瀬崎祐の本棚

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miu 1号 (2016/09) 京都

2016-10-15 21:02:50 | ローマ字で始まる詩誌
 センナ・ヨウコの個人誌。葉書大の用紙3枚からなり、表紙には作者が撮ったと思われる異国の海岸写真が載っている(私は作者の撮る写真のファンでもある)。岩だらけの黄色い風景のなかに佇む人の影が長い。詩1編を収める。
 「扇」は、「夜のとば口で扇をひろげ」星を数えている作品。星はあまりにも多く、そしてあまりにも遠いところにあるので、はたして自分に意味のあるものなのかどうかという軽い疑惑のようなものが、眩暈のように作者を襲ってくるようだ。

   熱い鉢のなかに
   時には手を入れ

   その設えに弱く笑む
 
   または
   美しい嘘と
   菫のような血脈と
   そりかえる背

 そう、これは眩暈である。ここには作者独特の息づかいがある。それは言葉と感覚が互いに支え合って、どちらか一方では傾いてしまうものを危ういバランスで保っている、そんな息づかいである。
 扇をひろげることは何かを迎えいれることなのだろうか。それとも何かを求めることなのだろうか。最終連は、

   簡単に
   もっと簡単に
   よじれた日付を捜しに降りていく

 かっては同じ詩誌「堕天使」で5年間を過ごした盟友の、新しい個人誌のこれからを見守りたい。
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