下司貴大ばりっしも

バリトンに焦がれて

小話《フィガロの結婚》

2014-03-05 21:31:07 | 小話
僕が4月に出演します札幌オペラスタジオ主催の「お腹いっぱいモーツァルトコンサート」をもっと楽しんで頂くために《フィガロの結婚》についての魅力をお話します。

この《フィガロの結婚》は、天才モーツァルトがダ・ポンテという人気台本作家とタッグを組み作り上げた傑作のなかの傑作です。舞台はスペインのセヴィリア、アルマヴィーヴァ伯爵邸。召使であるフィガロが、同じ召使であるスザンナと結婚する物語です。このスザンナですが、フィガロに対して一途であり、またとても賢いキャラクター。この作品に携わったことのある男性なら、1度はこのスザンナに恋したことでしょう。まさに女性の理想像、オペラ界では殿堂入りです。それだけ魅力的な存在なわけですから、城の所有者である伯爵やその士官ケルビーノなどの好色な男たちによって邪魔されます。フィガロの結婚と題しながらも、最終的には浮気ぐせの伯爵が改心し、夫人に対しての愛を取り戻すことにスポットが当てらるのです。
一見、ドタバタの喜劇のように思われますが、全幕通して見ると人生における崇高な哲学が湧き上がってきます。僕は、プッチーニにも勝るにも劣らない泣ける作品だと思います。学生時代、教育大オペラとしてこの演目を取り上げたので、より一層の思い入れが有るとも言えますが、やはり〝愛〟がテーマになっているからこそ人の心を打つのではないでしょうか。
今回僕が出演するのは、フィガロとスザンナが幸せいっぱいに結婚の支度をしている始めの部分。伯爵がスザンナに騙されているとは知らずに誘いにのるところ。そして、フィナーレの伯爵が夫人に許しを請うシーンです。かなりざっくりとした抜粋ですが、聞き馴染みのある音楽も多いので楽しめます。
大変長い作品なので、本当にお時間があるときでなければなかなか全部を見る気にはなれませんが、部分的にでもご覧になればなるほど、その複雑さと隠語のオンパレードにハマっていくこと間違いなし。大人だから楽しめる《フィガロの結婚》は、コンサートの最後にプログラムされます。お楽しみに^ ^


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