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角田美代子容疑者自殺

2012年12月12日 | ヒトゴロシ

角田美代子容疑者が自殺 尼崎連続変死事件

兵庫県尼崎市の連続変死事件で、兵庫県警は12日、殺人容疑などで再逮捕した無職、角田美代子容疑者(64)が死亡したと発表した。同日午前6時20分ごろ、県警本部(神戸市中央区)の留置場で首に衣類を巻いたまま動かなくなっているのを、巡回中の県警留置管理課員が発見。病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。県警は自殺とみており、司法解剖して死因を調べる。

美代子容疑者の周辺では昨年11月以降、尼崎市や高松市で男女6遺体が見つかっている。県警は同容疑者が一連の事件を主導していたとみて捜査していたが、死亡により全容解明は困難になった。

留置管理課によると、美代子容疑者は午前6時ごろまで、県警本部3階の留置場で布団の中であおむけになって寝息を立てていた。しかし、約10分後、巡回中の課員が寝息がないことを確認。同6時21分に留置場内に入ったが、すでに意識不明だった。神戸市内の病院に運ばれ、同7時15分に死亡が確認された。

美代子容疑者は普段着ている黒い長袖Tシャツの両袖の部分を首に1回巻き結んだ状態だったとされる。同じ留置場には連続変死事件とは別事件の容疑者2人が留置されていた。美代子容疑者の異常に気づかなかったという。

美代子容疑者は10月22日以降、巡回する留置管理課員に対して複数回「死にたい。どうしたら死ねるのか」などと自殺をほのめかすようなことを話していた。「寝られない」などとも訴え、睡眠導入剤を処方されていたという。

美代子容疑者の再逮捕容疑は、親族6人と共謀し、昨年7月25日ごろから同27日ごろの間、尼崎市の同容疑者の自宅マンションで、橋本次郎さん(当時53)をひもで縛って監禁し、暴行や飲食物を与えないなどして虐待し殺害した疑い。

橋本さんは岡山県の海中から引き揚げられたドラム缶にコンクリート詰めにされていた。県警によると、美代子容疑者は再逮捕容疑について「悪いのはすべて私です」と話していたという。

橋本真佐男・県警留置管理課次席の話 原因など詳細は調査中。今後、このような事案が起こらないよう努めたい。

(日本経済新聞 2012年12月12日)



美代子容疑者自殺、県警「落ち度ない」 全容解明困難に

兵庫県尼崎市の連続変死事件で、角田美代子容疑者(64)が12日、自殺した。周辺で6人の遺体が見つかり、なお3人が行方不明の事件の捜査はこれから本格化するところだった。弁護人には「生きていても意味がない」と話し、前日には死をほのめかしていた。主犯格とされる容疑者の死亡で、全容解明は困難になった。

「落ち度や規定違反はない」。県警は午前9時半から約1時間、留置管理課の橋本真佐男次席が本部で発見の経緯を説明し、ミスがないことを強調した。

美代子容疑者は死亡前日の11日、取り調べを受けるため午後6時52分に留置場を出て、約1時間後に留置場に戻った。午後8時35分、巡回していた留置管理課員が「体調はどう?」と尋ねると、「大丈夫です。(気にかけてくれて)すいませんでした」と笑顔で頭を下げたという。

課員は、美代子容疑者が取り調べ直後、疲れてふらふらしていることがあるため、気にかけて体調の変化を聞いたという。ふだんは睡眠導入剤を服用しているが、とくに落ち込んだ様子はなかったとしている。

美代子容疑者は、尼崎市の民家から男女3人の遺体が見つかった10月以降、4回にわたり留置管理課員に自殺をほのめかしていたという。初めて「死にたい」と漏らしたのは10月22日で、留置管理課員に「どうやったら死ねますか」と尋ねていた。

捜査関係者によると、同居していた親族の橋本次郎さん(当時53)の死体遺棄容疑で11月初めに逮捕される直前、「話したいことがある」と取調官を呼び、「私が自殺したら済むんです」とも漏らしていた。

(朝日新聞デジタル 2012年12月12日)





兵庫・尼崎の連続変死:角田美代子容疑者自殺 事件の真相闇に 兵庫県警、大失態

兵庫県尼崎市の連続変死事件の中心人物とされる角田美代子容疑者(64)の突然の自殺は、犠牲者の遺族や知人らに大きな衝撃を与えた。事件の核心を語らないまま自ら命を絶ったことに対して、「本当のことを話してほしかった」「事件の真相が闇に葬られてしまう」などと落胆する声も上がった。識者からは「自殺を防げなかったのは警察の大きな失態だ」という指摘が出ている。

尼崎市の民家の床下から遺体で発見された仲島茉莉子さんと角田瑠衣容疑者(27)姉妹の父は「残念です。ものすごくいろいろなことがあったから一言二言では言い表せない。(美代子容疑者には)全部しゃべってほしかった」と目に涙を浮かべ声を絞り出した。

一緒に遺体で見つかった安藤みつゑさんの弟(64)は「真相が分からなくなってしまった。姉の命は勝手に奪われたのに、自らの意思で死を選ぶなんて自分勝手。生きて罪を償ってほしかった」と悔しそうに話した。

美代子容疑者らに殺害されたとされる橋本次郎さん(当時53歳)がかつて勤めた尼崎市内の会社の元社長(65)は「ようやく捜査が始まったというのに、肝心なことが分からず残念だ」と声を落とした。橋本さんが5年前に東京に逃げた際に世話をした男性(52)は「まさか自殺するとは。これで全てが闇に葬られた」と驚いた様子で話した。

高松市の倉庫の地中から遺体で見つかった皆吉ノリさんの知人女性(64)は「裁判を受けて本人の言葉で真相を語ってほしかった。全てを知っている人間が死んでしまっては、亡くなった人たちが報われない」と話した。

仲島茉莉子さんらの親族で、香川県綾川町に住む70代男性は「どうしてなのか……。美代子容疑者には真実を語る責任があった。思いがけないことばかり続く」と驚いていた。

美代子容疑者の弁護団は12日、「自殺を非常に心配していた。3人で交代で接見し、『関係者の処分を見届けずに死ぬことは許されない。最後まで裁判を受け、真相を述べる必要がある。頑張れ』と励ましてきた。説得が及ばず、このような結果になり、非常に残念」との声明を出した。

(毎日新聞 2012年12月12日 東京夕刊)

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