
昨晩は、日本経済新聞社主催の講演会が抽選で当たり、経済アナリストの森永卓郎氏の話を聞きにいきました。今、テレビ、マスコミに引っ張りだこの森永氏ですから、2500人収容の会場は超満員。硬い経済分析というより、漫談放談に近かったので大いに楽しめました。難を言えば、話があっちこっちに飛んで、アナウンサーではないので、聴き取りにくい部分があったことです。以下は聞き書きメモですから、聞き違いがあると思います。
・民主党政権は「生活者重視」。藤井財務相が「為替に介入しない」「安易な国債は発行しない」と発言したため、円は一時87円の円高に。マネタリーベースで、8月の日銀の資金供給量はわずか前年比6%増だったのに対し、EUは30%増、米国は何と102%増だった。この円高のおかげで、海外旅行が安くなり、海外ブランド物が安くなり、デフレになり、生活者の視点からはいいことばかり。
・しかし、企業側からの論理からみると、「輸出型企業」は特に、収益が圧迫され、首を絞められることになる。⇒契約、期間工などの解雇⇒雇用不安問題につながる
・リーマン・ショック(米国の損失は270兆円と言われているが、金子勝教授の試算ではその10倍はあるという)は、この25年間に世界的に推進された「新自由主義」が崩壊した断末魔の叫びだった。この新自由主義は、1979年の英国のサッチャー政権に遡ることができる。それまで、英国は医療費、教育費等が無料で「揺りかごから墓場まで」といわれる高福祉社会だった。しかし、国家財政が破綻し、「英国病」と言われていた。サッチャーの構造改革は
1、政府は、できるだけ「小さな政府」が望ましく、規制緩和して民営化する(郵便、電気、通信、航空、ハローワークを民営化し、刑務所まで民営化した。戦争のない時の空軍は無駄というので、何もない時に、ジェット機で宅配業務をさせた!)
2、社会保障を切る(子育て支援までカット)
3、庶民に増税、金持ちに減税する(富裕税を最高82%だったのを40%に削減し、消費税を8%から12%に上げた)
これを、米国のレーガン(医療保険を完全自由化)と日本の小泉(毎年、医療福祉を2200億円カット)が真似をした。
米国では、健康保険に入れない貧困層が4700万人もいる。保険がないと、盲腸の手術で、100万円から500万円かかる。(貧乏人は早く死ね、という意味)
森永氏の父親は2年前に脳梗塞を患い、介護保険で所沢でリハビリしているが、毎月、31万2千円かかっている。新宿にある素晴らしい介護施設に入居するのに、毎月40万円かかるが、入居一時金に1億円もかかるという。もし、入居して1日で亡くなった場合、一時金の30%が徴収されるので、一泊3000万円ということになる!
4、1986年の「金融ビッグバン」で、金融資本主義を確立(弱肉強食社会、世の中「金」社会)
これら、金融資本主義で有り余った「投機資本」はどこに向かったのか?
まず、1997年の「アジア金融危機」に向かった。韓国では、6大メガバンクのうち、5銀行も外資に買収された。ソウルの一等地の不動産が買い占められた。翌年、復興して、株が3・6倍に上昇した時、「ハゲタカ・ファンド」は売り抜けた。
日本の1997年は、拓銀が倒産し、山一証券、三洋証券、日産証券等が廃業し、98年に多額の不良債権が発生した。ハゲタカ・ファンドはこれらを安く叩き買いして売り抜けた。当時、50億〜60億円のゴルフ場が1億〜2億円で買い叩かれた。
その後、投機ファンドは、ついに原油と穀物に向かった。しかし、ご存知の通り、サブプライムローンの破綻等で投機ファンドのバブルが崩壊した。投機ファンドはイナゴの大群と同じで、この25年間で市場をすべて食い尽くしてしまったからだ。金融工学を駆使したファンド・マネージャーの連中は、ゴールドマン・サックスなど入社一年目で1000万円、3年で3000万円、5年で5000万円から1億円という信じられないほど異常に多額の年収を得ていた。(日本の社長の平均は3000万円)
森永氏の結論は、「江戸時代回帰」。江戸時代のように、環境にやさしいリサイクル社会を目指す。無農薬の安心・安全食品を口にして、地産地消。地方分権を徹底する。
イタリアは最近、国民一人当たりの所得で日本を抜いた。「母を訪ねて3000里」の主人公マルコはイタリアからどこに行ったのか?−アルゼンチンだった。それは、当時、イタリアよりアルゼンチンの方が経済的に豊かで、マルコの母親はアルゼンチンに出稼ぎに行っていたから。
中国の上海の現地企業で働いている中国人の月収は1万円。これでは、日本人は太刀打ちできない。日本で年収12万円では餓死してしまう。
イタリアは中国と競合しない物をつくってきた。
アルマーニ、ベルサーチのスーツは50万〜70万円。森永氏は紳士服の青山で9800円。
トヨタの最高車セルシオが700万円に対して、フェラーリは1億5千万円…といった具合。
以上、まとまりのない書き方をしてしまったのですが、これだけ、読んでもかなり面白い話だったことが想像できると思います。










