たかはしけいのにっき

ミネソタ大の博士研究員が書く日記です。

最後の一粒が落ちる瞬間

2017-04-04 23:52:30 | Weblog
 いつかまた会えると思いながらも、恐ろしいほど時間が経ってしまった日々を振り返りながら、生意気なままの君はこう呟くだろう。
 『あのあとに、こんな経験をしていたんだね』

 何を守りながら何を大事にしながら、あの国に行って、その背中を魅せようとしたか、今となっては自分でも分からない。でも、向上していくことを前提としているからこそ、何かを伝えられると私は思っていたから、あの選択をした。それが結局のところ、私の音楽性の向上と君との関係の決別を生んだけど、後悔は何も無い。約束の場所に、きっと現れているはずの君を想像しながら、全く別の分野において成功し始めている今の君を、小さく精一杯応援している。
 そんな成功はまったく意味が無いと達観している君は、日常にありふれた小さな美しさに価値を見出しながら、またこう呟くんじゃない?

 『砂時計の砂の最後の一粒が落ちる瞬間が一番きれいだね』

 その感覚を大事にしなさいと言った私を不思議そうに見つめながら、また拙い論理でその美しさを肯定し始める。感覚と直観を反映させることが最も得意だから、精緻に完成させることを拒む。でも、それだと作品にならないから、、って、もうそれくらいはマスターしているのよね?
 成長と向上を繰り返しながら、誰も届かないくらいに突っ切るだけの論理性の高さと技術力を手に入れたのなら、それらを制御する術が必要で、それを反映するには、とってもいい抑制になる、あの環境とあの場所を貴方を通して思い出しながら、私は私で、何かを伝える現場に居続けながら向上していけたらいいなぁと思う。

 系の崩壊という現実を一番に否定している気持ちを忘れずに、慣れない場所で何か新しいものづくりをしていけたらいいね。お互い別々の場所で。
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