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緑の洞門を壊して、市民は何を得るのか!

2016-04-03 09:22:22 | 日記
緑の洞門を壊して、市民は何を得るのか

2月議会において、陳情39号「円覚寺境内境界北尾根を『国指定史跡円覚寺境内』に追加指定することについて」が、
教育子どもみらい常任委員会に付託されました。
審議の結果、多数挙手により採択(竹田:賛成)されましたが、本会議において、少数否決となりました。

陳情の趣旨は、「そもそも『国指定史跡円覚寺境内』が指定された理由は、国重要文化財『円覚寺境内絵図』に則る、
となっている。今開削が予定されている緑の洞門(北鎌倉駅裏トンネル)を含む岩塊は、この『円覚寺境内絵図』に描かれている。
更には保存管理計画書に『可能な限り史跡の追加指定をしていく・・・』と書かれている。
よって、追加指定のための調査を行うことを求める」というものです。

市の担当者の説明では、この洞門を含む岩塊が、確かに円覚寺結界を表す尾根の部分ではあるが、
横須賀線開通(明治22年)で、先端部分が大きく削られたため、文化財として保護する価値がないと判断して、
昭和42年、国指定史跡に含まれなかった…とのことだった。
しかし、どれほど大きく破壊されたのか、それは正確に証明されてはいない。

そこで、4月1日午後4時より、市文化財部部長・次長・課長3名と、日本考古学協会員・鶴見大教授・市民団体の4名による意見交換会が行われることになった。
鶴見大学の伊藤先生は、国土地理院に出向き入手された地図5枚をもとに、
「尾根の先端が大きく削り取られたとする市側の主張は認められない」と述べられた。
それに対して、文化財部部長から、「同じ時期に作られた地図でも異なるものがあり、地図の信ぴょう性が低い。」
「円覚寺結界としての残り具合が分からない中、開発規制をかける価値があるのか、否である」との意見が出された。

そこで、伊藤先生から「切られているのだから、史跡としての価値がないというならば、
それを証明するのは市の仕事ではないか」との反論。
市民団体・傍聴者から、「工事の中止」「事前調査」を求める声が挙がる中、
部長から、「市は全体で動いている。予算も議会で可決された。皆さんのご意見は仮説として受け止める。
市長に皆さんのご意見を伝えます…」と述べて会は終わった。

一時間以上に及ぶ意見交換会であったが、明らかになったことは、
市側の主張する「岩塊が大きく破壊されている」という根拠があいまいであるということである。

今回の意見交換会で、鎌倉市文化財部として説明責任を果たしえなかったにもかかわらず、
「予算が通ったから、市全体でで動いていることだから」と、述べるに及んで、
「文化財部とは何をすることが、仕事上の使命なのか」との疑念が残り、何とも腑に落ちない気持ちであった。

以下に、この間、日本トンネル協会に委託された検討会委員であられた、
早稲田大学小泉教授のメッセージを掲載させていただきます。(当日紹介されたもの)

私は日本トンネル技術協会に委託された本検討会の委員であったため,メッセージを出すにはかなりの抵抗があります.
しかし,今まで参加した委員会の中でも,この委員会の結論には何となくすっきりしないものがあります.
「結論ありき」の委員会も多くありましたが,これほど明確な委員会はほかになかったように感じています.
「何を目的に道路を拡幅するのか」が,解けない謎です.どのようなものでも一度破壊してしまえばもとに戻すことはできません.
現状の洞門は少し手を入れれば安全性を担保できると思われます.しかも,景観に配慮した補強方法も十分に考えられます.
開削はいつでもできます.本当に保存できないかどうかを再度検討されることを望みます.

早稲田大学理工学術院教授 小泉 淳


文化財部は、文化財保護の立場で、科学的な論拠を持って、仕事を果たすべきである・・・と思うのだが
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