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太公望とチャーチル(2017/5/18)

2017-05-18 17:31:15 | Weblog
太公望呂尚(りょしょう)は、東海のほとりの人である。・・呂尚は、察するところ困窮をかさねて老年に達した。魚釣をして、周の西伯(のちの文王)の知遇を求めた。西伯が猟に出ようとして、卜うと、「獲物は、竜でもなく、蛟(みずち)でもなく、虎でもなく、羆(ひぐま)でもなく、覇王の輔者たるべきものである」とでた。西伯は猟にでて、はたして、呂尚に渭水の北岸で遭った。語り合ってみると大いに喜んでいった。「わが太公(亡父)のころより、『聖人があって周にくる。周はその人を得て興隆するだろう』といわれているが、あなたは、真にそのひとだ。わが太公は、あなたを久しく待ち望んでいた」それ故に呂尚を号して太公望というのである。(平凡社 司馬遷 史記上344頁)

1931年から1935年の間、公的な問題への懸念を別にすれば私個人にとってはきわめて楽しい時期だった。・・実際私は手から口へのやっとの生活を送っていた。・・このようにして私は朝から夜中まで、退屈することもなく怠ける時間もなく、幸福な家庭に囲まれて自分の屋敷の中で平和に暮らしていた。(W.チャーチル 第二次世界大戦 河出文庫第1巻70頁)

(史記の太公望の記述は、ゆったりとしている。老年まで釣りをして、表舞台から離れて暮らしている(72歳と言われている)。3100年前の話。イギリスの首相チャーチルも60歳前後の4年間、政治の一線から離れ、手から口への生活を楽しんでいる。二人の記事を読んでいると、二重写しになる。太公望は文王の知遇を得て、武人として暴虐の殷の紂王を滅ぼし、チャーチルは世界をあわや征服しかかった独裁者のヒトラーを倒した。二人ともよい理解者を得ている。太公望は文王、チャーチルはアメリカのルーズベルト大統領。老いて貧乏しても二人とも平和にくらしている。そのあとに始まった華々しい傑出したリーダーとしての活躍より、この老いて貧乏し平和に人生を楽しむ姿がまぶしい。太公望と文王の出会いを読んだ川柳「喰いますかなどと文王そばへ寄り」も楽しい。takeda)

参考:
(live) from hand to mouth その日暮らしで 食料を蓄えることもなく、道具も使わず、手から口にすぐ入れてしまうほど空腹な生活。 チャーチルは1929年の世界恐慌で破産して困窮したとのこと。
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