狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

「渡海談話」?悪夢だ! 「訂正」審議結果「自ら説明する」

2007-12-06 08:30:45 | 教科書

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沖縄タイムス 2007年12月5日(水) 夕刊 1・5面  

(略)  

「訂正」審議結果「自ら説明する」/文科相が意向

 【東京】渡海紀三朗文部科学相は五日午前の衆院文部科学委員会で、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述に関する教科書会社からの訂正申請を受けた審議結果の公表について、教科用図書検定調査審議会の委員が同席した上で自らが公の場で説明する意向を明らかにした。保坂展人氏(社民)への答弁。

 渡海文科相は「ある委員に登場していただける前提の下で、私自身が説明する必要があると考えている。この問題を就任以来、扱ってきた私としてそういう責任があると考えている」と述べた。

 審議会で結論が出た際、首相談話を出すかどうかについては「総理自身が決めることだ」と述べるにとどめた。

 林博史関東学院大教授が、自身のホームページ上で文科省に「著書(『沖縄戦と民衆』)を歪曲して検定意見をつけた」と抗議していることには「検定意見は最近の著書を総合的に判断してつけられた。林氏の著書もそのうちの一つであることは間違いないが、それのみによってではない」と説明した。石井郁子氏(共産)への答弁。http://www.okinawatimes.co.jp/day/200712051700_02.html

                      ◇


> 「検定意見は最近の著書を総合的に判断してつけられた。林氏の著書もそのうちの一つであることは間違いないが、それのみによってではない」

その通りであるが、林教授の意見書はむしろ「反対派の学説は、所詮この程度の推論しか存在しない」というアリバイ作りのために提出させた程度の粗雑な内容だ。

自らが公の場で説明する意向を明らかにした

「記述復活」については布村審議官が明確に否定しているが、例え教科書の記述には復活しなくとも担当省の最高責任者である渡海文科大臣が「談話」を発表すれば、その内容が大きな問題となる。

「従軍慰安婦」と「河野談話」の関係を思い起こせば、時の閣僚が発した「談話」がその後の日本の誇りをどれだけ貶めてきたか自明だろう。

「記述復活派」は文部官僚に「理」でもって拒否されると、今度は政治家に「情」で迫るのが左翼勢力の常套手段。

政治家である関係大臣が「県民の意思を重く受け止める」とか、首相「県民の気持ち分かる」という発言は、

政治家の発言の「枕言葉」でありそれ自体にはあまり深い意味はない。

国民を一票を持つ選挙民と見る大臣にとって「県民の意思をを軽く受け流す」とも「県民感情を無視して」ともいえないだけの話だ。

だが、「教科書記述復活拒否」と「県民感情配慮」の隙間を埋めるのが政治家の妥協だ。

これまで渡海大臣や町村官房長官が発していた「県民感情配慮」を臭わす「努力と工夫と知恵」といった発言が気になってくる。

「文科省でしっかり検討」 参院代表質問に福田首相  (10/4 17:04)

声反映に「知恵絞る」 作業進めると文科相 カメラ  (10/3 16:02)

訂正応じる、答弁書明記 教科書検定で政府閣議決定  (10/2 16:03)

審議会で再検討も 渡海文科相、訂正申請「丁重に対応」 カメラ  (10/2 16:00)

民主主義とは厄介なシステムである。

「政治家が教科書の記述に介入するのはいかがなものか」と、

当初は「教科書検定意見書撤回」に批判的であった仲井真県知事もマスコミが煽る「民意」に押され、

気がついたら政治運動の先頭に立って「沖縄条項」を求めるほど過激になっていた。

沖縄の自民党県議団にも同じことが言える。 当初は「教科書検定意見撤回決議」には反対していて何度も議決採択は延期になっていた。

自民党の見識、 結論先送り/「集団自決」意見書

だが結局彼らもマスコミの動向で考えが揺れ動くただの政治家に過ぎなかった。

保守派である仲井真知事や自民党県議団の「豹変」について、当時政府との裏取引があったのではないかという噂がながれた。(集団自決」 伊吹大臣「教科書記述」で密約?)

当時の模様を伝える自民党の議員のインタビュー記事中(6月)の次のくだりが気になった。
   
 ≪先月末の議員総会で見解がまとまらず採択を見送ることを決定したが、今月14日の総会では、自民党県連代表が文科省に行き、今回の教科書検定の経過説明、回答を踏まえて協議した結果市町村が相次いで意見書を可決していることや採択されない場合の県民からの反発を懸念する意見が大勢を占めて、採択やむなしの方向になった」≫(「ダイジェスト版世界日報」ー6月の記事)

>自民党県連代表が文科省に行き、今回の教科書検定の経過説明、回答を踏まえて協議した結果、・・・

このとき自民党県連代表は伊吹文科大臣(当時)と一体何を話したのか。

ここで当初の「教科書記述に政治家が介入すべきではない」と言う、高邁な理念をかなぐり捨てて世論におもねる「政治的妥協」の取引きをしたのではないか。

藤岡信勝拓大教授は次のようにその疑念を述べている。

【正論】拓殖大学教授・藤岡信勝 「政治的妥協」の愚を繰り返すな

(略)

≪「沖縄条項」制定の企み≫

 沖縄では検定撤回を求める激しい運動が起こっている。文科省はどんなに沖縄の反対運動が広がっても、検定を撤回することはないだろう。そんなことをすれば、検定制度の根幹が吹き飛んでしまうからである。

 しかし、それとは別の迂回した方法で「政治的妥協」が計られる危険性は十分にある。実は、悪しき前例がある。中韓の内政干渉に屈して「近隣諸国条項」が制定された昭和57(1982)年、高校日本史で「沖縄県民が日本軍の手で殺害された」という記述が検定によって削除されるということがあった。これに対し沖縄の地元紙2紙が2カ月にわたるキャンペーンを展開。県議会が意見書を採択し、国会質問に小川文相が「次の検定の機会に県民の方々のお気持ちに十分配慮して検定を行う」と答弁した。

 そして、昭和58年度の前倒し検定では、「日本軍により、戦闘のさまたげになるとして集団自決を強要されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりした県民も少なくなかった」という記述が合格し、その後の沖縄戦記述の原型となったのである。

 今進行している事態はそれと全く同じである。地元紙2紙が扇情的な記事を連日大々的に掲載し「県民感情」をあおっている。すでに6月中旬までに、沖縄の41市町村議会のうち半数を超える議会が検定撤回の意見書を採択した。

 問題は参議院選挙を控えた政府・自民党が、来年3月までにこっそり教科書会社に自主訂正を申告させて検定以前の記述を復活させるという密約をしかねないことだ。そうなれば、「沖縄」だけを検定の埒外に置く「沖縄条項」とでもいうべきものが事実上制定されることになる。日本人は沖縄の悲劇を心に刻むべきだ。しかし、今、検定撤回の動きを扇動している勢力の狙いは、「県民感情」を利用して歴史をゆがめ、反軍・反国家・反体制運動を展開することなのだ。政治家主導による目先の妥協で国益を損ねた「近隣諸国条項」の二の舞いを絶対に繰り返してはならない。

裏取引にはギブ&テイクがあるもの。

当時は参院選挙の前だったが、その後自民党は選挙で大敗し、安倍総理、伊吹文科大臣は辞任した。

■政治的妥協のための裏取引■ 

今回も政府自民党は「文科省」と「県民感情配慮」の間で裏取引をして、その妥協点に苦慮しているとの話も聞く。

「追記」

密約の根拠に、参議院戦惨敗後、沖縄選出の自民党国会議員でつくる五日の会・会長仲村正治衆議院議員が文科省で伊吹文科大臣(当時)を尋ね、次のタイムス記事のような言質を取っている。

伊吹文科相「軍関与なら問題ない」/「集団自決」修正
 
伊吹文科相「軍関与なら問題ない」/「集団自決」修正
 【東京】高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から日本軍の関与が削除された問題で、県選出、出身の自民党国会議員でつくる五ノ日の会(会長・仲村正治衆院議員)は二十四日、文部科学省に伊吹文明文科相を訪ね、検定の撤回を要請した。仲村会長らによると伊吹文科相は、軍の関与を容認した上で「すべてで『軍命』があったわけではない。『軍の関与』という表現であれば、次回の検定で問題とならないだろう。出版会社にお願いしてはどうか」などと提案したという。
 伊吹文科相は今回問題となった検定意見の撤回については「大臣の立場としては言えない。大臣が一度検定に介入する例をつくってしまうと、別の検定にも影響が出てくる」などと困難視。

 しかしその一方で「私も近々大臣を辞めるのでどうこう言うわけにはいかないが、『軍の関与』という表現ならいいのではないか。教科書出版会社に『軍の関与』という表現を使用するようお願いしてはどうか」などと述べ、「軍の関与」という表記であれば次の教科書検定で合格できるとの見解を示したという。

 伊吹文科相は県議会が全会一致した「検定結果の撤回を求める意見書」の表記が「軍命」ではなく「軍の関与」となっていることに「知恵を出した表現だ。来年の教科書を書くならば、そういう形で書かせたほうがいいのではないか」と語ったという。

 仲村会長らはこの日、同省の布村幸彦審議官とも面談。今回の検定意見に「事実を明記すべきだ」と抗議し、教科書を審査する「教科用図書検定調査審議会」の会長との面会を強く求めたが、明確な回答はなかったという。

流石に布村審議官からは言質は取れなかったようだが、政治家伊吹大臣の言質は取っている。

そのとき裏取引があったのか。

仮にそうだとしたら、それほどまでして裏取引するそのココロは?

普天間基地移設の早期解決か、それとも更に深い闇があるのか。

しかし問題がこれほど大きくなった以上、文科省に圧力を加えるのは今度は「国民感情」が許さないだろう。

となると文科省の仕事は官僚・学者に任せて、政治家の「工夫と努力と知恵」を働かせば閣僚の「○○談話」という着地点に落ち着く。

渡海大臣は「渡海談話」発表には同意しているが、ある委員に登場していただける前提の下で、」という条件が気になる。

まさか総理大臣を臨席させて「渡海談話」に裏書してもらうつもり・・?

となると、記述復活申請は拒否出来ても「自国民を強制死させた残虐非道の日本軍」という「渡海談話」が、それこそ海を渡って、NYタイムズのオーニシ記者あたりが大喜びで「日本糾弾」の記事を書く事態にもなりかねない。

政治的妥協の産物「渡海談話」は悪夢である。

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