想望のメモリアル/久保田悠羅・F.E.A.R

想望のメモリアル
久保田 悠羅 F.E.A.R
4829144955

学園を舞台に、若き冒険者たちの切なくも甘酸っぱい青春を描く、アリアンロッド・リプレイ・ハートフルの第2巻です。個人的にも第1巻がとても良かったので、2巻が出るのを楽しみに待っておりました。

1巻では、4人のPCのうち下級生の2人、ファムとヴァリアスを軸にしたストーリーでしたが、今回は上級生コンビのうち、カミュラを主人公にすえたシナリオになっています。エルダナーン(いわゆるエルフ)という長命種でありながら、まるで子供のような外見を持つカミュラ。彼女の過去に秘められた秘密とは?もちろん、カミュラの種族がエルダナーンであることや体格が小柄であることなどは、初めのキャラメイクの時点でプレイヤーの小暮英麻さんが決めたこと。その設定を生かしてシナリオを組んだという久保田悠羅さんのマスタリングに注目です。

注目といえば、この「想望のメモリアル」収録の2話は、いずれもミステリ仕立てのシナリオになっています。TRPGに多少なりと知識のある方なら、ミステリシナリオの困難さはお分かりのことと思います。まず、そもそもGMがトリックを考えたりするのが難しい!いざセッションにはいっても、ども程度手がかりを渡せばプレイヤーが真相にたどり着けるか、その見極めは至難。何しろ小説やドラマの名探偵ならぬプレイヤーですから、見当違いの方向に進んでしまうくらいはご愛嬌、最悪は行き詰ってゲームの進行が止まってしまうことも考えられます。

カッツのプレイヤーとして参加している菊地たけしさん自身、かのRPGマガジンではミステリリプレイをやっています。あれはミステリファンをもうならせるに足る内容でしたが、あそこまでのシナリオを作るのには相当苦労されたことでしょう。その時のことを思い出したか、ミステリシナリオと聞いてとたんに心配そうになるところが微笑ましいです。さて、そんなこと(ミステリシナリオの難しさ)は久保田GMも先刻承知。どんな方法で、プレイヤーが楽しめて快適に勧められるシナリオを構成したかも見所でしょう。

謎解きメインのシナリオとはいえ、クライマックスには当然バトルがあるわけで、激しさを増して戦闘不能者続出のバトルも熱いです。さらりとクリティカル連発するGM、恐ろしい…。どうもこのパーティ、攻撃力はどんどん上がるのに、守備力はいまいちみたいな感じですね(ルージュのパーティと比べるとかなり違いがあります)。

と、今回もハートフルな物語を存分に楽しませてもらいました。3巻では、もう一人の上級生、カッツがメインになるようです。どんどんPCの息があって良い感じになってきているから、ずっと長く続くシリーズになって欲しいです。ところで、内容と全然関係ないんですが、イラストでヴァリアスと一緒にカッツに肩を抱かれてる学生って誰?ひょとしてアルヴィンかな?ちょっと垂れ目気味なのがいかにもって感じで良いですね。
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[リプレイ]3月20日富士見書房の出版物・リプレイ (きまぐれTRPGニュース)
想望のメモリアル 想望のメモリアル 作者: 久保田悠羅, F.E.A.R 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2007/03 メディア: 文庫 特徴 推理もの 感想 ブレーキをかけながらアクセルを踏み込む - 2007