーズ累計500万部の大ベストセラーらしいのだが、自分は全然知らなかった・・・。

原作の方も興味あるけれど、まあいいかな・・・。

 

見終わった後に、無性に風呂に入りたくなる。

この映画館から自宅までの間に、いくつか温泉施設がある。

ちきしょう・・・着替えとバスタオルを用意しておくんだった。

ちょうどこの日は、蒸し暑くって、じんわりと汗ばんでいた。

こんな日に温泉でさっぱりすりゃ、さぞ気持良かったろうに。

 

それにしても久しぶりに映画を観た。

観たい映画がなかったわけではないが、

思うように時間がとれず、なかなか行きだせなかった。

7月に入ると、8月中頃まで夏の繁忙期に突入する。

クソ暑い真夏の忙しさの前の、いい骨休めになった。

 

温泉か銭湯に行って、ゆっくりと大きな湯船につかりたい。

のぼせるまでつかりたい。

そして、風呂あがりには、パンツ一丁で腰に手を当て、

のけぞりながらコーヒー牛乳を一気飲みするのだ。

 

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イタリアと日本は世界でもトップの温泉大国らしい。

で、共に、風呂を愛する民族だそうな。

 

 



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