Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファン、アナキン・tak・スカイウォーカーが、日々気になる音楽・映画・家族の出来事を記す雑記帳

スラムドッグ$ミリオネア

2009-05-01 | 映画(さ行)

■「スラムドッグ$ミリオネア/Slumdog $ Millionaire」(2008年・イギリス=アメリカ)

監督=ダニー・ボイル
主演=デヴ・パテル マドゥル・ミッタル フリーダ・ピント アニル・カプール

 ダニー・ボイルド監督が、インドを舞台にインド人キャストで撮った波瀾万丈の人間ドラマ。今や世界で一番の製作本数を誇るインド。ハリウッドならぬボリウッドという呼び名があるくらい。パワフルで、上映時間が長くって、ミュージカルシーンがお約束。それが僕のインド映画に対するイメージだった。この「スラムドッグ~」は、英国資本なんで純粋なインド映画とは言えないけど、インド映画のパワーを感じずにはいられない。

 貧民街出身の青年が、クイズ番組「ミリオネア」で最高額の賞金を得る1問前までたどり着く。しかし、不正を疑われて警察の取調べをうけることに。彼が語るこれまでの人生。それは、インドの厳しい現実の中で、彼が危険な目に遭いながらも懸命に生きてきた物語。タージマハルでインチキガイドで小銭を稼ぐ、悪いオトナに使われて街角で施しを受けて稼ぐ。
「本当のインドが見たけりゃこっちさ」
とは劇中の台詞だが、この映画自体が僕らにインドの現実を見せてくれる。この映画を観た友人は、「貧困がこの世からなくならないのかな。」と、エンドロールを見ながらつぶやいた。確かにそうだ。ストーリーは面白いけど、観終わって残るビターな余韻は、(誇張はあるかもしれないけど)この映画が伝えるインドの現実と無縁ではない。

 そうした面はあるにせよ、この映画はよくできているし、楽しめる。初恋の人を救うために暗黒街に乗り込む、彼女が見ているかもしれない、という理由でクイズ番組に出演する、そんな一途な恋心。そして何よりも、出題されるクイズが彼のこれまで生きてきた道につながる展開の見事さ。最後の問題が読み上げられた時、「そうきたかぁ!」と嬉しくなった。

 10億もの人口を抱えるインド。日々困難な状況でも、懸命に生きている人がいる。そんなインドという舞台だったから、このハッピーエンドが活きた気がする。きっと先進国が舞台なら、単に都合のいい話でしかなかったと思える。そして、そのハッピーエンドを祝福するかのような、ラストのミュージカルシーン。様々な映画の魅力が詰め込まれたエンターテイメントとして、オスカーに輝いたのも理解できる。国が違えば、"アメリカンドリーム"と表現されそうな普遍的なドラマを、斬新な切り口で示してくれたダニー・ボイル監督の挑戦に拍手を贈りたい。

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4 コメント

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インドの今って、 (ボー)
2009-05-07 23:33:33
まだ、こういう面もあるのでしょうかねえ。ハードですが、そこで生きていくには強さが備わっていくのでしょうね。
パワーいっぱいな、ラストは楽しく幸せな映画でした。
ボーさんへ (tak)
2009-05-09 23:55:58
コメント、TBありがとうございます。

あの現実を見せられると、子供たちが無事に生きてること自体が「スゴイ」と思えました。映画だから多少の誇張はあるかもしれませんが、近い状況はあるはず。

だからこそ、怒濤のラストが感動的なんですよね。念願のキス!銀幕に向かって「キャー!」もんでした。
照れますなあ (ミキスケ)
2009-06-10 13:14:37
私そんなかっこいいこと言いましたっけ?なんた文字にされると恥ずかしいなあ。
最後のダンスシーンの陽気さが全体のダークさを吹き飛ばそうとしてるかのようでしたね。
でもやっぱり、二度は見ようとは思えません…。
私が映画に求めるものは、やっぱり、夢!ですから!
ミキスケさんへ (tak)
2009-06-10 23:32:57
いえいえ。派手なエンドクレジットが流れる中で、そうつぶやいた貴女はかっこよかったです(笑)。

映画を通じて見知らぬ異国の現実を知る瞬間って、これまで「映画観てきてよかった」と思えることが多かったんです。「クジラの島の少女」とか「キャラバン」とか。でも「スラムドッグ~」は、おそらく二度三度観ることはないだろうな。肥だめにつっこむ場面、子供を集める悪人たち、ヒロインをいたぶるギャングのボス、スラム出身者を見下す司会者・・・ラストはスカッとする面白さでしたが、僕も何度も観ようとは思えませんでした。

僕が映画に求めてるもの・・・何だろう。
日常を忘れさせてくれること。
人生の教科書としての映画。
・・・いろいろあるよな気がするな。

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