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2007年08月09日(木曜日)付 日本経済新聞社説
北朝鮮に過度の融和は禁物だ
韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)労働党総書記が今月28―30日、平壌で会談することになった。南北首脳会談は2000年6月以来、7年ぶりだ。朝鮮半島の平和体制構築が主要議題とされるが、北朝鮮の全面的な核廃棄や拉致問題解決にもつながるよう期待する。
当時の金大中(キム・デジュン)大統領が訪朝した7年前は朝鮮半島分断から55年ぶりの南北首脳会談という歴史的意義があった。今回はそれほど高揚感はない。政権浮揚策にもしたい盧大統領と、国際社会からの各種援助を求めたい金総書記の利害が一致したという双方の事情が透けて見えるからだろう。
8日に発表した南北合意書(5日付)には「朝鮮半島の平和と民族の繁栄、祖国統一の新たな局面を開くうえで重大な意義を持つ」と明記しながら、北朝鮮の核問題には直接触れていない。今回の首脳会談では南北の融和路線が先行し、拉致問題など日本にとっての懸案事項はあいまいになる可能性がある。
韓国では12月に大統領選挙を控え、盧大統領が政権党への求心力を確保するために首脳会談を急いだとの見方も浮上している。実際、最大野党ハンナラ党は8日、「選挙用イベントで、かえって国民的な反感を呼ぶ」などと批判した。
韓国内が一致団結して臨めないような首脳会談では、北朝鮮に足元を見られかねない。昨年のミサイル連射や核実験で国際的に孤立した北朝鮮としては、首脳会談で南北の融和ムードを演出し、対米関係の改善にもつなげたい考えとみられる。
米政府当局者は首脳会談の開催を歓迎する意向を示し、韓国側から事前に通告があったとしている。
だが、北朝鮮は6カ国協議で合意した核施設の停止など「初期段階の措置」に着手したにすぎない。全核施設の無能力化など「次の段階」のメドさえ立っていないのが現状だ。
盧武鉉政権は北朝鮮に融和政策をとってきたが、首脳会談でも過度な融和姿勢を見せれば核問題や拉致問題の解決は遠のく。国際社会には韓国の過剰な妥協を懸念する声もあることを踏まえ、日本や米国など関係国と事前によく相談してほしい。









