樹庵のお気楽ナビ

チビデビル ルックと
天使キャラ セントの日記です。

空き家の実家の話 最終回

2023年12月31日 | 日記
一気に続きを書きます。

4月に先方の会社の方に実家を見てもらいまして、
売買の手続きに入ってもらうことになりました。
必要なものを持ち出していただいたら、後はそのままで結構ですと
言われて、5月の連休に整理に行きました。

家の中には、押し入れにふとんや、キッチンの食器棚の食器や冷蔵庫や、
父の部屋にはベッドやタンスや、他に大きな全集の入った書棚や
そして、蔵の中には整理するのも途方にくれるモノが溢れております。

そのすべてを処分するのはけして安い費用ではない。
そして借家にするにはキッチンと居間のリフォームも必要で、
まあ、売買金額だけ見たらびっくりするかもしれないけど、
借家にするために買い取った会社の投資はバカにならない。
ありがとうございます。よく買ってくれました。

父の日記やたくさんあるアルバムや、
座敷の鴨居に並ぶ曾祖父母からの写真など最低限のプライベートなものを
私の手で処分しながら、思わずそんな言葉がもれます。
(鴨居の写真はスマホに記録)

アルバムは、広げて見だしたら切りがないので目をつぶって全部処分。
でも、そんな中でもポロッと1枚落ちた写真が目に入って、
それは叔父に渡したり。

そして気になったのが蔵にあった30本近い掛け軸と屏風。
連休で集まった親戚には、好きなものを持ち帰ってもらいましたが、
連休明けに東京に戻って、古美術を鑑定買取する会社に連絡し、
家の明け渡しをする5月末までに1回見てもらうことにしました。
曾祖父へのリスペクトです。

ただ、実際に見てもらったところ、ああいうものは箱書きが重要なのに
箱が残っていないことと、昔のことで囲炉裏の煙でかなり傷んでいて
(掛け軸は曾祖父がもっと山奥の家で集めたものです)
ほとんど価値にならなかったのでした。
でも、それならそれでよかったのです。
その中で、私が気になった茶室用の小さな掛け軸があり、
鑑定してもらったら、落款の作者ではないですねと言われたのですが、
私は好きで、それをもらいました。

最後にお酒とお塩を敷地の四隅と家の中(居間と座敷)に供えて、
叔父と一緒に鍵の引き渡しをしました。

長いブログにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
私の実家はなくなってしまいましたが、土地と家は蘇りました。
現在、どなたかが借家として住んでいらっしゃるようです。
本当に良かったと思いました。



空き家の実家の話 その6

2023年12月31日 | 日記
今日は大晦日、今年もあと数時間で終わりです。
更新がめちゃ遅くなりました。年末は仕事もめちゃ忙しい。

さて、市内の不動産屋さんとやっとつながった前回の続きです。
現地を見てくれた不動産屋さんは、
まだ状態がいいからそんなに悪い値段ではないのでは、
と言ってくれました。

そして毎週報告をくれるようになったのですが、
そこからがなかなか厳しい。
どうも建物が大きすぎて買い手がつかないとのこと。
まあ、6DK+蔵では、今の世の中そんなに使いこなせない。
しかも解体すればしたで土地代より高くなる……。
こちらとしては、叔父と話し合って
とにかくマイナスにならないことを最低条件としました。

そして2ヶ月ほど経った時に、
家を買い取って借家にしている会社が、
興味を示していますがどうしますか?と言われました。
土地建物はもちろん、家具などすべてそのままで買い取りますとのこと。

そこで浮かんだのが、よくネットに出ている
土地も家もすべてで100万円とか、その辺の広告でした。
実家はマイナスにならないことが最低条件だったので、
先方からの提示額も100万円にも及ばない金額でしたが、
そのくらいの値段で売った物件の話も聞いていましたので、
エーッ何それ!とは思いませんでした。

実際ネット広告に100万で出して、
それで成立することは少ないと思います。
ただ、金額を叔父に話したら、もうちょっと交渉してみろと言われ
えーと、あの、近所に住む叔父がですね……と交渉しました。
その結果先方が、
地域の方に嫌われる仕事はしたくないのでと歩み寄ってくれました!

成立した値段は、
最初に実家をどうしようかと思った時点から思えば、
想定の4分の1の金額でした。
けれど、多分このチャンスを逃したら
実家が蘇ることはないと思ったのです。

私は、実家が長年の空き家でボロボロになり、
庭が雑草だらけになることを一番恐れていました。
空き家に対する固定資産税が高くなるようですけど、
そんなもの元々安いのだからたかがしれてます。
それよりも、あの土地、あの家を死なせたくない。
私の思い出の詰まった実家への愛情というか、そんなものです。
手放すことでそれができるのであれば、
父や母や、祖父母に対して
申し訳ないことをしているとは思いませんでした。





空き家の実家の話 その5

2023年11月11日 | 日記
2月に法要を済ませて、
さてどこかに不動産会社のつてはないものかと。
市役所からもらった地元の不動産会社一覧を見ても、
ぜーんぜん分かりませんし、
まあ、目をつぶって
パッと選んだところにしても良いのかもしれませんが、
それもね。
なんか後で、あんなことしなきゃ……と思ったら嫌だし。

そしたら、従姉妹の旦那さんに
不動産関係の会社をやっている友達がいることがわかり、
うちの市ではないけれど、
同じ地域だからぜんぜん分からないこともないだろうし、
まったく知らないところに飛び込むよりは
良いのではないかと思って
相談に乗ってもらうことにしました。

その従姉妹の旦那さんの友人が、実家まで見に来てくれて
ざっと概算を出してくれました。
それによると、
土地の値段は、300万くらいは行くかもしれないけれど、
これも更地の値段で。
問題は更地にするために解体するとしたら、
500万はかかる。
そして、建築年代的にアスベストが使われていたら、
解体費は更に上乗せになると。

おおー、解体したら500万(アスベストなしで)、
もしそれで売れたら300万。
マイナス200万!!!!
売れてもマイナス200万で、売れなかったら????
これは……、もうすでにかなりの負の遺産ではありませんか。
こういう計算をして初めて、目が覚めるというか。

今、地価高騰している大都市、
特に東京なんかでは信じられない話ですが、
実は、日本の田舎はこれが現実。

いや、これ、どうするの?
概算を出してくれた従姉妹の旦那さんの友人さんが、
見積りが必要なら出しますけど、私のところではちょっと遠いから
市内に知り合いの不動産会社があるから、そちらを紹介しましょうか?
と言ってくれまして、
市内の不動産会社とつながることができました。





空き家の実家の話 その4

2023年11月06日 | 日記
さて、もうこれで3回お話ししますが、去年の秋
市役所で、空き家の実家の……と相談みたいなことをしましたよね。
で、空き家バンクを利用して借家にしても
とんでもない安い家賃であると判明していたのですが、

空き家バンクには売買もありまして
そこを覗いてみると、実家の近所に売り物件があるではありませんか!
実家より10~20年新しくはあったのですが、実家より坪数は少なくて
そんなおうちが土地+建物で300万で出ていました。
ふーん、300万ね。ならうちは……。

それで年末にそちらに詳しい知り合いと別の用事で話したついでに
実家を売るとしたらどのくらい?相場を知りたい。
なあんてお願いしてみたんです。

そして、お返事が来てあまりの安さに唖然。
坪数150、JAとそのスーパーに2分、バス停に4分、郵便局に7分とかとか
実家は、その地域の中では至極便利な場所にあるのですが、
もうさらけ出してしまいますが、査定額がたったの200万でした。
しかも、それは土地の値段。つまり建物を解体した後の値段です。

空き家バンクではもっと高く出ていた~と叫んでも
それはあなた、売主の気持ちのお値段ですよ。
買いたい!と言ってくれる人がいれば、それはラッキーですけどね。
さあ、その値段でいつになったら売れるでしょう。
その間にも家は傷みますね。管理はどうするんでしょうね。
私の中の冷静な不動産屋が冷たく言い放ちます。

こうなったら、地元の不動産業者に頼るしかない。












空き家の実家の話 その3

2023年10月26日 | 日記
何かこの1ヶ月、
ものすごく仕事が忙しくて、前回何を書いたのか
改めて読んでみて思い出したくらいで、ご無沙汰しております。

賃貸のケースは、どう考えても難しい……ような気がする。
しからば売買のケースは。

……と、これを読んで、
この人ってけっこうドライね。
実家が空き家になってまだ1年でしょうに、
さっさと賃貸だの売買だの。
家族の思い出とかないのかしらね。
と思われた方もおられるのではないでしょうか。

ううーん、こういうのをドライと言うのかよくわからないけど、
私がこの家に家族と住んだのは、小6の夏休みから高3の春休みまで。
6年と少し。
その前に生まれてから小6の1学期まで住んでいたのは、
実はもっと山奥の家で……。そこが12年と少し。
18歳で東京に出てきてから、
あっちこっち住み替えて50年にならんとしている。
嗚呼、人生の半分以上はだって東京ですもん。

田舎に実家があって家族がいて、
それは大きな心の支えではあったと思います。
仕事がなぜか上手く行かなかった時期、
思い切って電話をすればポンとお金を貸してくれた父。
(亡くなる前に返済できてよかったと心から思ってます)
季節の野菜や果物を箱いっぱい送ってくれた母。
祖父母や弟の思い出だってそりゃあ山ほどありますよ。

それはそうなのです。だからといって残されたこの家を
私がどうすりゃいいの?って話ですよ。
放っておいたら傷むでしょうよ。
人が住まなくなると家の傷みはどんどん進みます。
庭木が伸びて隣に迷惑がかかるからと、
叔父が切ってくれて肩を痛めました。
管理だけでも大変なことなんです。

父と母が働いて建てたこの家。
どんどん増築して大きくなった家。
しかし、もう手放すときなのかもしれません。

以前にも書きましたが、
ふと目をやると目の前の何軒かは一人暮らしのお宅。
それもみんな70代80代です。
ぐずぐずしていたら、売ることすら難しくなるのでは……?

そんなことを考えて、2月に
弟の一周忌、父の追善供養、先祖の位牌の御霊移しを終えて
売る方向に舵を切ったのでした。