瀬崎祐の本棚

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火片  194号  (2016/12)  岡山

2016-12-13 21:03:03 | 「か行」で始まる詩誌
 詩誌「火片」194号は創刊65周年記念号として、井奥行彦特集を組んでいる。「火片」は、当時は岡山大学学生だった井奥行彦氏など3人が1951年(昭和26年)に始めた詩誌。やがて他の2人は詩誌を去り、残った井奥氏がつづけて来ている。一時はたった一人で6頁の詩誌を出したりもしたようだ。

 特集では、岡山県内の主な詩誌「黄薔薇」「ネビューラ」「穂」「道標」「緑」「腹の虫」、それに「どぅるかまら」の代表者が、それぞれ井奥氏の詩を引用してエッセイを書いている。また井奥氏の詩集8冊からのアンソロジーも組まれている。
 私(瀬崎)などは、詩誌は続けることが目的ではない、その詩誌で書く意味がなくなれば次の新たな詩誌を立ち上げればよい、と考える方だが、こうして実際に長く続いている詩誌をみると、これはこれで意味のあることなのかも知れないと思ったりもする。どうなのだろ?

 誌の後半には同人の作品が載せられている。
 「深夜の遺言状」中桐美和子。タイトル通りに、残していく者への語りかけとなっている。

   遺影はあるからな 家族葬でええよ 他人
   にデスマスクみられとうねえ 戒名は無うて
   もええ 格好つけんでええよ お墓は 一年
   に四回そうじをしてちょうでえ

 ほとんど無我無欲の境地といってもいいのだろう。俗事からはすでに解き放たれている心根が清々しい。最終部分は、「よう生きた よう働いた よう愛した--。」 86歳になられる中桐さん、まいりました。
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