チャオプラヤ河岸の25時

ビジネスマンの日記帳

韓国投資の愚

2017-04-20 19:55:29 | インポート
 北朝鮮を巡る情勢、現在は心理戦、謀略戦の真っ最中だ。何が真実なのかは単一の情報ではとても把握できない。トランプは大艦隊を派遣したと発表したが、空母カールビンソンは朝鮮半島には直行せず、最初の危機とされた15日にインド洋に居たことが確認された。半島沖に到着するのは来週半ばとされている。
 米中会談の結果、先ずは中国が圧力を強め北朝鮮を協議に出させるよう努める、その時間的猶予は作る、といった合意が出来上がっている模様だ。過去、最も北朝鮮への軍事力行使に反対してきた国は韓国である。その韓国が当事者能力を失っている現在、アメリカの軍事オプションが起動する可能性はかつてなく高い。戦時となれば、韓国軍の統帥権はアメリカが持つことになっている。だが韓国に極左政権が誕生する5月以降の軍事オプションは手枷足枷の中、意味をなさない可能性が高くなるからだ。極限の軍事圧力を掛けながら中国による説得の成果を待つ、なお核実験に踏み切るなら斬首作戦とスポット空爆に踏み切る、という二段階戦略が起動しているのだろう。
 カールビンソンの日本海への回航が25日頃だとすると、空母ニミッツの現在地が気になるところ、だが、情報戦のさなかにマスコミにリークされる情報はほとんどが意図的なフェイクになって当然、誰にもその居場所の真相は分からない。昨日、ペンス副大統領は横須賀で修理中の空母レーガン船上で強力な軍事対応も辞さない旨の演説を行った。レーガンの修理完了は5月の上旬とされており、本格的な軍事オプションを決意しているのなら、開始は常識的にその先だ。
 一息ついた格好だが、気になる情報もある。最新鋭ステルス戦闘機F35-Bが配備された岩国で、基地下を通る一般人向けの連絡通路が閉鎖された。これは基地攻撃に備えた有事対応であり、アメリカ軍が強い緊張下にあることを示している。楽観できる段階にはない。
 米中会談の中身が次第に漏れてくるようになった。会談の中で習近平はトランプに対し、朝鮮半島は古来から中国の一部であった、と説明したと云う。近代の東アジアの戦役は全て朝鮮半島が起因となった、とも。この報が流れるや韓国では強い反発が広がったが、おそらく南北朝鮮以外では当然の歴史認識として受け入れていることにすぎない。中国にしては珍しく正しい歴史認識を表明した、と云う以外のことではない。
 戦後の半島の独立は歴史の中では異常な風景であり、冷戦構造の仇花にすぎない。朝鮮半島の管理は中国がもっと責務を果たすべきであり、それによってしか韓国や北朝鮮は安定しない。所詮は迎恩門のある地域、そこに中国の存在を回復させる政策なら、半島支配を中国の核心的利益とするのであれば、他のアジア諸国が異議を差しはさむことなどない。
 であれば北朝鮮は中国がやれ、トランプはそのように応じたはずである。アメリカ軍の挙動を追ってもあまり意味はなく、むしろ中国人民解放軍の北部戦区の配置変更に次のステップが示されている可能性が高い。現在中朝国境の軍事情報は厚い機密の中にあるが、それは大きな動きを意味しているからだろう。何の洞察力もなくなったマスコミが米朝間緊張を連日報じている以上、焦点はおそらく中朝国境の方だ。
 日本の不幸はこの東アジアの地政学的位置にある。地理的に半島から離れることができない。関与せず、目を離さず、半島に利権を求めない、日本の歴史から汲み取るべき教訓を今一度想起しておこう。如何に韓国への直接投資が馬鹿げた無反省なものであるのか、直ぐに誰の目にも明らかとなる。





                                              川口
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