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2007-08-26 日 今日の朝日新聞 社説

2007-08-26 03:36:32 | 「保存している記事」から

朝日新聞 社説 2007年08月26日(日曜日)付

内閣改造を前に―首相へ贈る「五つの反省」

 自民党の歴史的惨敗に終わった参院選挙から間もなく1カ月。衝撃がなおさめやらぬなかで、安倍首相はあす内閣改造に踏み切る構えだ。

 選挙後も首相の足元は揺らいでいる。各種の世論調査では内閣支持率が20%台を低迷。朝日新聞の調査では47%が「首相は辞めるべきだ」と答えた。党内でも公然と退陣論が語られる。私たちも辞任が当然との考えに変わりはない。

 それでも首相は続投を選んだ。「国民の厳しい審判を受け止め、反省すべきは反省する」。そう繰り返してのことである。であれば、ここは本当に反省していただこう。首相もそれなしに政権にとどまるほど無神経ではあるまい。

 だが不思議なことに、この1カ月、首相の言葉に耳を澄ましても、何を反省するのか、肝心な中身が伝わってこない。これはどうしたことか。

 ならば仕方ない。僭越(せんえつ)ながら、私どもが考えた「五つの反省」を安倍首相に進呈したい。


 一、人事の重さを知る

 これは、首相自身が身にしみていることに違いない。1年足らずの内閣で4人もの閣僚が交代した。現職閣僚の自殺というおぞましいできごともあった。ほかにも閣僚の暴言や失言が相次いだし、ポストの重さに耐えきれない閣僚も目についた。

 「お友達内閣」といった批判をまた繰り返そうとは思わない。旧態の派閥均衡人事にせず、安倍カラーを出したい。そんな思いもあったのだろう。

 だが、政治の成否は人事で決まる。国会議員になってわずか13年、閣僚経験も乏しいまま一気にのぼりつめた首相にとって、初の人事は荷が重過ぎたのだろう。この授業料をどう生かすかだ。


 一、危機管理の能力を

 不祥事や失態を一度も起こさなかった政権など、過去にもなかったはずだ。大事なのはそのときどうするかである。

 最初は大した問題でないかのように振る舞い、対応を先送りして傷口を広げてしまう。安倍首相が繰り返した過ちだ。

 消えた年金記録の問題を民主党に指摘されると「不安をあおる」と切り返し、閣僚らのカネの問題も次々にかばい続けて致命傷になった。小池防衛相と事務次官が演じた人事対立のどたばたもあった。これで一国のかじ取りができるのか。国民はその危機管理能力に大きな不安を覚えている。


 一、言葉に責任を持つ

 「私か小沢さん、どちらが首相にふさわしいか、国民に聞きたい」。参院選で首相は自らそう言い切り、この選挙を信任争いと位置づけた。

 一国のトップリーダーの宣言である。敗北すれば退陣という決意だと受け止めた人も多かったろう。だが、それは全くの肩すかしだった。

 政治家にとって「言葉は命」だ。たった一言が民意を動かすこともあるし、失望を広げることもある。ましてや首相の言葉である。安倍氏はいま一度、言葉の重みをかみしめる必要がある。

 8月15日に靖国神社の参拝を見送ったのはよい。だが、「行ったか行かなかったかも言わない」とは、子供だましの逃げ口上ではないか。本来の心情に反する決断なら、その無念もきちんと語ればよい。国民はそういう姿を求めている。旧日本軍の慰安婦問題でも、煮え切らない発言ぶりが混乱のもとになった。


 一、基本路線を見直す

 首相はいまも「私の基本路線は国民の理解を得ている」と繰り返している。本当にそう考えているのなら、見当違いも甚だしい。国民の理解があるなら、なぜこれほどの大敗を喫したのか。その吟味なしに反省などありえない。

 首相の基本路線といえば何といっても「美しい国」であり、「戦後レジームからの脱却」、その先の憲法改正だろう。だが、美しい国とは何なのか。戦後を否定して戦前レジームに戻したいのか。安倍首相のもとでは改憲したくない、という人が多いのは、なぜなのか。

 一方、小泉政権から引き継いだ構造改革はぼやけてしまった。改革の負の遺産をどうするか、それは首相ならずとも難題だ。何を引き継ぎ、何を改めるか。ここでも基本政策の吟味は欠かせない。


 一、おごりを捨てる

 先の通常国会で与党は17回もの採決強行を重ね、国民投票法などの成立を急いだ。首相の号令のもとに、である。

 多数決は民主主義のルールには違いないが、だからといって、これほどまでに数の力を振り回していいのか。しかも、衆院の圧倒的な議席は小泉前首相が「郵政」の一本勝負で得たものだ。安倍氏はそれを乱用したに過ぎない。

 参院の与野党逆転で、この手法はもう使えない。だから今度は低姿勢で臨むようだが、野党に植えつけてしまった不信感はこれから自身に跳ね返ってくる。

 とすれば、反省は手遅れかも知れないが、それでも苦い教訓は生かさねば。万事おごりを捨てるべし、である。

 この春死去した城山三郎さんは、新刊の随筆集のなかで、戦前の気骨の首相、浜口雄幸(おさち)の次の言葉を引いている。

 「政治家は国民の道徳の最高の基準を生きなくてはいけない。国民全員が見ている」「総理たる者が約束を破れば、国民は何を信じて生きていけばいいのか」

 激しい逆風の中で、首相は試練に立ち向かう。果たしてこれから巻き返しがなるか、それとも破綻(はたん)を迎えるのか。それは、自らの反省によって、国民の信頼を取り戻せるかどうかにかかっている。

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国民投票法 慰安婦問題 消えた年金 内閣支持率
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