★YUKAの気ままな有閑日記★

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【本】散るぞ悲しき~硫黄島総指揮官・栗林忠道~

2006-12-21 11:32:01 | 本【その他】

   『散るぞ 悲しき 硫黄島総指揮官 栗林忠道』   梯 久美子   新潮社

私は、今まで戦争に関する映画や本を極力避けて過ごしてきた。
ところが、クリント・イーストウッド監督による硫黄島二部作の映画が話題になった折、映画館で予告編を観る機会を得てしまった。
そして、ほんの短い『硫黄島からの手紙』の映像で、恥ずかしい位に胸を揺さぶられた。
二人の息子を持つ身になり、やっと戦争に目を向けるべき時が来たのかもしれない。
だが、いきなり大画面で戦争映画を観る勇気がなかった為、いつも敬服しながら拝読させて頂いている『ミチの雑記帳』のミチさんお勧めのこの本を手に取ってみた。

            ―大宅壮一ノンフィクション賞受賞―

     ~戦争を知らない世代の梯 久美子さん渾身のノンフィクション作品~

【内容】
水涸れ弾尽きる凄惨な戦場と化した、本土防衛の最前線・硫黄島。その知略で米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲の心配をする愛情こまやかな父でもあった―。
    ―死よりも苦しい生を生きた烈々たる記録― (本の帯より抜粋)

【comment】
冒頭に「戦局最後の関頭に直面せり・・」という訣別電報や、目下の者に気さくに接する栗林中将のエピソードが紹介されており、一気に彼の人となりに惹かれてしまった。

だがこれから読まなければならない事を思うと、苦しくてなかなかページが進まなかった。

第二次世界大戦末期、日本の敗色が濃い中、当時首相であった東条英機が栗林中将に命じたのは、勝つ事ではなく、一日でも長く粘り全員が死ぬまで戦う事だった―
そこで栗林中将は、着任後直ぐ自分の足で島の隅々までを歩いて回り、当時の定石であった水際でのバンザイ攻撃による玉砕ではなく、地下に基地を作り奇襲するゲリラ攻撃を選択する。
その為、当初アメリカから5日で陥落すると思われていた硫黄島は36日間も持ち堪えるのだ― 
(*硫黄島での日本の死者20,129人、捕虜1,029人)

援軍も無く、水や食料すらも無い必敗の硫黄島で、日本の本土を一日でも長く守る為、そして何よりもそれぞれの家族の為に、死よりも辛い生を生き、戦って散っていった多くの将兵達は、父であり、夫であり、息子であり、そして兄弟であったのだ・・・・・
読んでいて、嗚咽が止まらない程に胸が苦しくなる―


栗林中将は、自分達の遺骨や遺品が届かないであろう事を想定して、将兵達に手紙を書く事を奨励した。
その為栗林中将の手紙だけでなく、他の将兵の手紙も紹介されており大変感動した。
映画の西郷のモデルではないかと思われる、まだ見ぬ我が子の写真を穴が開くほど眺めていた将兵の手紙には涙が止まらなかった―

勝利も帰還も望めぬ戦場で、栗林中将は、将兵達に、「死よりも苦しい生を生きよ」と言い、「命の最後の一滴まで使いきれ」と命じ、潔く散る事さえも禁じた。
留守宅の家族に思いやり溢れる手紙を書き送った父親は、ここでは2万人の将兵に生き地獄を命じなければならなかった。
全ては日本本土の国民の為に―
そして、「予は常に諸子の先頭に在り」と、階級章をもぎ取って最後の出撃をしたのだ―


とても丁寧に「出征」から「最後」までが纏められており、私のように戦争本が初めての人間でも、事実の一端を知る事ができた。
これを機会に他の本にも触れてみたいと思っている―


ここで、本のタイトルにもなった栗林中将の辞世を一句紹介したいと思う。
  『国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき』


私があまりにも泣きながら本を読んでいたので、下の息子が何を読んでいるのか聞いてきた。
地図を広げて硫黄島で戦った人達の話をしたが、「可哀想だね」で終わりである。
私を含め、この子達は戦争の本当の悲惨さを想像すら出来ない。
この平和が続く事を願うばかりである。

*ウィキぺディアによると、第二次世界大戦で亡くなられた方は、連合国5,000万人 枢軸国1,200万人(推定)だそうだ。
この方々全てに悲惨な戦争の体験がある―
               ―慎んで、哀悼の意を捧げます―
    一人でも多くの方に読んで頂きたい本  (5点) 
     
       *『栗林忠道 硫黄島からの手紙』 解説 半島一利 の感想です
            *映画 『硫黄島からの手紙』 の感想です

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12 Comments

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こんにちは♪ (ミチ)
2006-12-21 16:34:09
由香さん、ブログ開設おめでとうございます~
昨日URLをお知らせに来てくださったのに、どうも接続できずに途方にくれていました。
再びお知らせしてくださってありがとうございます!
早速この本を読まれたのですね~。
映画もとても良かったのですが、この本は冒頭から泣けて泣けて・・・・
自分の子供が戦場に行くことのないように、まずはしっかりと知り、そして意見を持っていきたいですよね。

ブログは誰もが初心者からのスタート(当たり前ですネ)、由香さんも徐々に自分のスタイルを築いていってください
またTBやコメントなどでお付合いをよろしくお願いいたします
ありがとうございます!!! (由香)
2006-12-21 20:48:32
ミチさん、遊びにきて頂けて嬉しいです

衝動的にブログを始めてみたものの・・・
思ったよりも難しくて、もう後悔し始めています

でも、いつか自分のスタイルが出来ることを祈って、
マイペースでボチボチ続けてみようと思いますので、宜しくお願い致します

ブログを始めたら、絶対にこの本の事を書こうと
思っていました。
私も泣きっぱなしで読みました。
普段は読むスピードが早い方なのですが、
これは読み終えるまで3日もかかってしまいました。
じっくりと読みたかったし、何より苦しくなってしまうので、
ゆっくり、ゆっくり読みました。

本当に沢山の方にも読んで頂きたい本ですよね。
こんにちは~~!! (きゃんでぃー)
2006-12-22 02:08:30
由香さん、さっそくお邪魔しに参りましたわよ~~ん

頂いたメールの内容では とっても不安を感じてらっしゃったみたいですが、、 なかなかどうして!! とってもステキに仕上がっているではありませんか~~

このままでぜんぜんオッケーっすよ!!

文章もとってもわかりやすく、読みやすくって、、 ついつい惹き込まれて読んでしまいます!!

とくに、この硫黄島の本の解説はとってもスバラしいと思いますわ!!


もし、、、例えば、「ここを こうしてみたい」とかっていうご希望がございまして、やり方がわからない、、っていうのがございましたら、またいつでもご連絡して頂ければ 一生懸命に答えさせて頂きたい所存でござるぞよ!

硫黄島からの手紙、、この映画が昨日からアメリカでも上映が始まったのですが、、「見れる!」と喜んでいたのは束の間 ロスとニューヨークに限定されての公開だったらしい。。。 なぁ~んだ、、っと めっちゃめちゃ落ち込みましたわよ。
こちらで上映されるのは たぶん来年の2月(当初の予定通り?)になりそうです。 早く見たくて、、うずうずしております。

ところで質問なんですが、、 この硫黄島の戦いでは 栗林中将率いる部隊は『全滅した』と聞いたのですが、、 生き残って無事に帰還された兵隊さんもいらっしゃったのでしょうか?
全ての兵隊さんがお亡くなりになったとしたら、、こんなに詳しい話を書けるはずがございませんですよね??
手紙が本の中でも紹介されているそうですが、どなたかが持ち帰ってきたってこと、、ですか??

、、って 初めてのコメントなのに、、こんなに「?(はてなマーク)」ばっかりで ゴメンなさ~~い!!

これからも、マイペースで、、頑張って続けて行って下さいね 応援してます!
ありがとうございます~~~!!! (由香)
2006-12-22 09:58:38
きゃんでぃ-さん!遊びにきてくれて嬉しいです
先日は、パニックになってメールを送りつけて
本当にすみませんでした

ボチボチとマイペースでやっていきますので、
宜しくお願い致します

硫黄島では、命のあった方もいらっしゃったようです。
きゃんでぃさんからご質問を頂き、
「確かに私の文だとわかりにくいジャン」と思って、
今朝、ちょっと記事を書きなおしてみました
読んでみて下さいね(←またお願いしてるし・・・)

私も『硫黄島からの手紙』の映画観ました。
目の回りの化粧をしないで観ることをお勧めします。
そちらでも早く公開するといいですね
はじめまして (トーコ)
2007-01-06 00:17:50
TB・コメントありがとうございました。

私はまだ映画を観ていないのですが、近日中に映画館へ足を運ぼうと思っています。

この本や他の書籍で予習した栗林中将や多くの手紙を残した軍人さんたちがどのように描かれているのか、今から楽しみです。


TBコメントありがとうございます♪ (由香)
2007-01-06 09:15:22
トーコさんへ
戦争映画は苦手でしたが、思いきって観に行って良かったと思っています。書籍とは幾分相違があると思いますが、映画ならではの訴えかけるメッセージがありました。私も映画のレビューを記事にしておりますので、映画をご覧になったらご訪問下さると嬉しいです
それでは、またお邪魔させて下さいね
死よりもつらい生を生きよ (しゅぺる&こぼる)
2007-01-16 07:20:38
この言葉が胸に響きますね。
わたしも読んでみようと思いました。
フジテレビでやっていた「硫黄島からの郵便配達」も興味深かったです。
この島で起きたことを風化させてはいけないと思います。
TBありがとうございました。
ありがとうございます (由香)
2007-01-16 08:00:18
しゅべる&こぼるさんへ
わざわざコメント頂き恐縮です。

とても胸に突き刺さる本でした。
あまりにも辛くて、読むのに時間が掛かりました。
でも一人でも沢山の方に触れて頂きたい本です。

私もTVを観ました。
ドラマ部分よりも実際の体験者の方々への
インタビュー等に感動しました。
仰る通り、風化させてはいけない事実ですよね。
こんばんは! (JoJo)
2007-09-04 23:34:47
由香さん、こんばんは!こちらの記事とともに『栗林忠道 硫黄島からの手紙』を拝読いたしました。

改めて由香さんを尊敬します。どちらの作品も、壮絶なまでに現実の悲惨さを訴えるもので、それを読むのはかなり勇気がいることだと思います。事実、わたしはこうして由香さんの記事を拝読するだけで、もう胸が苦しく、現時点ではこの2冊を読む勇気を持ち合わせていません・・・でも、いつかキチンと読まなくてはと思います。「父親たちの星条旗」近日中に観る予定です!
JoJoさんへ^-^* (由香)
2007-09-05 08:27:49
こんにちは!
コメントありがとうございました。
この記事はブログを始めて2日目に書いたものです。
あ~~~恥ずかしい(汗)
もうちょっと言いたい事を整理出来ただろうに・・・と思っちゃいます(笑)

私も戦争に関する本や映画は、辛すぎて極力避けて参りました。栗林氏以外の本も勇気を出して数冊読みましたが、感想は書けずに終わっております。
戦争は遠い昔の事だったり、自分とは関係のない事だと無意識に自己防衛してしまいがちですが、本当はちゃんと目を向けるべきなのでしょうね。

私は「父親たちの星条旗」を未見なんですよ~
レンタルしなくちゃ・・・と思いながらついついスルーしちゃって・・・今度こそ観ようかな。
Unknown (jester)
2008-04-05 17:58:10
由香さん、お邪魔しますね。
由香さんの記念すべきブログの始まりを今読んで、なんか感激しております。

この本は栗林さんのインテリジェンスと優しさを感じさせてくれて、とても切なかったです。
反戦の思いをより強くさせられました。

この本を読んだあとに「硫黄島からの手紙」の映画を見たのですが、(「父親たちの星条旗」はもうすでに見たあとでした)すごくつらかったのをおぼえています。

こういう本を子供たちに伝えて行きたいですよね。

こちらからもTBさせていただきました。
(というか、うちが承認制のせいか、まだそちらからのTBがついてないみたいなのですが、どうぞ御気になさらないでくださいませ~)
jesterさんへ^-^* (由香)
2008-04-06 11:22:02
こんにちは!
きゃ~~~恥ずかしいですぅ~
ブログを始めて2日目の感想・・・穴があったら入りたいです(じゃーお邪魔するなよ・笑)

この本には凄く感動しました。
『栗林さんのインテリジェンスと優しさを感じさせてくれ』ましたね~
栗林さんの人となりに惹かれました。
私は実は父親たちの星条旗は未だに未見なんです(汗)
観よう観ようと思いながらついつい後回しに・・・
戦争物やアフリカの虐殺物を観るのは勇気がいります。
鑑賞後はグッタリですし・・・

TBはご迷惑をお掛けしました。
30日前の記事には反映されないのですね~
ところで、遅くなりましたがリンクさせて頂きました(愚図でスミマセン・ぺコリ)
今後とも宜しくお願い致します!

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