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自国民を守らず、代表者を見捨てる日本人~浅田真央引退

2017-04-21 | 様々な空気
先日取り上げたプルシェンコに続き、日本のフィギュアスケート界最大のスターだった浅田真央が引退を表明しました。

プルシェンコの時にも取り上げましたが、バンクーバー五輪で、浅田真央が韓国から様々な嫌がらせを受けていた際、日本のマスメディアは韓国と一緒になって浅田真央をいじめました。
しかも浅田真央叩きに参戦した日本人は、韓国に媚びる自称リベラルだけにとどまらず、森元首相や城内実のような一部保守派さえも加わっていました。

浅田真央は身をもって、メディアや一部保守派が自国民を守らない、それも若い女性であっても守らない、という日本という国の異常性を示しました。

過去にこの件について取り上げた記事をいくつかも、お時間があればご参考に。

スポーツから見る日本人の異常性
http://blog.goo.ne.jp/taichi200707/e/f3a2b7baa0f32b103061438b33f2fff0

『フィギュアスケート 疑惑の高得点』
http://blog.goo.ne.jp/taichi200707/e/b23d95da25daa149ced26b756f12ab97


さて「若い女性であっても」と書いたのは、かつて日本のメディアや保守派が、「女子には多少甘いが日本の男子選手にはやたら厳しい」という時期があったためです。

特に顕著だったのが、五輪の柔道。男子が実力以下の成績で終わると、酷いバッシングが巻き起こりました。

特にその被害に遭い、精神を病んでしまったのが、男子柔道最重量級の小川直也でした。彼は五輪までの世界選手権で優勝していたため、五輪でも金メダル候補でしたが、実際の五輪で敗れて銀メダルとなりました。

すると日本中から「情けない!」などのバッシングが巻き起こり、小川はすっかり人間不信に陥りました。
その後小川はプロレスに転向しましたが、プロレスではじめて自分に大歓声を受けた際、涙を流したそうです。それだけ彼は苦しかった。日本中が自分の敵だと思っていたから。バッシングがトラウマになっていたのです。

さて当時のように、小川直也のような大男がバッシングを引き受けているうちは、例えば女子選手が五輪で期待以下の成績に終わってもそこまでのバッシングはなかった。

私はそれは彼らが女性に甘いからではないかと思っていましたが、浅田真央の件でそうではないことが分かりました。つまり浅田真央が、そうした現象を「男子選手に対してだけの狭い範囲の話」ではなく、「日本人全体にある病理」という、より広く一般的な問題であったと証明したのです。

要はその時一番期待されている選手であれば、性別その他に関わらず、酷いバッシングが起こる。しかも浅田真央の時は不運にも、日本のメディアが必死に媚びへつらう韓国の選手とライバル関係にあったため、味方をしてくれるメディアはほぼ皆無でした。

小倉智昭や安藤優子のようなメディアの代表格はもちろん、森喜朗や城内実のような、一応愛国系とされる人間までもが、浅田真央をバッシングしました。


このようなバッシングはどの国でも当然なのでしょうか?

同じフィギュアスケートで、まず同じバンクーバー五輪で、男子の優勝候補だったプルシェンコが敗れて銀メダルになった際、ロシアのメディアはちゃんと採点に疑問を呈し、プルシェンコを守ろうとしました。プルシェンコは浅田真央より年上の男で、しかも当時既に結婚していたような人間であったにも関わらず、メディアはちゃんと彼を守ろうとした。

さらに4年後のソチ五輪。今度は韓国のキム・ヨナが敗れて銀メダルとなると、韓国のメディアは一斉に採点への疑問を報道し、キム・ヨナを守りました。また韓国のネットユーザーは、金メダルを獲得したロシアのソトニコワのフェイスブックページに嫌がらせの攻撃を仕掛けました。


このような外国の姿勢、特に韓国の幼稚とも言えるメディアの自国擁護の姿勢に対し、多くの日本人は「みっともない」「恥ずかしい」などの感想を持つようです。

しかし私には、浅田真央を守らなかった日本人の方がよほど「みっともない」「恥ずかしい」存在に感じます。

韓国もロシアも、執拗な抗議によって他国に嫌われてでも、メディアその他が自国の選手を守ろうとしたのです。
それに引き換え日本はどうだったか?
メディアその他は自分達が公平だと思われたいがために、つまり自分達の格好を付けるために、自分達の代表の選手を見捨てたのです。

自国の選手が苦しい思いをしている時に、他国に嫌われてでも、幼稚だと揶揄されても、必死に守ろうとする国と、自分達が格好付けるために自国の選手を見捨てる国と、どちらが格好いいでしょうか?
前者が格好いいかどうかはともかく、代表選手を見捨てる日本が最も格好悪いことは間違いありません。

逆に引退した浅田真央に感じるのは、当時わずか20歳そこそこの女性でありながら、他国選手のように自国によって守られることも一切なく、たった1人で立ち向かった勇敢な戦士だった、という印象です。


これは政治家その他の代表者に対しての日本人の態度についても言えることです。それも自称リベラルだけでなく、保守派も含めての日本人全体です。自分達は抗議も何もせず、総理大臣その他の代表者に人任せの姿勢で何でも押し付け、一切協力せず、文句とバッシングだけはする。

そのような日本人の「人任せ」「他力本願」「身内への文句だけは一人前」の姿勢が何を産むかと言えば、それは味方全体の敗北だけです。

例えば現在の日本の保守派は、大まかには安倍政権を支持しているにも関わらず、ほとんど何の協力もせず、何でも政府任せで政府に依存ばかりし、文句だけは一人前。
そしてそういう日本人の性質を悪用し、外国権力を利用して日本を支配している、リベラルを名乗るナチス。

このようにして、保守派をはじめとする日本の立場に立つ日本国民の怠慢により、外国権力とそれに協力する卑怯な日本人によって、我々の日本が牛耳られているのです。


自分達の権利・立場を守るためには、何でも代表者に人任せにするのではなく、自分達が嫌われるなどのリスクを負ってでも抗議をし、戦わなければならない、ということ。
政治家の例ではどうしても分からないなら、アスリートである浅田真央の苦闘を通じて、日本人はいい加減に学ぶべきです。


(参考記事)
自分を守り、選手(矢面に立つ人)を見捨てる日本人
http://blog.goo.ne.jp/taichi200707/e/b1c653b3c8f8f3f6da12c84949d7ea1b


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