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2007年08月09日(木曜日)付 毎日新聞社説
南北首脳会談 北に核廃棄を確約させよ
すべては結果次第である。南北朝鮮の首脳会談が7年ぶりに開かれることが決まった。北朝鮮の核廃棄という東アジア最大の問題にとってプラスになるのか、マイナスに作用するのか。それによって韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領の評価がはっきり分かれる。
「首脳会談に失敗なし」と言われるが、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記との首脳会談は、あらかじめ成功が約束されていないことを肝に銘じておかなくてはならない。
初めての南北首脳会談は2000年6月だった。金大中(キムデジュン)・韓国大統領(当時)が平壌を訪問し、金総書記と平和的自主的民族統一などをうたった「南北共同宣言」に署名した。
金大統領の太陽政策が、北朝鮮の柔軟化を導いたものとして高く評価され、金大統領はノーベル平和賞を受賞した。だが、その後、北朝鮮は着々と核兵器の開発を進め、昨年10月、核実験をした。最初の南北首脳会談は、期待外れの会談に終わった。
では、第2回の首脳会談に、なにが期待できるのか。韓国は12月に大統領選挙が行われ、任期の切れる盧大統領は新しい大統領に政権の座を譲ることになっている。対北融和論を主張してきた盧大統領にとって南北首脳会談は最大の花道である。
だが、盧大統領は退陣が近い。これまでの外交の仕上げはできても、新しい決定は次の政権に委ねるのが筋だろう。しかも、与党は分裂し、議会で多数を失っている。首脳会談の場所が「南北共同宣言」ですでに決められていたソウルではなく、また平壌になったのも、力関係において北が優勢であることを暗示している。
首脳会談で盧大統領に期待されているのは、核廃棄に向けて北の背中を押すことである。6カ国協議を側面から支えて、核関連施設の無能力化を実現し、高濃縮ウラン計画を断念させ、金総書記に核廃棄の具体的スケジュールを約束させることである。
それができれば第2のノーベル平和賞に値する。もし失敗すれば、北朝鮮の時間稼ぎに協力しただけに終わるだろう。
このところ、日本が入った6カ国協議とは別に、米中韓朝の4カ国による朝鮮戦争終結の枠組みが当事国の間でささやかれている。その狙いが、米朝正常化交渉の切り離し先行や、拉致問題を抱える日朝交渉の棚上げであるなら、事実上の日本外しとして警戒しなければならない。
南北首脳会談で4カ国協議への布石を打つのが北朝鮮の戦略ではないのか。朝鮮半島問題は、あくまで6カ国協議での核解決を最優先すべきである。かりに4カ国の枠組みを作るにしても、6カ国の合意を前提にすべきである。
今回の南北首脳会談について、米国政府は韓国政府から事前通告を受けていたというが、日本政府には、韓国や米国からどのような連絡があったのだろうか。これから日朝部会も始まる。米国、韓国とは、呼吸を十分に合わせておく努力がますます必要だろう。
毎日新聞 2007年8月9日 0時05分









