温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

「運命の一手 渡辺竜王 VS 人工知能・ボナンザ」を見た

2015-01-26 13:33:04 | 映画、TV、ミュージカル、エンタ

2007年の話なので古いんだけど、今日「運命の一手 渡辺竜王 VS 人工知能・ボナンザ」を見た。
NHKアーカイブス|プレミアムアーカイブス
1月26日(月)
午前9時00分~
「運命の一手 渡辺竜王 VS 人工知能・ボナンザ」2007年4月21日 / 90分再放送2月3日(火)午前2時30分~変更
2007年3月21日、将棋連盟が禁止してきたコンピュータ・ソフトとプロ棋士の公開対局が2007年3月21日、遂に実現した。対戦するのは将棋界最高のタイトル「竜王」を持つ渡辺明。そして「第16回世界コンピューター将棋選手権」の優勝プログラム“ボナンザ”。対局の明暗を分けるのは、棋士の優れた『直感力』や『ひらめき』といった『感性』に人工知能が対抗できるか否かだ。番組は渡辺竜王と将棋プログラム“ボナンザ”の対局を軸に、対局前後の棋士とプログラマー双方を取材。一手一手に込められた棋士のプライドとプログラマーたちの意地を描きながら、人工知能が人の思考力や感性に何処まで近づけるのかを見つめる。

なかなか面白かった。
プログラム(のロジック)はどのようなものかを概略説明してくれるし、勝負に関わる重要な一手、勝負を決める重要な一手の時、プログラムはどのような評価値を示すか、竜王はその時どう考えたかなどを詳しく時系列に追っかけて説明してくれる。
このようなコンピュータ対人間の番組は過去にもいくつか見たけど、これはそのなかでも一番面白かった。
下のようなマニアックな話はあるけど、私は竜王が「強いな」とか「怖いな」とかつぶやくのが興味深かった。
ものぐさ将棋観戦ブログ : NHK BS11「運命の一手 渡辺竜王VS人工知能・ボナンザ」を見て
「全幅探索」と「選択探索」について。しらみつぶしに全てを読むのが「全幅探索」で、手を絞り込んで読むのが「選択探索」である。そういえば、カスパロフとディープブルーの特番を見たとき、確かに「全幅探索」方式だったのを思い出した。

逆に、従来のソフトは「選択探索」中心型だったらしい。理由として推測されるのは、1将棋は持ち駒制のためいつまでも選択手の候補が多いために、「選択探索」じゃないと対応できない。

しかし当然「選択」すれば、読みから抜け落ちる部分も大きくなる。それが従来型ソフトの弱点だったところを、ほとんど将棋が分からない保木さんだからこそ自分の判断を信用したりしないで「全幅探索」を導入したのが死角をついて成功したのだろう。

但し今回のバージョンアップに当たって、「全幅探索」に加えて「選択探索」を付加させるのに成功したらしい。そのため従来の「角銀交換を喜んでする」という弱点の修正に成功したとのこと。但し、保木さんの場合は、無論自分で「選択」の方法を考えるのでなく、「選択」の方法自体のコンピューターに任せきっているのだろう。

ただ、コンピューターがどういう形で「形勢判断」を行っているのかは、この番組では分からなかった。「将棋プラス」の羽生三冠と松原教授の対話によると、ボナンザの場合その「形勢判断」もコンピューターに考えさせているらしい。 

竜王の3九龍を、ボナンザが軽視していたことについて。番組でボナンザの数値化した形勢判断を、全て公開してくれていた。3九龍の直前でも、指された直後でも、そのあとしばらくも、ボナンザは自分が完全に有利だと判断し続けていた。

つまり、多数の選択肢の中から、全くミスのないひとつを「選択」する難しさは、人間にもコンピューターにも変わりはないということだ。

コンピューター側のことばかり書いたが、渡辺竜王もやはり見事だった。ソフトの特性を徹底的に事前研究し、「7一角」を打たせようとする戦略。
それにしても「2七香ならボナンザ勝ちだった」という渡辺竜王の感想には、やはり素直に驚かされてしまった。

一方の保木さんも、なかなか魅力的な人物である。最後に述べていた言葉がとてもよかった。
「ボナンザは一秒間に四百万局面を読むが、それを軽く渡辺竜王の脳が凌駕していて、訓練された人間の脳のすばらしさを認識し、やはり人間の知性は素晴らしいと思いました。」

こんなブログも有りました。
大和証券杯特別対局ボナンザ戦。その2(当日編) - 渡辺明ブログ
8時に起床。9時に撮影に来たNHKの方と一緒に家を出ました。車内での会話。
「昨日、今回のボナンザが会場に到着したんですけど、松尾さんが負けたそうですよ」と言われてビックリ。

渡辺明竜王対ボナンザ平手戦~見落としか大悪手か「伝説の△3九龍」 ジョグと映画と本と将棋のお話/ウェブリブログ
2007年4月1日から、
コンピュータを使って対局するプロ棋戦
「大和証券杯」が始まるのを記念して
エキシビション対局として
渡辺明竜王と将棋ソフト「ボナンザ(Bonanza)」との対局が
3月21日午後1時30分より
品川プリンスホテル「広島」の間で行われました。

運命の一手  渡辺竜王 対 ボナンザ

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