武産通信

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老年の品格

2017年08月13日 | Weblog
 曽野綾子女史の夫にして作家の三浦朱門が随筆『老年の品格』で、人種問題などをプラクティカル・ジョーク(現実的な冗談、笑いごとではない冗談)で切り込む。

 アメリカの大統領に…
 明治元年、明治天皇は五箇条の御誓文を宣言している。その三年前にアメリカでは南北戦争がが終わり、奴隷制度が廃止になった。
 湾岸戦争がはじまって、ブッシュ大統領が、日本だって敗戦によって民主主義国家になった、と言った時、
 「そうです、アメリカは先進国です。日本が議会主義、人間の平等を宣言する三年も前に、奴隷制度を廃止したんでしたっけね」
 また「アメリカも日本を七年も占領して、戦前から日本国民が平等であることに気づいて、アメリカでも白人、黒人が一緒にレストランで食事ができるようになったんでしたっけ。1970年ころ、ベトナム戦争のころでしたか、イラクではイスラム教とキリスト教徒は一緒に食事ができない? そうそう、イスラム教徒はブタを食べないんでしたっけ。つまりイスラム教徒にブタを食べさせるのが、今度の戦争の目的?」

 中国の役人に…
 「いや、日本の自民党も、いかにも大企業を助けるような顔をしていますが、政党の力の半分は、割合からいうと、十数パーセントすぎない農民を利用しているんですわ。毛沢東先生のやり方を学んでいるんでしょう」
 「いやー、おタクも達者なものですなあ、千年前の私たちの先祖も、おタクの漢字文化を拝借してとにかく高級な文明をつくったし、それを基本に日本文字もつくった。のみならず西欧と接触した時も、漢字文明を利用して、ヨーロッパの近代文明を翻訳した。そういう私たちも達者ですが、おタクの近代化を見ていると、やはり、同じ東洋人ですなあ。うまいこと、日本の成果を自分の物に利用する。お互い、マネと改良はうまい。これは世界に誇るべき能力だ」

 韓国に…
 「お宅の地下鉄も、今や世界一といわれる電化製品のサムスンも、自動車のヒュンダイ、製鉄のポハンも、日本の技術が育てた育てたものですけれどね。日本にも千三百年前に百済だか新羅だか知らないけれど、寺社建築の技術者の集団が来ましてね。それまでの日本の建築は伊勢神宮のようなものでしたが、五重塔などを造るようになりまして、とにかくお宅から学んだ技術でできた唐招提寺など、今でも国宝の名建築ですわ。
 その技術者の集団は日本人になったのですが、その組織が今でも金剛組と言いましてね。創立から千何百年になりますか。世界一古い企業でしょう」

 捕鯨国日本の仲間の国に…
 「いや、百五十年ばかり前、アメリカが日本に開国を迫ったのは、つまりアメリカの捕鯨船に水を供給する港を造れ、ということだったんですよ」

 反捕鯨国オーストラリアの担当者に…
 「おタクは経験豊富だから伺いたいんです。つまりタスマニア島の原住民を、お宅は全滅させましたね。しかし西北には約七万人の原住民が残っている。その歴史を教えていただけませんか。つまりクジラもどの程度とれば全滅するか、どの程度でやめれば、種族の保存が図れるか、歴史的資料があれば、ぜひともお教えいただきたい」
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