たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

秩序があると変な状態

2010-12-21 02:29:53 | Weblog
 最近よく思うんだけど、卒研(物性理論物理)でやってた光学格子中の超流動と、今(分子生物)のリポソーム内遺伝子発現って、案外、ちょっと似てるなーって思う。
 こんなの思うの、どーせ僕だけなんですけどね。生物の人にも物理の人にも、たぶん、世界中の誰にも、理解されない。

 どのあたりが?というと、、まぁ、割と長いんですけど、、、何かを解析しようと思ったら、その世界を細かく分けて、それぞれの成分を観察してみれば良い、ってのが、普通の発想じゃないですか。
 でも、物性の世界って、そうじゃなくて、色んな成分が、統計的にどう振る舞うか、ってのが大事で、そこに焦点を当てて考えるんです。例えば、統計的な観点から定義される生成・消滅演算子で記述されるペアポテンシャルの値が正であれば、全体として超伝導状態、みたいなー(もし気になったらTilley&Tilleyなどの超伝導理論の本を読んでね(笑))。
 っで、光学格子ってのは、On-SiteInteraction(部屋の中での影響関係)だけじゃなく、HoppingInteraction(お隣さん同士の影響関係)も考えるんだけど、ある種、1つのコンパートメント(閉じた空間)を形成していると解釈できる。リポソームも、人工の細胞みたいなもんだから、1つのコンパートメントを形成しているけど、隣接リポソーム同士の影響関係がないとは言えない。

 よーするに、

 理系用『コンパートメントを形成しながらも、隣接項での相互作用は扱いながら、それらの統計的な振る舞いに着目したい』 
 一般用『各部屋の振る舞いを考える上で、近場の部屋同士でのやりとりはあることも考えつつ、だいたいの事情を調べたい』

 ってところが、光学格子とリポソームで、似てるなーって思うんです。俺がそういう風に研究室を選んでるわけじゃなくて、本当に、超偶然なんだけどね。
 なんとなく、伝わった?

 そして、どちらも、キーになってくる単語は、『秩序』です。
 どっちの研究テーマでも、『秩序』があると、それは同時に変なことが起きていることなのです。出てくる蛍光が2色染めなのにどのリポソーム内でも同じ程度の色であったり(各リポソーム内に個性(IntrinsicNoise)が無いということ)、みんな基底状態に落ち着いたり(ペアポテンシャルが正ということ)、本当に色々な意味ですが、それがあるかないかで、状態が決まってきます。

 日常でも、こういう考え方は、とても役に立って、

 『うーん、それじゃぁ、ダメなんじゃないの??結局、周りとカワラナイじゃん。』
 「えー、マジっすか。俺は、自分の心、あったかいと思うんですけどー(笑)」
 『いや、気持ちの絶対量そのものは、他の人よりも多いと思う。だけど、気持ちの種類が少なすぎる。やっぱりダメだよ、「助けたい!」の感情だけに束縛されちゃ。』

 みたいな喩えがすぐに出てきて、それがまた上手く伝わったりするから、こういうことを考えるのは、面白いなぁって思うのだ。
 だって、種類が少なくなると外部要因が強い、なんて発想、普通じゃあんまりしないでしょ?

 そう考えてみると、、自分が何から逃げてきているのか、わかる気がする。
 独占状態に収束され、たった1つだけの感情になってしまい、外的要因が大きくなるのを恐れて、常にそこから逃げてきているんだなーって思ったり。

 そのために、相手の切り札を出させるようにしむける環境作りだってする。相手にExtrinsicEffectを沢山かけて、自分のIntrinsicを取り戻すために。
 ほら、どこにも属さない俺(ジョーカー)が直々に出てきてやってんだから、その「スペードの3」さっさと出せよ!、ってね。

 っま、そんなことしてるから、今だに、言い訳カードが2枚以上無いと、何も発言できないんですけどねー。
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