教育PCMガイドブック

学校現場の問題解決法である教育PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)を紹介する。

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Ⅲ 実施 (DO) PHASE 3

2005-10-31 16:31:46 | Weblog
Ⅲ 実施 (DO) PHASE 3
                       
(1) 単元・年間学習指導計画案への活用
計画・実施はするが評価が重視されていない学習指導計画案が多く見受けられる。そこで,ログフレームを学習指導計画案の形式とし,指標・指標データ入手手段などを記入し,計画重視からより成果重視した新しい指導計画案を作成する。これが,成果重視の学校経営・授業展開につながる。

(2) 学年主任による学年経営への活用
年度計画を学年担任団による参加型計画手法でおこない,期間を入学から卒業までの3年間としたプロジェクトで考える。年度終了時に,モニタリングなどを行い,評価規準を中心に修正を加え,最終的に学年目標である“生徒の進路実現”を目指す。このような明確な計画,実施が学年経営の評価につながると同時に,保護者への説明責任も果たすことができる。

(3) 体験的教育(ものづくり)への活用
ものづくり学習は,得た知識や理論を実践させることにあり,生徒に喜びや達成感を味わわせ,日常の学習では得にくい驚きや感動をもたらすことを目的としている。同時に失敗も多く,時には挫折することもあり,指導者(教師)はその挫折を前向きに捕え,諦めずに最後まで進む勇気と方法を支援していくことが必要になる。しかし,この学習における指導法は特に定まった形態は取られておらず,ただ,指導者の経験をもとにした指導が繰り返されてきた。よって,指導者の力量により学習の質にバラツキが生じている。この分野に,教育PCM手法を活用し,問題の起こる要因を分析し,明確な計画を提示すればより効率的な体験的教育(ものづくり)が実現できる。

(4) キャリア教育の推進
今日の厳しい経済情勢や産業,経済及び雇用の構造的変化に伴って,「学校教育と職業生活との接続」ないし「学校から職業への移行」は,極めて困難な状況にある。その大きな原因は,就職,就業をめぐる環境の変化である。企業はコスト削減や経営の合理化を余儀なくされ,製造部門の海外移転をはじめ,営業・販売部門等の再構築や,それに伴う雇用調整等を進めている。採用においては,即戦力志向の高まりや業務の高度化に伴って,経験者採用や中途採用,正規雇用からパートへの切り替えが,広い範囲にわたって進められている。このような動きに伴い,求人は著しく減少し,様々な問題が投げかけられている。この分野に教育PCM手法を活用し,インターンシップおよび進路達成のための授業計画に活用する。これによりキャリア教育の戦略を立てる。

(5) 教員評価システムの構築
今日の学校には,特色ある学校・開かれた学校づくりが求められている。時代に沿った新しい学校づくりに向け,教員には,資質能力のより一層の向上を図り,それを最大限に発揮して学校運営に積極的に参画することが求められている。そのためには,各教員が,学校教育目標の下,それぞれの個性を生かしながら組織の一員としての責任を果たすことを支援する新しい仕組みが必要になる。このような中,教育分野では教員評価システム化が推進されている。ここで重要になるのが,教員(本人)の納得できる評価である。この手法を用いて,参加型による計画・評価の一貫したシステムを構築すれば,本人の改善を目的とした信頼できる評価システムが構築できる。

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Ⅱ-7 活動計画表(STEP 7)

2005-10-27 08:26:54 | 参加型計画手法

上図はログフレームから活動計画表へ

Ⅱ-7 活動計画表(STEP 7)
活動計画表は,活動・スケジュール・投入・予算などを記入し,プロジェクト実施のための詳細な活動の計画表を作成する作業である。ログフレームには主な活動のみが記入されるためログフレームだけで活動を実施管理していくことはできない。そのため,活動をより管理しやすい事項に分解し,計画を立てる。

活動計画表の内容
① 活動      : ログフレームに記入された活動および分解された事項
② 期待される結果 : 活動の指標(目標値)あるいは中間指標など
③ スケジュール  : 活動の実施時期(バーチャートなどの活用)
④ 活動実施者   : 活動を直接実施する個人およびチーム
⑤ 資機材     : 活動を実施するために必要な資機材,およびその調達スケジュール
⑥ 経費      : 活動を実施するために必要な経費 ログフレームから活動計画表へ

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Ⅱ-6 ログフレーム審査(STEP 6)

2005-10-26 13:57:52 | 参加型計画手法

上図はログフレームから評価5項目へ(例:数学IT推進化プロジェクト)

Ⅱ-6 ログフレーム審査(STEP 6)
プロジェクト計画のチェックを行い,作成されたログフレームが妥当なものかを検討する。これは,評価5項目について行うのが一般的である。

ログフレーム審査の方法
 ① ログフレームの各項目の内容と項目間の論理性を検討する。
 ② ログフレーム作成に至る過程のチェックを行う。
 ③ 評価5項目の観点からの確認をする。

評価5項目の評価規準から計画時のログフレームを審査する。計画の中にその概念が充分に反映されていない場所はログフレームを修正する。

事前評価報告書
事前評価の場合は,評価結果を含むプロジェクト・ドキュメントを作成した上で,それらの情報を取りまとめて「事前評価報告書」を作成し,広く情報を公開する。

事前計画報告書作成の留意点 
 ① 保護者・地域の人々などに一般向けの公開も行うので,分かりやすい用語を使用する。
 ② 可能な限り,定量的な目標値を記入する。
 ③ 重要な目標値や背景となる数量については,可能な限り,表やグラフを用いる。
 ④ 簡潔な表現を心がけ,最大でも5ページ程度にまとめる。

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Ⅱ-5 ログフレーム作成(STEP 5)NO.2

2005-10-25 09:26:46 | 参加型計画手法

上図はワークショップからログフレーム作成の手順である。

Ⅱ-5 ログフレーム作成(STEP 5)NO.2

(1) プロジェクト要約

プロジェクトが有する複数の目標を階層別に表示した列である。プロジェクトのインパクトを示す「上位目標」,プロジェクトの直接目標を示す「プロジェクト目標」,プロジェクトの戦略を示す「成果」,主要な活動を示す「活動」からなる。プロジェクト選択で採択された目的系図の【手段-目的】の構成をそのまま移行し,さらに追加・削除等の修正を加えて作成する。
*上位目標はSTEP 3で示された「中心目的」になる。学校経営においては,教育目標になる場合が多い。*目標はSTEP 4で示された「選択されたアプローチ」になる。

(2) 指 標
「プロジェクト要約」に記入された各目標がめざす目標値である。各目標の定義でもある。指標は具体的で,客観的に検証可能でなければならない。そのためには,指標に以下の要素をもれなく盛り込むことが望ましい。

時間       : いつまでに
場所       : どこの
グルー プ    : 誰の
データの種類 : 何が
質          : どのような質で
量          : どれだけ

(例)単元(数学:2次関数)の授業終了時に,センター試験の過去問題(数学Ⅰ:2次関数の問題)をおこない,全国平均より学校平均が5%以上になる。

(3) 指標データ入手手段
指標を検証するための情報の入手手段である。プロジェクトの内外で作成された統計資料・調査記録・報告書やどのようなタイトルの資料かを明記する。必要な情報が存在しない場合は,プロジェクトがデータを収集・整理しなければならない。その場合は,データの収集・整理をプロジェクトの「活動」(ログフレームの欄)として明確に位置づける必要がある。データの収集・整理には,労力がかかるため採用には充分な検討が必要である。

(4) 外部条件
外部条件とは,
  1)プロジェクトの成功のために必要だが,
  2)プロジェクトではコントロールできず,
  3)満たされるかどうか不確かな条件をいう。

「プロジェクト要約」の列に記入されたある目標が達成された上で,さらにその上位の目標が達成されるために必要な条件のことである。 外部条件が満たされなかった場合,プロジェクトの成功がおびやかされることになるため,外部条件はプロジェクトにとって,外部リスクとなる。したがって,プロジェクト実施中は,外部条件が満たされるかどうかを常にモニタリングする必要がある。  

たとえば,授業に関するプロジェクトでは次のようなものが考えられる。
① 文部科学省,県教育委員会の方針が変更され,教育課程の見直し,「総合的な学習の時間」の廃止・   縮小などが行われる。
② 授業において,ADHD症候の生徒が在籍し,授業進度が妨げられ,プロジェクトの進行が遅れる。

「プロジェクト要約」の列に示される各目標は,目的系図と同じ「if-then」の論理を構成している。下位と上位の目標をつなぐために,必要な外部条件を加えることによって,ログフレームの論理は,「if-then」の論理から,「if-and-then」の論理へと拡大される。

縦の論理
外部条件はプロジェクト要約の部分と論理的な関係で結ばれている。プロジェクトは,まず前提条件が満たされた後,投入を用いて活動が開始される。また,活動が行われれば,成果が達成されるが,活動と同じレベルに外部条件があれば,その条件が満たされて始めて成果が達成されることになる。この関係は上図の矢印で示され,ログフレームの「縦の論理」と呼ばれている。

(5) 前提条件
プロジェクト開始の前提となる条件である。この条件が満たされなければ,プロジェクトは開始できないことになる。

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Ⅱ-5 ログフレーム作成(STEP 5)NO.1

2005-10-24 11:44:32 | 参加型計画手法

上図はログフレームの説明      
(○は作成順序を示す)

Ⅱ-5 ログフレーム作成(STEP 5)
PLAN
プロジェクトの目標・成果・活動・投入・リスクなどの情報をマトリックスに記入する。この17個の欄は相互に関連しているため,ひとつの欄の内容変更は,通常,他の欄の内容変更につながっていく。作成準備は,次の番号順に行えば,効率的である。           

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Ⅱ-4 プロジェクト選択(STEP 4)

2005-10-13 12:14:34 | 参加型計画手法

上図はプロジェクト選択の例 (数学IT推進化プロジェクト)

Ⅱ-4 プロジェクト選択(STEP 4)
プロジェクト選択は,複数のプロジェクト案を識別し,それらを比較することによって,実行プロジェクト案を採択する作業である。目的系図をみると,いくつかの【手段-目的】の枝葉が階層構造を持ったグループを形成し,プロジェクトの原型をなしている。プロジェクト選択は,これらのグループを線で囲み,アプローチの名称をつける。

プロジェクト選択の方法
① 目的系図の中で,プロジェクトの原型を構成している枝葉を確認し,線で囲む。
② 線で囲ったグループそれぞれに関して,それらが目指す目的と戦略を確認する。
③ プロジェクトのアプローチとして不適切なもの,実施困難なものを対象から除く。
④ 残った代替案を比較するための比較基準 * を選ぶ。
⑤ 比較基準を用いて,アプローチを比較検討する。
⑥ プロジェクトとして採択するアプローチを決める。

* 比較基準の例 ・生徒/保護者のニーズ  ・政策的/経営的優先度  ・必要な資源(リソース) ・費用 ・目的達成可能性  ・リスク ・予想される負の影響 ・その他

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Ⅱ-3 目的分析(STEP 3)

2005-10-12 14:47:12 | 参加型計画手法

上図は目的分析の例 (数学IT推進化プロジェクト

Ⅱ-3 目的分析(STEP 3)
目的分析は,問題が解決された将来の望ましい状態と,その状態に導くための【手段-目的】の関係を,分かりやすいように樹形図(目的系図)にまとめる作業である。先の問題系図に表わされた望ましくない状態を,問題が解決された望ましい状態に書き換え,さらに,その状態に導くための具体的な手段を考える。
目的系図では,問題が解決された望ましい状態(目的)を上に,その状態を達成するための手段を下に配置する。系図に示されたひとつの目的は,上位の目的を導くための手段でもあり,同時に,下位の手段によって導かれる目的でもある。言い換えると,目的系図の上下の関係は,もし(if)下位の手段が達成されれば,それによって(then)上位の目的が達成されるという,「if-then」の関係にある。
(具体例)もし,授業のポイントを絞れれば,わかる授業が行われるだろう。


目的分析の方法
① 問題系図に示された望ましくない状態を,(*)問題が解決された望ましい状態に書き換える。書き換える際には,それが真に望ましい状態か,実現可能か,必要十分か,を確認する。
② 必要に応じて,目的を変更し,手段を追加する。不要な目的を削除するなどの修正を加える。
③ 出来上がった問題系図の【手段-目的】の関係を再度,確認する。
*一般的に,目的分析(・・・である。)は問題分析(・・・でない。)の肯定的な内容になる。

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Ⅱ-2 問題分析(STEP 2)

2005-10-11 09:04:52 | 参加型計画手法

 上図は問題分析の例 (数学IT推進化プロジェクト)

Ⅱ-2 問題分析(STEP 2)

問題分析は,現状における問題を【原因-結果】の関係で整理し,分かりやすいように樹形図(問題系図)にまとめる作業である。問題系図では,原因となる問題を下に,その結果として生じている問題を上に配置する。系図に示されたひとつの問題は,上位の問題を引き起こす原因でもあり,同時に,下位の問題によって引き起こされた結果でもある。

 (具体例)* [授業のポイントが絞れない](原因)から[わかる授業が行われていない](結果)である。

問題分析の方法

① 現状における主要な問題を列挙する。

② 問題系図作成の出発点となる中心問題 * を決める。

③ 中心問題の直接的な原因となっている問題を中心問題の一段下のレベルに並列に配置する。

④ 中心問題が直接的な原因となって引き起こされている問題(結果)を中心問題の一段上のレベルに並列に配置する。

⑤ 問題を【原因-結果】の関係で整理しながら,系図を上下に発展させる。

 * 中心問題は,中心問題のレベルを高く設定すると分析範囲は広くなり,低く設定すると分析範囲は狭く   なる。分析したい範囲が漏れなく,無駄なく,カバーされるような中心問題を設定する。

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補足図2

2005-10-05 10:03:12 | 概要(PCM手法)
PCMワークショップの進行
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補足図1

2005-10-04 11:12:35 | 概要(PCM手法)
ログフレームと各サイクル
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