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SE門型フレームを生家に使った理由




よい区切りだし、生家にSE門型フレーム(以下SE略)を使った理由というか、事情を書きたいと思う。
(ちなみに生家の工事に関することをブログで書くのはこれが最後と決めている。)

次郎長生家は、いろいろな人が関わっている。
あたりまえだけど、それぞれの立場がり、思惑もある。
だからそのことをなるべく理解して、上手に流れを作らなければならないという意識、行動は常にあった。

典型的な例はSEによる補強だと思う。

NCNという会社が多額の支援をしてくれるそうだという話になったときに、真っ先に思ったのはSEを何らかの形で工事に使わなければ話が進まないだろうという考えだった。
誤解を招きそうなのでこの時点で書くが、NCN側からSEを使わなければ支援しないといった条件を提示したことは一度もなかった。
また、他に条件らしい条件も提示されなかった記憶がある。(実際は多少あったかもしれないが気にならない程度)
とにかく生家が工事できたのはNCNの力が大きいことは間違いない。

ただ、NCNという会社はSE構法を売っている会社であり、SE構法登録店は全国にたくさんある。
SEを使わなければ納得できない人が多すぎる状況にあることは容易に予想できた。

ただ、だからといって今回、私が無理やりというか、不本意な気持ち、要するに我慢してまでSEを生家に使用したわけではない。

確かにSEは集成材だし、町家の生家に通常使用しない。
正直な話だが、水と油のような存在ともいえなくもない。
おそらく同業者の中には、どうして伊藤さんは生家にSEを使ったんだと疑問に思う方も多かったのではないかと思う。

実は、NCNが関りを持つ以前から門型フレームを使った補強を生家2階建て部分に設置するという考えは私にはあった。
JSCA関西で学んだJ.potによる補強実例をみせながら2階建て部分はシェルターのような補強が良いと活かす会に提案したことがある。

ただ、私の当初の構想から試行錯誤を繰り返し、SEを生家で使うことの問題点をできる限り改善したり、デザインに配慮することができたのは、建築士の杉山さんの協力が大きい。
杉山さんのデザインに対する姿勢は、学ぶべき点が多かった。
デザインで食べている人と今回一緒に仕事ができたことで、私の中でも大きな成長があったと思う。

話を元に戻す。

いつだったか忘れたが、NCNと活かす会がギクシャクした時期があった。

さすがの私もSEを使うのはやめて、工事内容を一から再検討しようと思うようになった。
なるべく予算削減しなければならないことやNCN側も別にSEを使うことを希望していなかったからである。

ただ、NCNはともかく、全国のSE登録店のことを考えるとそれは出来ないという結論にすぐ達した。
これは、同じ活かす会会員でSE登録店でもある株式会社アキヤマの秋山社長から電話があり、なんとかSEは生家に使ってもらいたいと言われたことが大きい。
登録店の立場で考えると生家でSEをつかうつかわないは雲泥の差があるのだという。

面白いもので、NCN側はSEを使うことを喜んでくれたことは一度もなく、これは新築で本来は使うものなので自己責任でお願いしますというスタンス、私からすれば結構冷めた態度であった。
本来の使い方ではないわけだから当然といえば当然だが、使いたいならお好きにどうぞと言わんばかりの態度に寂しさを覚えたことはあった。
ちなみに一番喜んでくれたのは登録店のアキヤマ社長だと思う。

そういえば、NCNの偉い方から突然電話があり、厳しいことを言われたこともあった。
NCN内部もいろいろな方がいて、内部調整している方は大変だなという印象を強くもったものである。
工事中も大変だったが、工事着工までの道のりも同じくらい大変だった。

結局のところSEをつかってよかったのかどうか、それがあったからNCNが支援したかどうかについては分からない。
そんな提案がなくてもNCNは生家を支援したようにも思える。

ただ、私としては生家でSEを使ったことは意味があったと思いたい。

紆余曲折はあったにせよ、多額の支援をしてくれたのは間違いないことで、一番の功労者である。
その功労者に対して、コンテストで優勝したのだから支援してもらえるのは当たり前と思うのは間違っていて、それに対して何らかの感謝の気持ちは必要だと思う。
SEは、私の感謝の気持ちが込められている。

どうしてSEを使ったのかと聞かれれば、「そうしないと工事は実現しないと思ったから。ただ、無理やり使ったわけではなく、SEの性能を把握した上で生家にとって最良の方法を自己責任で使用した。」と答える。

余談だが、式典の際に生家は地震でも絶対に大丈夫とスピーチしていた方もいたが、絶対はない。
歴史的価値をなるべく損なわず、運営側の希望も極力取り入れていくという条件下で可能な限り耐震性を向上させたに過ぎない。
このブログで何度も書いているが耐震改修とは倒壊する確率を減らす行為であり、0%にすることはできない。

例えば倒壊する可能性が80%だった建物を20%に減らす工事が無意味とは思えない。
生家は以前よりはるかに耐震性が向上したという表現が適切。

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工事前に作成したイメージ図



完成後



SE門型フレーム設置作業中に撮影。
NCNの方も現場で作業を見守っています。
当日より、事前の準備が大変だった。

作業は半日で完了。
段取り八分どころか九分だったといえる典型的な作業。

当日スムーズに設置できるための下準備などは主に父が担当した。
設置作業もここまできたら手伝おうという感じで私も父も参加している。


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