OLD FASHION

いろいろなことを…

こがらし・えれじぃ

2017-04-21 01:04:12 | 日記
少し呑んだあとの帰り道、新宿CDショップを歩いていたら、加川良のコーナーに『’71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況』の再発CDがあって、そういえばこれを持っていなかったと、購入した。

先日亡くなった加川良のコーナーには、『教訓Ⅰ』などいくつかのアルバムが面だしされていた。
自分の、人生で初めて買った「日本のフォーク」のアルバムが、『教訓Ⅰ』だった。中学生のころのこと。
加川良が公園を走っているというジャケットが、なんか、不思議な印象を残した。
表情が分からないくらいブレているのも気になった。
詩の世界、音、そして「うた」も、どこかすっぽ抜けた印象で。
それまで聴いていたポップ・ミュージックにあった、「かっこつける」という意識が何も感じられなくて、「逆に~」なんていう言い回しもなかった当時、こうゆう存在感もありなんだと、繰り返し聴いていると、すうっと色々なものが楽になっていくような気分になった。
ここ最近、加川良の訃報をうけてSNSなどで「教訓Ⅰ」が、いまという時代に切実に響くと書いている人をよく見かける。
だけども、自分の身近なところに目をむけてみると、「教訓Ⅰ」以上に、より切実に響くのは、「求めます」だったりするのだけど。

さて、紙ジャケで再発された『’71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況』。これ、存在だけはもう何十年も前から知っていた。
でも、買ったのは、はじめて。
というか、ずっと再発されなかったのだ。『’71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況』は。
オリジナルは、URCというレーベルから発売された。
URCといえば、加川良の幾つかの作品、そしてこのアルバムに収録されている斉藤哲夫や三上寛、さらに高田渡に遠藤賢司に友部正人に岡林信康になぎらけんいちに、でもって はっぴいえんど……もう何というか、名前を書いているだけでわくわくするような、その代表曲が次々と聞こえてくるような、70年代の邦楽好きにはたまらないアーティストの作品を出していたレーベルだ。
で、そのタイトルの数々は、これまでアナログ盤、CDなどで、けっこう再発されている。
それなのに、『’71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況』は2013年、今回の紙ジャケが再発されるまで、一度もCDになったことがなかった。
何か、理由があったのだろうか。
このアルバム、とにかくジャケットがかっこいい。
目を引く橙色のバックに「’71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況」「1971年8月7日、8日、9日」「加川良 斉藤哲夫 三上寛」と最低限の情報がぶっきらぼうに記され、一枚の写真、加川良がどこかの講堂の入り口かどこかで、不敵な表情でどこを見るとでもなく座った写真が添えられている。
愛想よく語りかけてきたりはしない、ただそこにいるという面持ち。
アルバム通して聴いたのは今回がはじめてだったけど、ただ、音源だけでいえば、アナログ盤ではB面すべてに入っていた三上寛の7曲は聴いていて、それもかなり愛聴していた。
これは、あまり書いていいのか分からないけど、とあるレンタルショップで、過去の名盤をテープに録音して貸す(それも無料)ということをやっていて、それで聴くことができたのだ。『頭脳警察ファースト』も、最初はそれだった。
ついでに言うと、三上寛のライブアルバム『コンサート・ライブ1972 零弧徒』というライブアルバムがあって、これも『恣意泥』として一度だけ再発されただけ。これ、好きなんだよな。

『’71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況』に話を戻して。
ボーナストラックで、加川良の二曲が追加されていた。
「こがらし・えれじぃ」が入っているのが嬉しい。
『真田風雲録』の福田善之が原詩でクレジットされている。
福田善之は、『こがらし・えれじぃ』というタイトルのテレビドラマの脚本も書いていたらしいのだが、その関連性は、不明。
五つの紅い風船の西岡たかしが、その詩に手を入れ、作曲も担当。
かっこつけない と上に書いたけど、これはちょっと違う。
ある種の衒いがある。それが加川良の歌唱と相まって、なんともドロッとした個性の叫びがあふれだしてくる。
詩の中には、ところどころ時代を感じさせる単語も出てくるのだけど、時代に対峙する個性、その強度が、時代を超えた普遍性を獲得していて、はじめて聴いたときからもう二十年以上経つんだけど、今回もまた、はじめて聴いたときのように、ざらざらと響いてきた。
フェイバリットというわけではないけど、ときどき帰ってきたくなる音楽。
あ、あとこれはライブヴァージョンということもあって、唄う前のMCも収録されているのだけど、これがまた、茶目っ気たっぷりというか、面白かったです。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« バルチック | トップ |   

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。