高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

再生

2008年01月15日 03時45分58秒 | 竹細工作業工程

祭日ではあるが、急ぎの注文に対応してもらうため、工房の「井和丸」君が朝から染色にやって来た。私は年末に修理で送られてきたバッグの修理と染色、漆塗りをする。私の工房では「5年間、無料修理保証」ということをしているが、竹のバッグではっきりと無料修理を唱っている所は他に無い。本来は5年と期限を切らなくても良いのであるが、印刷物としてお客様に保証書を渡す以上、期限があったほうが誠実だと考え期限を切った。でも、実際には5年以上たった物でも、実費での修理は何時まででも致します。

今日、修理したバッグは6年前に御買い上げ頂いた作品で、大変気に入って頂き、ほぼ毎日お使い頂いているそうだ。工芸品の良い所は、手直しをして何時までも使っていただける事、使うことによって使い手さんの歴史が刻まれていく事、そして、再生されて、ますます愛着が湧いてくる事など、ちょっと、手前味噌か?

随分使い込んで頂いたため、大島紬で作った巾着の部分が磨り減り少し破れてしまった。この部分は新しい大島と交換することにした。バッグの方は角の部分が何箇所ヒゴが傷んでいたため、差し替え。全体に太陽光線のお陰で焼けてしまっていたため、もう一度染色と漆を掛けなおすことにした。そして、漆を塗り終わったのがこれだ。なんとも、美しい!

114_003 漆を掛けながら、一人微笑んでいる。手を掛けた物は可愛いのだ。また、このバッグが送り返されて来た時、お客様はきっとびっくりするだろう!などと考えると楽しくなる。これからも長い長いお付き合いをしていかなくては。

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竹工房オンセ

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